
今朝、巡視船「しきしま」が神戸港に入港。9時に第一突堤DEFバースに接岸。昨年も同じ時期に入港している。昨年は霧雨の中であったが、今回はまぶしい日差しの下での入港となった。突堤には黒塗りの車が一台準備されており、お偉いさんのお迎えのようだ。「しきしま」は5日の7時に出港する。
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「しきしま」は海上保安庁が保有する世界最大の巡視船。公称船型はヘリコプター2機搭載型。「しきしま」は1992年に予定されていた英仏から日本までのプルトニウム運搬船護衛用として1990年度予算で開発された。「しきしま」はプルトニウム運搬船護衛用に建造された巡視船で他の巡視船とはかなり異なる。「しきしま」の航続距離は20000海里以上と非常に長くヨーロッパから日本まで寄港無しで航海することが出来る。構造は巡視船で唯一の軍艦構造で、更に大型であるため携帯用のミサイル数発程度の攻撃には十分耐えられると考えられる。兵装は35mm連装機銃2基に遠隔操作式の20mm多銃身機銃2基、OPS-14二次元対空レーダーも備え、テロリストが使用するであろう小型船やヘリコプター程度を相手にするのには十分な能力を備えている。また大型のヘリを2機搭載しており、それを使用することによって周辺海域の哨戒をおこなうことが出来る。ヘリは武装こそしていないものの、防弾にはなっているため小銃程度で撃墜されてしまうことはない。万が一襲撃され、敵が内部に乗り込んできた場合でも艦をのっとられることがないよう内部構造は一般には完全に非公開で、内部構造を把握されることを防いでいる。更には乗員から内部構造の情報を入手されることを防ぐため、しきしまの乗員は海上保安庁職員名簿にも掲載されていない。現在プルトニウム運搬船護衛任務以外にも、その能力や航行性を生かして、中国や台湾との緊張が強まっている尖閣諸島周辺海域の警備業務に当たっているほか、シンガポールなどと合同での東南アジア周辺の海賊対策訓練などをおこなっている。
PLH 31 しきしま諸元
全長:150m
全幅:16.5m
深さ:9m
総トン数:約6,500t
機関:ディーゼル×4基 2軸推進
建造:石川島播磨重工東京工場
船型:ヘリコプター2機搭載型
就役:1992年
最高速力:25kt+
航続距離:20000海里以上
レーダー
対空レーダー OPS-14 ×1
武装
35mm連装機銃 ×2
20mm多銃身機銃 ×2
アエロスパシアルAS332L1 ×2
所属:第三管区海上保安本部 横浜海上保安部