19日に嫁さんと姫路の円教寺へ行ってきた。紅葉情報と円教寺のHPのウェブカメラの映像から見るとちょうど紅葉の見頃みたいだし、紅葉まつりで普段非公開の文化財も見れるからいくことにしたのだ。
円教寺、正式名「書寫山圓教寺」(しょしゃざんえんぎょうじ)は、康保3年(966年)性空上人によって開かれた。多くの僧侶の修行の道場として栄え、西の比叡山とも呼ばれる。国指定重要文化財の建造物八棟、仏像八体を有する。神戸からだとJRか山陽電車ということになるが、山陽電車のほうが安く、時間もほとんど変わらないので、山陽電車で出発!山陽電車は播州路を駆け抜けてゆく。このちょっとのどかな雰囲気が私は好きだ。約1時間後に姫路に到着。姫路はJR駅を含め駅の南部が現在再開発中である。この地域にはかの有名な「姫路モノレール」の遺構があるわけであるが、これらがどうなるか?
姫路はあまり来たことがないので食事をするところもどこがいいかわからない。結局、山陽百貨店の上のレストランで食事。さて、円教寺に向けて出発である。姫路駅前からは姫路市営バス2番「書寫ロープウェイ」行きで30分ほどである。途中、姫路城や好古園を通った。好古園の紅葉も有名だが今回は割愛。また兵庫県立大学環境人間学部(旧姫路工業大学)の横も通ってゆく。ここは旧制姫高校舎が残っている。興味があるが、今回は涙をのんで割愛・・・。
その後、せまーい道を通ってようやく書写ロープーウェイまで到着した。円教寺は書写山の山上にあり、そこまでは徒歩かロープーウェイかで行くことになる。ロープーウェイは片道500円、往復で900円だ。ここも姫路市の経営である。自動販売機で往復のチケットを購入。乗り場に行くと既に満員状態のロープーウェイが待っている。「まだ乗れますよー」と係員が言うし、待っても結局は満員になるだろうからと乗ってみた。うーん、まさかここで通勤ラッシュを経験するとは。恐るべし書写山。ロープーウェイに乗ること5分。山上駅に到着。ここからは徒歩である。参堂をぼちぼちあるいていくとお寺の人が志納金(入山料)300円を徴収していた。ちなみにふもとからの登山道は3つあり、うち2つはここを通らないのだか、料金は徴収しないのかな?まあ、京都のお寺の拝観料に比べれば安いねえ。さて参堂にはいくつもの仏像が安置されている。これは西国三十三所の本尊の像が順番に安置されている。銘を見ると社員の健康祈願とか家族の健康と安全祈願とかいろいろな理由で志納されていることがわかる。1から順番に33までならんでいる。33番まで行くと山門がある。これを通ってさらに登っていくと塔頭寺院の寿量院がある。これは重要文化財で、書写塗りの器で精進料理もいただける。ただし5千円。一度は頂いてみたいが・・・。その先に円教寺会館。ここは宿泊も可能な宿坊である。近くには十妙院。これも重要文化財。秋の特別公開で襖絵が公開されていた。ここからは下り坂となる。そして下りきったところに千年杉と小さな橋(湯屋橋)がかかっている。湯屋橋の雰囲気は「千と千尋の神隠し」の湯屋の前の橋に似てなくもない。ここも参考となったところのひとつなのかもしれない。さて、目の前が円教寺の象徴とも言うべき「摩尼殿」である。マニとは梵語の如意のこと。天禄元年(970)創建である。清水の舞台と同じ構造で作られているという。階段を上って入り口へ。なかなか大きい。御本尊の六臂如意輪観世音菩薩を参拝。西国27番霊場であり、巡礼者の姿も多い。僕もご朱印をいただこうと御朱印帳を求めようとしたが、円教寺の名入りはあいにく売り切れ。でも、本のようなタイプがあったので、それを購入し、書いていただいた。やっぱ、お寺の人のほうが書きなれているのか、上手。摩尼殿の舞台は舞台というより縁側に近く、狭い。清水の舞台のように先のほうに行くほど下ってはいないので、怖いという印象はなかった。横に立つ銀杏の鮮やかな黄葉がきれいだった。
摩尼殿を出て奥の院へ向かう。奥の院の手前には三つの堂(大講堂、食堂(じきどう)、常行堂)と本多家の墓所がある。映画「ラストサムライ」のロケ地として紹介されるときによく見た景色だが、あいにく見ておらず、見てくればよかったかなとちょっと反省。食堂は2階にも上がれるが、拝観料(300円)を取られた。またここで大講堂、開山堂、根本薬師堂のご朱印もいただいた。(900円はつらーい)境内をさらに行くと奥の院である。ここには開山堂と護法堂拝殿、護法堂がある。開山堂には性空上人がまつられている。江戸初期の開山堂建築の代表作とされる。特別に内部を公開していた。軒下の四隅に左甚五郎作と伝えられる力士像が屋根を支える。内部には小さな祠のような建物があり、その手前は一段下がった換わった構造をしていた。護法堂拝殿は護法堂と向かい合って建っていて別名「弁慶の学問所」で知られている。(弁慶はここで修行をしていた時期があったそうである)さて、折り返して金剛堂へ。ここでは屋根の天女群像が特別に公開されていた。ふくよかな天女の姿は美しかったが、傷みも結構きているなという印象だった。周辺にはたくさんの紅葉が生えていてちょうど見頃できれいだった。さて、さらに行くと鐘楼がある。その近くに十地院がある。ここは現在茶店のようになっている。ラストサムライの撮影ではトム・クルーズの控え室になったそうである。嫁さんが「寒いので、何かあったかいものが飲みたい」というので入ってみたが、席は満席で、しかも待っている状態。お店の人もていっぱいで対応できない状態。もう、待っていても埒があかないので、結局出てしまった。なんか感じのわるーいお店だった。参拝者の多い日なのだからもっとスタッフを臨時で増やせば回転もよくなるのにねえ。
これも塔頭寺院である瑞光院の前を通る。紅葉と塀のコントラストがきれいだが、ちょっと早かったかな。摩尼殿へ向かう道の紅葉はなんとまだ青いままであった。陽のあたり具合が悪いという製もあるだろうが、ちょっと紅葉の進むのが遅すぎる気がする。摩尼殿の前のはづき茶屋で一服。ここは先の茶店の本店なのだがこちらは回転が速い。二人ともぜんざいをいただいて温まりました。昆布もおいしかったし、お茶もおいしかった。満足、満足。
4時を過ぎて帰ることにした。けど、まだくる人も多い。この人たちって今日は宿坊で泊まるのか?実際どうなんだろう。参堂の途中では姫路市内を見通せるところもある。西は明石海峡大橋、西は家島諸島まで見えるので、なかなか壮観だ。姫路城も見えるのだが、山の斜面の向こう側になっていてきれいには見えなかった。ロープーウェイとバスを乗り継いで姫路駅に帰着。山陽百貨店の地下で杵屋の「書写千本杉」を購入。トム・クルーズがお土産に50本買って帰ったとかいう話もあるお菓子だ。帰って食べたけど、和風のバームクーヘンで、おいしい。個人的には小豆入りのほうが好みかな。また食べたいぞ。書写山も思いのほか見所があって楽しかった。またいきたいなと思った。