北九州市で新型コロナの感染者が急増している。23日間新規感染者ゼロで、新型コロナウイルスはいないと思っていたところに、突然の感染者の出現、そして、6日間連続陽性者が出現、28日には2つの病院でのクラスターが出現し、一日の感染者が21人を数えた。この6日間で43人が陽性となった。中には小中学生や消防署職員もふくまれるという。これをうけて、
北橋市長は、今日の緊急会議で、「第2波の真っただ中にいると認識している」と述べ、調査を徹底し、封じ込めに全力を尽くす考えを示した。小川知事も会見で「尋常な数ではない」と危機感を表す。
それなのに、菅義偉官房長官は午前の閣議後会見で、「第2波がいま来たと考えていない」との見解を示した。理由は、同市の医療提供やPCR検査の態勢は十分整っているとも指摘し、「ただちに再び緊急事態宣言を発出する状況に該当するとは考えられない」とも話した。
どうしてそういうリアクションをするんだろう。数字的にはそうかもしれない。でも、医療関係者の疲労は相当なものがあると思うし、今のPCRの体制が本当に十分であるかどうか、今はいいかもしれないけど、すごい数の発症者が来たらどうするの?能力はあると豪語しているけど、実際の検査数はその半分も行ってない。そんなので、問題ないなんてよく言えるもんだ。感染爆発の兆しというのは、だれが見ても明らか。ここは、北九州市民だけでなく、他の地域も置かれている状況は決して対岸の火事などではなく、自分たちの地域も同じことになる危険性があるのだということを、広く伝えるべきだろう。それが、「いえいえ、第二波なんか来てないから、大丈夫」のようなコメントをだすとは。危機感のかけらも感じられない。あの、1,2月ののんきな対応、不用意なコメントも一因となって引き起こされたとされる3月の連休の気のゆるみ、その結果4月、5月はどういうありさまだったのか、忘れたとは言わせないぞ。それに、多少の犠牲を出しても経済の回復が優先だという意思が見え隠れする。本当に「感染を広げない、再度の緊急事態宣言発令がないようにする」という気概は国にあるのだろうか。結局は自治体任せ。
やはり、こういうとき、国は頼りにならない。