前回,コンクリートの配合(材料のバランス)は品質に大きな影響を及ぼすと述べました。
端的に言いますと,配合が悪いと,品質の悪いコンクリートになります。
これを少し検証してみます。
その前に,コンクリートの配合を説明するとき,よく用いられる言葉に「水セメント比(W/C)*1」というのがあります。
これは,水(W)の重量がセメント(C)の重量のどれくらいかを百分率で表したものです。
例えば,セメント200㎏に水80㎏を混ぜるような場合は,
水(W)/セメント(C)=80㎏/200㎏
W/C=40% となります。
よいコンクリートとなる配合は,材料の条件や使う場所によっても異なります。
でも,私は基本的に以下のように考えています。
(1)水セメント比(W/C)は,25%~40%程度でよい。
(2)コンクリートを打設*2するときの作業性を損なわない範囲で,水とセメントの量は,できるだけ少ない方がよい。
下の表は,以前に示した配合の例です。
この配合の水セメント比(W/C)は,水(W)173㎏,セメント(C)316㎏ですので,
W/C=173㎏/316㎏≒55%です。
セメントの水和に必要な水は,W/Cで25%と言われています。
また,W/Cで15%程度の水は,ゲル化して,コンクリート中にとどまると言われています。
つまり,他のことを何も考えないと,水セメント比(W/C)で40%以上の水は,コンクリートの配合では必要ないということになります。
表の配合では,約15%(47㎏)の水が不要です。
この水は,コンクリートが固まる途中で,空気中に抜け出てしまいます。
この抜け出た所を通って空気や水が侵入してきます。
その結果,中性化などの劣化の進行が早くなります。
また,固まりかけたコンクリートから水が抜け出ようとすると,コンクリートに縮もうとする力が働きます。
ところが,固まりかけているコンクリートは,縮みません。
そして,縮まないかわりに,ひびが入るのです。*3
これは,固まったお餅がさらに乾燥すると,ひびか入るのと同じ理由です。
特に下の写真のように長い構造物では縮もうとする力も強く,いくつものひび割れが発生します。
壁状の長い構造物
途中にはひびが入ってます
■結論:水セメント比(W/C)は,できるだけ小さいほうがよい。
*1)W/Cは「水セメント比」を表す記号で,「水セメント比」と読まずに「ダブリュ-・バイ・シー」と読む方もいます。
*2)コンクリートを型枠の中に入れ,締め固める作業を「打設(だせつ)」といいます。
*3)乾燥とコンクリートの収縮によって発生するひび割れですので,「乾燥収縮ひび割れ」と呼ばれます。
端的に言いますと,配合が悪いと,品質の悪いコンクリートになります。
これを少し検証してみます。
その前に,コンクリートの配合を説明するとき,よく用いられる言葉に「水セメント比(W/C)*1」というのがあります。
これは,水(W)の重量がセメント(C)の重量のどれくらいかを百分率で表したものです。
例えば,セメント200㎏に水80㎏を混ぜるような場合は,
水(W)/セメント(C)=80㎏/200㎏
W/C=40% となります。
よいコンクリートとなる配合は,材料の条件や使う場所によっても異なります。
でも,私は基本的に以下のように考えています。
(1)水セメント比(W/C)は,25%~40%程度でよい。
(2)コンクリートを打設*2するときの作業性を損なわない範囲で,水とセメントの量は,できるだけ少ない方がよい。
下の表は,以前に示した配合の例です。
体積(ℓ) | 重量(㎏) | |
セメント | 100 | 316 |
水 | 173 | 173 |
砂 | 332 | 880 |
砂利 | 345 | 914 |
空気 | 50 | 0 |
計 | 1000 | 2283 |
この配合の水セメント比(W/C)は,水(W)173㎏,セメント(C)316㎏ですので,
W/C=173㎏/316㎏≒55%です。
セメントの水和に必要な水は,W/Cで25%と言われています。
また,W/Cで15%程度の水は,ゲル化して,コンクリート中にとどまると言われています。
つまり,他のことを何も考えないと,水セメント比(W/C)で40%以上の水は,コンクリートの配合では必要ないということになります。
表の配合では,約15%(47㎏)の水が不要です。
この水は,コンクリートが固まる途中で,空気中に抜け出てしまいます。
この抜け出た所を通って空気や水が侵入してきます。
その結果,中性化などの劣化の進行が早くなります。
また,固まりかけたコンクリートから水が抜け出ようとすると,コンクリートに縮もうとする力が働きます。
ところが,固まりかけているコンクリートは,縮みません。
そして,縮まないかわりに,ひびが入るのです。*3
これは,固まったお餅がさらに乾燥すると,ひびか入るのと同じ理由です。
特に下の写真のように長い構造物では縮もうとする力も強く,いくつものひび割れが発生します。
壁状の長い構造物
途中にはひびが入ってます
■結論:水セメント比(W/C)は,できるだけ小さいほうがよい。
*1)W/Cは「水セメント比」を表す記号で,「水セメント比」と読まずに「ダブリュ-・バイ・シー」と読む方もいます。
*2)コンクリートを型枠の中に入れ,締め固める作業を「打設(だせつ)」といいます。
*3)乾燥とコンクリートの収縮によって発生するひび割れですので,「乾燥収縮ひび割れ」と呼ばれます。
確か授業で聞いたはずなんですが、忘れていました。
兵馬俑のトラックバック有り難うございました
兵馬俑,人が多すぎて入れませんでした(泣)。
それでも,常設展は大きくて,あそこだけでも一日あっても足りません。
また行きたいものです。