イスラエル旅行記

旅行記が完成したので、あとは普通に。、

18.半円形野外劇場

2006年08月27日 | Weblog
*カイザリア

 ピラトスの石版から少し歩いて、外から見ると要塞のような劇場の中に入りました。確かに海に向かって半円になっています。
「まあ、何ときれいになっていること!」
 昨年は修復工事中だったので、あちこち欠けたところがあって、瓦礫(ガレキ)と誇りの中でしたが、それはそれで想像力をかき立てられたものでした。今はこのすり鉢型の客席が整備されていて、オペラでも聞こえてきそうな雰囲気です。そこに腰かけて海を眺めながら、倉田さんのガイドに導かれていくのでした。
「この劇場はですね、ヘロデ王によって建てられたものです。直径170m。頂上までの長さは30mありまして、当時は約4,000人収容できたそうです」
「ほう~」
 みな、その広さを目で確認しながら、しっかりとメモを取る人もいました。
「右手の方には城壁の名残が見えますね。ここは現在でも、夏期には様々なコンサートが開かれます。地中海から吹く風が、非常に良い音響効果を出すんです。昔の人は非常にうまく自然を利用していましたね」
「な~るほど~」
 ガイドが終わって少し自由時間が与えられ、三々五々散って行きましたが、柳田さんと児玉さんと西さんの3人は、その場に腰かけて賛美歌を歌い出しました。

み空に麗しわがシオンの都
輝く宮居の真白きその門
カルバリに失せし
主はわれに開かん、シオン、シオン
あこがれの~♪~♪~

 紺碧の地中海に魂を奪われたかのように、無心に歌う彼女たちの姿にすっかり魅せられてしまいました。69才、73才、79才の3人。苦しい戦後を乗り越えて、日本を支えてこられた彼女たちの魂は、今この瞬間、失われた青春を取り戻しているに違いありません。
 あまりの神々しさに、私などはとても近寄れない雰囲気です。気づかれないように、そーっとビデオに収めました。歌声は続き、地中海の彼方へ吸い込まれて行きます。

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