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『ベッジ・パードン』

2011-07-07 23:48:16 | 舞台(宝塚以外)
今日は猛暑は逃れられた一日だったかと思いますが、やはり暑さによって蓄積された疲労は重苦しいですね

そんななか、今日は観劇でした!

三軒茶屋にある「世田谷パブリックシアター」なるところに、初めて行ってきました!
だいたいは、東京宝塚劇場で観劇することが多いのですが、
観劇が趣味であるとその目的のためにいろんなところに行く経験ができたりします
まさかこのようなところに来ることがあろうとは!その劇場の存在自体初めて知ったのですから

三谷幸喜さん脚本の「ベッジ・パードン」。
夏目漱石の話??・・・ぐらいな印象で、まったくの予習ナシで行ってきました~

この話は、夏目漱石がいわゆる「文豪」として世に名が知られる以前の
それどころか、物書きになろうと思う以前のときのお話です。
33歳で教師をしていたころに、文部省の給費留学生として、ロンドンに留学していた2年間の話。

実録に基づいていたりフィクションであったり、ファンタジーであったり
三谷幸喜の笑いをペーソスとからみあわせながら、台詞に真実が込められているという
何気ない話でありながら、心の奥の方にズシンと響いてくるというような、私好みの作品でした。
基本、笑えます

と、非常に抽象的な感想になってしまいましたが、ロンドンの2年間に、いろんな葛藤があり心を病みながらも
後の作家活動に至る土台のようなものが描かれていたと思います。漱石に内在するユーモアのセンスとか。

タイトルの「べッジ・パードン」についてですが、
漱石が下宿していたところで女中として働いていた女性アニーが非常に田舎訛りの強い女性で
「アイベッグユアパードン」を「ベッジパードン」という発音で言ったところから漱石が「べッジ」と呼んだというもの。

タイトルバックのべッジ役を、深津絵里ちゃん。
かわいくて上手い!!っていうか、今回は出演者が5人ですけど、全員上手い!
こんなに間が良くて無駄のないお芝居は、脚本の面白さと役者の実力に寄って成り立ってるんだなあと、つくづく。

主役の漱石は、狂言師の野村萬斎さん!立ち姿勢が凛として、声が良くカツゼツの良い人!
この方には、ただならぬオーラと力を感じました!そして、漱石の繊細なところも演じきってました!

漱石の下宿の友人(日本人)役の大泉洋さん!この人、喜劇の天才!(笑)
この面白さはすごい!でも、きちんと心のヒダも表現していて、ジーンとさせられたりして・・・
かと思ったら直後に爆笑させられる!!みたいな絶妙ですよ~

べッジの弟役、浦井健治くん!
浦井くんは何度も舞台で見ていますけど、こんなブッ飛んだ役は初めてみました!
「ああ、こんな濃密な舞台に出させてもらえるようになったんだ~」となんか一種親心みたいになっちゃいました
ちょっとおバカさんだけどいつも一生懸命で姉を愛してるところが、かわいかったです。

浅野和之さん・・・いったい誰の役??
この方、いったい何役(男役も女役も)やったのでしょうか?最後は犬になるし(爆)
漱石が「みんな同じ顔に見える」と、ロンドンに馴染めない自分の苦悩のように台詞を言うところが、ネタバレすぎるのにクスクス可笑しかった
浅野さん、芸達者過ぎ~!!

三谷作品は映画すら見てないのに、いきなり舞台を見て「さすがだなあ」と思いました!

「何を言いたい」という明確さがないけれど、皮肉や風刺も盛り込まれ、どうにもこうにも心に引っかかってくる不思議な舞台。
いいものを見せていただきました~

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