岩石探訪

行って見て触れて楽しむ石との時間‥そんな日々を過ごして約1年。石は奥深く美しい!ということに気付いてしまったのでした。

奈良・屯鶴峯

2017-08-22 22:04:09 | 日記
今回の探訪は屯鶴峯。「どんづるぼう」って読みます。
なんか面白いひびきですよね。愛嬌があります。
関西の地名は変わった読み方をするものが多くて、なかなかすんなり読めません。

屯鶴峯は奈良の西の方にある二上山のふもとにあります。
近鉄南大阪線「二上山駅」で下車、西へ約2.5キロですね。



向かう途中にこんな看板が。





先ほどの地図を見ても分かるように、ここは奈良から大阪へ通じる古道の一つ。
知ってはいましたが、まさかこんなものが残っているとは!





歩いてみないと分からないものですね〜。
ちなみに磨崖仏はこんな道を通っていて見つけました。



太子道は正確には現在使われている道路の脇にあり、ほとんど道とは分からないぐらいになっています。

近鉄南大阪線の次の駅は「上の太子町駅」、二上山の南には太子町。
叡福寺には聖徳太子が祀られていますが、
太子町には小野妹子陵、推古天皇陵などもあり、
この辺りが聖徳太子と縁の深い地であることが分かります。

太子町は以前、訪れたことがあるのですが、とても静かな雰囲気。
観光地化されていないのは、
ゆっくり訪れたい私などにとっては嬉しいことなんですけど、
磨崖仏も含め、あまりにもひっそりとしている気もします。
とても価値のあるものなのに・・・ね。
奈良と大阪にまたがっているということで、
タテ割り行政のしくみでは動きにくいということでしょうか。
もったいなや〜

そんなこんなでまっすぐ向かえば30分ぐらいで着くはずなんですが、
駅を出発して50分ぐらいで到着!



どんづるぼ〜〜!

さっそく行ってみましょう🎶



わ、白い壁が見えてきた・・・



しろ・・・



白いーー!











なんじゃ、このうねうねは。



模様、うねうね



模様、ぼこぼこ



反対側に行ってみます。



ぞーーさんぞーーさん♫
象の皮膚にしか見えません。



やっほーーー!
叫びたいけど、がまんがまん。心の中でこっそりと、やほ。



説明によると



そうなんです。ここは約1500万年前に噴火した二上山の火山灰でできた凝灰岩。
海底で固まって、地上にでてきて、雨風にさらされて、長い長い長い年月をかけて今の姿になりました。

いや〜、日本にこんなところがあったなんて。
何回、言ってるんでしょう、私。
きっと、まだまだこれからも。楽しいな♪



京都・鞍馬

2017-05-17 21:49:02 | 日記
GW中、京都は鞍馬へ行ってきました。

初めて訪れたのは17年ほど前でしょうか。
外国人もまだ少なかったし、日本人もこれほど国内旅行をしていたわけではなく、
京都も比較的動きやすかったですね。
まさか日本がこんなポジションになるなんて。

叡山電鉄にゆられること30分、終点が鞍馬です。
人、多いですね〜。しかも改札口が一つしかなく混みこみ。
17年前と違って自動改札機なんですが、あまり意味がないような。

駅から鞍馬街道をすすむとすぐに山門が見えてきます。



鞍馬石とよばれる花崗閃緑岩でお出迎え!
磁鉄鉱の酸化によって赤褐色になっています。かなり鉄分が多いんですね。



ですが、鞍馬石のサビは表面1、2㎝ほどしか風化が進んでおらず、
中はしっかりとしているので、良質のつくばいなどを作ることができるのだそう。
珍重されるわけですね。

階段をのぼって山門を抜けると目の前に石垣。少し青みがかってます。緑色岩。



石垣の横の階段を進みます。



今回は貴船まで行くので、多宝塔までケーブルを使います。到着!



清々しいですね。新緑のトンネル。



実は鞍馬は石の宝庫です。
こんな風にところどころに説明が見られます。ふむふむ。まるで博物館。



たしかに、風化して色が白くなっています。





ですが、参道をはさんだ場所にはこんな石が見られます。
岩盤からくずれ、風化が進んでいないものはかなり黒っぽいです。



ところで鞍馬寺があるところは、ここ。
地質図Naviによると鞍馬山は玄武岩を基盤岩としています。



緑色岩というのは、玄武岩が熱や圧力によって変成した変成岩です。

海の底でできた岩石が何億年もかけてプレートにのって運ばれ、
大陸にぶつかって沈み込み、いろんなことがあって地表に顔を出し、今ここにある。
そんな石たちです。ざっくりやなー!

参道をすすむと、また石垣があります。



だいぶ錆びていますね。これは山門のところで出迎えてくれた、そう鞍馬石!



鞍馬石の説明もちゃんとありました。



海からやってきた玄武岩は、地中深くで、
石英閃緑岩のもとであったマグマの熱によって変成し、緑色岩になったわけですね。

マグマは玄武岩を緑色岩に変え、一部はゆっくり固まって石英閃緑岩に。
マグマは大地の元ですね。

さてさて、石垣のところから階段が続き、
がんばって登りきったところにようやく本殿があります。

パワースポットなんでしょうか、なにやら決まった位置から
みなさん参拝するのに並んでいるので、
横からお参りをして、いよいよ奥の院へ。

この白い石はなんでしょう?あとでのお楽しみ〜





岩盤が露出しています。







わ〜!視界が広がりました。いい眺めです。



今回は入りませんでしたが、この後ろに3階建ての霊宝殿があります。
鞍馬山の成り立ちや自然について、とても詳しく展示がなされています。
もちろん石についても♪
毘沙門天などの仏像も安置されています。時間があったらぜひ〜

霊宝殿を過ぎ、小さな門をくぐり奥の院参道をすすみます。
少し薄暗く、細く急な道になってきました。

露出している岩石も今までと様相が違います。
細かくて、白っぽい。チャートが風化して土になる過程に似ています。



プチ観光。「息つぎの水」。
義経が天狗に兵法をうけるために通った時、ここの水を飲んだのだとか。



そういえば、前回の記事は高松。屋島も義経ゆかりの地でしたね。
知らないうちに義経つながりじゃ。

やや、上は完全に土になっているけれど、下は黒い。
黒い岩石には石英っぽい白い筋が入ってます。とすれば、チャート・・・ですかね。



こんな石がごろごろ転がっています。



はい、でました〜。ほんとにタイミングがいいですね。
やっぱりチャートも混ざってるんですね。



そして。



これ、砂岩なんでしょうか。砂岩や泥岩や粘板岩などの堆積岩は、
正直、見ただけでは分かりにくいです。



チャートが風化すると、こんな色になりますが、



この辺りのはうす〜く剥がれたように割れています。頁岩です。



泥が堆積し、脱水して圧力をうけて固まった泥岩。
そのうち本のページのようにうすく割れるのが頁岩。
この辺りのは「鳴滝石」と呼ばれ、刃物の砥石に用いられていたようです。



ちなみに鳴滝はここです。



砥石として用いられる鞍馬の頁岩が「鳴滝石」と呼ばれたのなら、
もともと鳴滝で産出される頁岩が砥石として有名だったんですね。

さらに少し登ると、ようやく頂上です!
この辺りはホルンフェスルで地盤が非常に硬い。



だから樹木も根を深くはることができません。う〜ん、大変だ。
でも、たくましい。生命力を感じますね。



さあ、これから下山です。
義経堂、不動堂を過ぎ、魔王殿に到着。

参拝をすませ、裏をのぞいてみると・・・
本殿の横、奥の院参道に入る手前にあった白い石。そう石灰岩です!



この辺り一帯、石灰岩がごろごろしています。







でも石灰岩が見られるのは魔王殿の辺りだけです。
ここに魔王殿が建立されたのも分かりますね。

けっこう急で細い坂道を降りて無事に下山。ようやく貴船に着きました!

貴船の方から鞍馬へ向かうと、この門から入山するわけですが、
こちらから登る方がきついです。
すれ違うみなさんの中にはしんどそうな方もちらほら。



青もみじが貴船川に映えます。



川の方におりてみます。

貴船石ですね。よもぎバージョンと紫バージョンのコラボです。



水にぬれると、さらにきれいですね。



庭石にいいな〜。



いや〜、いろんな石が見れましたね。
鞍馬山は何億年も前に海の底でできた石がもとになっているんですよね。
しかも、京都盆地周辺の他の山ではあまり見られないような石が盛りだくさん。

すごいなぁ。

脈々と続く信仰の延長に、現代でもパワースポットと言われている鞍馬山。

鞍馬は奥が深い!






高松・仏性山

2017-05-04 20:14:36 | 日記
高松2日目はどんよりとした空模様。フェリーにて女木島へ・・・と計画していましたが、今にも雨が降りそうな天気のため予定を変更。地質的に面白そうな仏性山へ行くことにしました。

ちなみに女木島は鬼ヶ島大洞窟(わわ!)といわれる凝灰岩の洞窟や柱状節理が見られるそうで、少し残念な気もしましたが、またいつか〜。

http://www.onigasima.jp/onigashima.html

さて、ことでんに揺られ仏性山へ向かいます。昭和な感じがいいですね。ほのぼの。

江戸時代は法然寺の門前町として栄えたという仏性山。駅からの道のりは静かながらも、古くからの街の痕跡がところどころにうかがえます。

https://matome.naver.jp/odai/2145381373139878101

20分ぐらい歩いて法然寺に着きました。長〜い階段をのぼって後ろを振り返ると



山が重なってます!幻想的ですね〜。

右の方に目をむけるとこちらも。



独特の景色ですね。でもこの感じ、どこかで見た様な気も・・・



地質図Naviをみると仏性山はこの辺り。



なんと法然寺付近を中心に直径約4kmの円形,深さ1~2kmの地下の盆地状の構造になっているのだとか!堆積物のため、盆地になっていることはわからないけれど、クレーターが発見されているのだそうです。

http://www.kazan.or.jp/J/QA/topic/topic142.html

そう、滋賀の太郎坊宮(ここも面白いんですよー)から見た景色、湖東カルデラに似ていたんですね。高松クレーターの成り立ちについては隕石衝突説もあるようですが、私はカルデラ押しです!

他にも面白そうな高松話がいっぱい。ゆっくり読んでみよーっと♪

http://www.town.shodoshima.lg.jp/oshirase/tyoutyou-semi/PDF/isinosinpo-hasegawakyoujyusiryou.pdf#search=%27高松+豊島+地質%27

http://www.ied.tsukuba.ac.jp/wordpress/wp-content/uploads/pdf_papers/ercbull19/1933.pdf#search=%27屋島+地質%27


雨上がりの法然寺、とってもいい雰囲気でした。







高松・屋島

2017-04-28 20:58:05 | 日記
とある用事がありまして、今年の1月に高松へ行くことになりました。

初めての高松、源平の合戦で有名な屋島ははずせないと、アクセスやらなにやら調べていたら、なんと屋島は地質的にも有名なところだったんですね!!へ〜〜〜〜っ!

なにせ石好きになってからまだ1年ほど。知らないことがいっぱい!いや〜楽しいなぁ。

この台形の形、「メサ」というんですね。



基盤が花崗岩、中腹から上部にかけて凝灰岩が堆積、最上部には讃岐岩質安山岩、サヌカイトの登場です。

http://www.yashima-navi.jp/nature/

花崗岩は風化しやすくサヌカイトは硬い。地質による侵食や風化の違いが、この形を生み出しているんですね。

ちなみに頂上からは瀬戸内海が一望できます。穏やかですね。この海でどんな戦いが繰り広げられていたのでしょう・・・



さて、ポツポツ下山しますか。帰りは弘法大師も歩いたと言われる遍路道を通ります。

http://wwwa.pikara.ne.jp/genkiyashima/midokoro/midokoro4.html

何気なく進んでいくと、これは板状節理?!マグマが冷える時に板状に節理が入ります。



サヌカイトですね。



わー、細かくなって。



そして驚きの光景が続々!





通称、畳石といわれています。



板状節理祭り⤴︎⤴︎







ん〜、水墨山水画の皺が何を表現しようとしていたのかがよく分かります。


タイミングよくこられました。





撮りすぎてしまいましたかね。祭りの後・・・の心境です。



次の日は仏生山へ!



秋田・男鹿半島2

2017-04-10 16:06:57 | 日記
さて、庭石によさそうな素敵な石に後ろ髪をひかれつつ、先へ進みます。

4〜5キロ歩いてようやく館山崎へ着きました!



火山礫凝灰岩です。でも、予想よりちょっと白い・・・



崎の先端の方へ上へ登りながら行ってみます。露出している石は陸側の火山礫凝灰岩とは違いますね。青みがかっています。結晶は見られませんがキラキラしています。落ちている石を持ってみたら重くて硬いです。流紋岩でしょうか?



一番上へ着きました!見晴らしがいいですね〜。日本海が一望できます。





反対側へは降りられそうにないので、来た道を戻り、国道を進みます。

館山崎を東側から見ると・・・ありました!緑の石、グリーンタフ!



これが見たかったんですよね〜。初グリーンタフ。きれいです♪
火山礫凝灰岩が熱水などにより緑色に変化したもので、日本海沿岸に広く分布しているのだそう。

いやー、満足満足。そろそろ戻りますか。

男鹿駅へ戻るバスの車窓からはこんな景色。







いやー、堪能しました。天気ももってくれて、というか最終的には晴れて、ほんとうによかった。男鹿半島、来た甲斐がありました!