零式艦上戦闘機（１９） 本領発揮！その２

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零式艦上戦闘機（１９）　本領発揮！その２　

昭和１６年（１９４１）１２月８日のフィリピン　ルソン島への日本軍の航空機攻撃で、アメリカ軍は日本軍の航空機は、密かにフィリピン近海に接近した航空母艦から発進したと考え、フィリピン近海の索敵を強化したが、哨戒網に空母らしき船影はかからない。

それもそのはず、２０００ｋｍを超える航続力を持つ戦闘機など、当時は零戦以外に存在せず、そんな高性能の戦闘機を日本が開発していたなど、思いもよらなかった。

圧巻だったのは、１２月１０日に敢行された、横山大尉率いる３４機の零戦の攻撃だ。

横山大尉は、まだ零戦が制式化される前の昭和１５年７月に、１２試艦戦のまま編隊を率いて、最初に大陸に進出した隊長だ。

横山大尉の率いる３４機の零戦は、ニコラスフィールド上空で、およそ６０機のＰ４０、Ｐ３５と遭遇し、４５分もの長時間の空戦の末、４４機を撃墜した。
ちなみに、日本軍側の損害は、零戦１機だった。

しかし空戦時間が長すぎ、しかも帰途に悪天候に遭遇したこともあって、零戦の未帰還・不時着は横山大尉を含め６機に上ったが、横山大尉は不時着して足を骨折するも、運よく哨戒中の船に回収されて命拾いした。

そして、この日は「大空の侍」で有名な坂井三郎一飛曹の小隊が、上空８０００ｍで、空の要塞（Flying Fortress＝フライングフォートレス）と名付けられたアメリカ陸軍のＢ－１７　１機を発見。

Ｂ－１７は４つのエンジン（４発）を搭載した爆撃機で、上下左右、前方後方に隙なく１２．７ｍｍ機銃が１３丁も装備されている。

その強力な防御砲火を潜り抜け、３機の零戦は繰り返し２０ｍｍ機銃で集中砲火を浴びせた。

すると、Ｂ－１７は徐々に高度を落とし、搭乗員はパラシュートで脱出したが、撃墜は確認できなかったため、帰投後に撃墜不確実と報告した。
しかし、これがヨーロッパ戦線を含め、初めてＢ－１７の撃墜が記録された日となったのでした。

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