散歩をしたりバイクで走ったりしていると、金木犀の香りがしています…と書いているうちに、(文書を書くのにモタモタしているものですから)香りも感じられなくなってしまいました。香りはほんの数日だったように思います。どうやら花の咲き始めにいい香りがするようですね。咲いてしまうと、花を近づけても香りがしません。
木に近づいてよく見るとオレンジ色の花は十文字の形になっています。そうだった。もう長いこと金木犀の花を観察したこともなかったのでした。
近頃は漢字書きではなくキンモクセイとカタカナで書くほうが目につきます。カタカナで書かれるとトイレの芳香剤のようで、どうもしっくりきません。天然ものは金木犀、芳香剤など人工的に作ったものはキンモクセイとルールを作ってくれたらわかりやすいのにね。
子供のころの田舎の話です。当時、小学校の体育大会は10月10日の体育の日と決まっていて地域のイベントとしても定着していたのでした。体育の授業では暑い間から体育大会に向けてさまざまな練習をする。様式美が大切だったんでしょうね。行進とか演技の入退場だとかラジオ体操とかを、念入りに練習させられるわけです。予行演習といって、「通しリハ」までありました。子どもたちは前日までにトラックを裸足でも走れるくらいに丁寧に小石を拾い、前日には頭上に万国旗が飾られ特別に飾られた運動場が出来上がります。運動会のお弁当は観覧席で保護者と一緒に食べるというような長閑な時代。
このころには朝晩がしっかり冷えるようになり、体育大会本番のころには出がけに、子どもでも半ズボン半そでのトレパン姿では寒いと思ったものでした。その体育の日のころの記憶にある香りが金木犀でした。金木犀の香りがすると思い出すのが小学校の運動会なのです。
もう10月も下旬。地球温暖化という言葉を聞いて久しいですが、今、金木犀が咲いていると考えると、やはりこの星は暖かくなっているのかなと思いますね。
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