短歌つれづれ

日常詠、時事詠などを掲載しています。

羊雲

2010-10-03 18:13:16 | Weblog
遅々として動かぬ夏もようやくに朝な夕なに涼風渡る
稀という猛暑の記録繰り返すメデイアも黙し長月の果つ
嬉しげに交わす言葉も風を褒め仰ぐ大空青を深める
産休に入りしを伝え嬰児待つ孫がしきりに愉しみて言う
いちにんを育てることの苦も楽も未知なる孫の穏やかな笑み
終盤を生きる吾等に敬老会「アハハ」と笑いし のちの寂しさ
いそいそと発ちゆく夫の戦友会 園児を送る気遣いに似て
曼珠沙華おくれて咲けり この年の免罪符とし土手を染めたり
理不尽と歯痒き外交かけひきを 見守るばかりの小市民なる