短歌つれづれ

日常詠、時事詠などを掲載しています。

桜花

2005-04-23 21:28:07 | Weblog
焦らす如寒暖返すこの春の桜咲く日をそわそわと待つ
振り仰ぎ桜の小枝透かし見るほのかに香る淡き紅色
紫雲英田のひろごる原を声あげてこけつ転びつ杳い春の日
着膨れし季を耐え来て花々の満艦飾にうっとりと居り
身のうちに気力は棲むを思いおり去年(こぞ)より病める現身われは
才媛の彼女が呆けしと聞かされてこの不条理に宵の憂鬱

2005-04-21 08:50:24 | Weblog
春たけなわ、H17年4月18日私は小学校の恩師都築克子先生を訪ねて三浦半島の先端久里浜へ行きました。同級生の幼名マーちゃんとふたりです。「一度来て下さい」と十年来言われていたので、86歳の先生ですから、何時、何があってもと思い、出かける決心をしました。その先生の人生は波乱に満ちたものです。以下少し説明します。先生はS16年陸軍航空士官少尉と結婚されましたが、夫は18年生まれの乳飲み子を残し、S19年フィリピン沖の海で撃墜戦死されました。その後、夫の両親と暮らしてこられました。そして姑は17年間精神を病み(徘徊)で、服を着たまま眠る生活だったそうです。そして、その子(女子)は成長し大学の教授になり、久里浜に居を構えました。桜井の家は空屋となり荒れ果てています。でも今、丘の上の閑静な家で悠々自適の生活をしておられます。独身でおられ親子二人の生活に不安も感じますが、まだまだ矍鑠として、庭一面の花々に驚きました。油絵、墨絵、パッチワーク、焼き物など部屋の中は其の作品群で一杯です。先生は少し聴覚が衰えてはいますが、まだまだ現役です。
私たちの訪問を喜ばれ、何度も「また来て」を繰り返して別れ際には、何時までも手を振っておられました。