猛暑なるひと日の暮れてぬるき湯にたぎる火照りをゆっくり冷ます
太陽を升目の表に満たしいる天気予報の画面に怯む(ひるむ)
晴天域すっぽり中に列島のど真ん中なる吾が住む鄙は
大切な時間と言うに捨てる如やり過ごすのみ猛暑いくにち
静もれる猛暑の宵の夕涼み耳鳴りの耳に虫の音さがす
夾竹桃百日紅咲いて夏を締め蜩の音待ち夏越えむとす
政党をなお二分すか男ふたり猛暑の中を雌雄のいくさ
ニュウギニアへ亡兄慰霊に八十路夫戦記にくい入る茫々のとき
台風のひとつも欲しと天気図を眺め呟く未曾有のひでり
来年の日取りも決めしとクラス会八十路の夫の気持ちのほてり
太陽を升目の表に満たしいる天気予報の画面に怯む(ひるむ)
晴天域すっぽり中に列島のど真ん中なる吾が住む鄙は
大切な時間と言うに捨てる如やり過ごすのみ猛暑いくにち
静もれる猛暑の宵の夕涼み耳鳴りの耳に虫の音さがす
夾竹桃百日紅咲いて夏を締め蜩の音待ち夏越えむとす
政党をなお二分すか男ふたり猛暑の中を雌雄のいくさ
ニュウギニアへ亡兄慰霊に八十路夫戦記にくい入る茫々のとき
台風のひとつも欲しと天気図を眺め呟く未曾有のひでり
来年の日取りも決めしとクラス会八十路の夫の気持ちのほてり