雪譜7
ゆきがふる ゆきがふる。
しろい雪がふる。
あをい雪がふる。
ひづめの音がする、
樹をたたく啄木鳥(きつつき)のやうなおとがする。
天馬のやうにひらりとおりたつたのは
茶と金(きん)との縞馬である。
若草のやうにこころよく その鼻と耳とはそよいでゐる。
封じられた五音(いん)の丘にのぼり、
こゑもなく 空(くう)をかめば、
未知の曼陀羅はくづれ落ちようとする。
おそろしい縞馬め!
わたしの舌から、わたしの胸から鬼火(あをび)がもえる。
ゆきがふる ゆきがふる、
赤と紫とまだらの雪がふる。
大手拓次「曼陀羅を食ふ縞馬」
しろい雪がふる。
あをい雪がふる。
ひづめの音がする、
樹をたたく啄木鳥(きつつき)のやうなおとがする。
天馬のやうにひらりとおりたつたのは
茶と金(きん)との縞馬である。
若草のやうにこころよく その鼻と耳とはそよいでゐる。
封じられた五音(いん)の丘にのぼり、
こゑもなく 空(くう)をかめば、
未知の曼陀羅はくづれ落ちようとする。
おそろしい縞馬め!
わたしの舌から、わたしの胸から鬼火(あをび)がもえる。
ゆきがふる ゆきがふる、
赤と紫とまだらの雪がふる。
大手拓次「曼陀羅を食ふ縞馬」
貴祥庵さんは言葉のセンスもおありなんですね。
与えるも奪うも愛の雪月花 友行