またまたの曇り空に蝉の合唱隊も狂いぱっなし。ヒグラシの早朝も早朝に寝床の窓の近くで啼き出してはカナカナも大騒音での起床ラッパと思うほどにたたき起こされる。
山紫水明の山奥の夕暮れの山々に一日の終わりを告げるが如くささやかに憂いを込めて響き渡るかまたは晩夏の海の波音、松風の音の中に聞こえるヒグラシの声ならば短詩の世界に。
潮満ちきつてなくはひぐらし 尾崎放哉(おざき・ほうさい)