素朴な琴この明るさのなかへひとつの素朴な琴をおけば秋の美しさに耐えかね琴はしずかに鳴りいだすだろう
木はっきりともう秋だなとおもうころは色色なものが好きになってくるあかるい日なぞ大きな木のそばへ行っていたいきがする
― 八木重吉 ―