切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2020紅葉 光明寺 京都府長岡京市

2020-12-06 23:01:22 | 撮影
  

『光明寺

 西山(せいざん)浄土宗総本山。建久九年(一一九八)、法然上人の弟子・蓮生法師(熊谷次郎直実)が、師のすすめによってこの地に草庵を開いたのが始まりです。
 その後、法然上人の高弟である證空上人とその弟子達に受け継がれてきました。
光明寺の周辺、粟生広谷の地は、法然上人が初めて念仏の教えを説いたところです。総門の前に「浄土門根元地」の石碑が建てられているのは、正親町天皇より「法然上人ノ遺廟、光明寺ハ浄土門根元之地と謂イツベシ」という綸旨を賜ったことに由来しています。
 総門をくぐり、ゆるやかな石段を上がると宝暦三年(一七八三)に建てられた御影堂が見えてきます。
 この御影堂には建永の法難で四国へ流罪と決まった法然上人が弟子の願いに応えて自らお作りになったといわれる「張り子の御影」が祀られています。
 また、その背後の丘には法然上人の御遺骨を納めた御本廟(非公開)があります。
 多くの寺宝には木造千手観音立像や絹本着色ニ河白道図(鎌倉期:東京国立博物館勧告保存)などの国指定重要文化財も含まれています。
境内には樹齢一五〇年を超える楓の木々がたくさんあり西山の紅葉の名所として有名です。』
    (「長岡京市の史跡紹介」説明書きより)

       

『解説板より
 当寺は西山浄土宗の本山で寺伝によれば、建久九年(一一九八)に蓮生法師(熊谷次郎直実)により創立され、法然上人を開山第一世としています。
境内は広く、洛西一の伽藍を誇り、主要な建物は山内に点在して廊でつながれています。
応人、元亀、天正の兵火にあい、江戸時代には享保十九年(一七三四)の火災により焼失し、大半の建物はそれ以後の建立です。
 總門をくぐり美しい石畳の参道を登ると、正面に壮大な御影堂が、その右奥には阿弥陀堂があります。
御影堂は宝暦三年(一七五三)の再建で、派手な装飾はないが全体的構成の精美性を意匠の主眼としたものです。
阿弥陀堂は寛政十一年(一七九九)の建立で、本堂より少し華やかな造りになっています。
御影堂の後方にある御廟は明暦二年(一六五六)の再建で禅宗様を基調とした華麗な造りです。
軒下回りの組物には多くの彫刻が施され、廟内の板壁は飛天や雲、蓮の花などが極彩色で描かれています。
その前にある拝殿は山内では最も古い承応二年(一六五三)の建築です。
御影堂の左下には、元文元年(一七三六)の釈迦堂、勅使門があり、庫裏、講堂へと続きます。
天保四年(一八三三)に建立された講堂は食堂とともに浄土宗寺院でも檀林(仏教の学問所)に関する類例の少ない遺構群であります。
   平成五年二月  長岡京市教育委員会』

      

 長岡京市にある光明寺は市の北部にあり、周囲は主に農耕地帯となっている。お寺の横には寺が直営する西山短期大学があり、境内と一体化しているのでその部分は入ることができない。鉄道駅からは少し距離があるので、光明寺行きの民間バスが頻繁に出ており、決して不便ではない。
 光明寺は京都市内も含めた京都府下全体でも屈指の紅葉の名所でもあり、また春の桜の名所でもある。門前はさすがに大きな寺であるだけに堂々たる構えで、長い参道が緩い上り坂になって真っ直ぐ続いている。特に紅葉シーズンは大変な人出となり、周辺には臨時の駐車場が数多くオープンし、また土産物店も出ている。ブログを始める前に一度撮影に行っており、特に参道を彩る紅葉に圧倒された記憶がある。ブログを始めてからは光明寺へは行っておらず、今回数年ぶりに訪れた。平日だったので人出は少ない方だが、それでもやはり多いといえる。近所の臨時駐車場までは5分くらいかかる。
 普段は境内に入るのに拝観料等はいらない。無料だ。しかし紅葉シーズンだけは500円の拝観料がいる。門前で支払い境内の方をみると長い参道が続き、緑と赤と黄色の混じった艶やかな色に早くも気持ちが浮つく。大半の人が上を見て歩くので、緩い上り坂の階段は気を付けなければ少し危ない。訪れた日は紅葉には若干早かったようで、どちらかといえば真っ赤な木もあったが、緑もかなり多かった。
 写真を撮りながらゆっくり歩くので結構時間がかかる。そして境内到着。さすがに広い。御影堂や釈迦堂などいくつもの伽藍が並び、これらは本来かなり年代ものであったはずだが、昔の戦火等によって焼かれてしまい何れも再建されたものだ。重要文化財なども含め多くの寺宝があるが、貴重なものは国立博物館に寄託されている。この日は本堂内に入り廊下ずたいに撮りながら続けた。大きな建物を背景に真っ赤な紅葉の撮影というのは、やはりどのお寺や神社においても絵になる。いわゆる枯山水庭園もあって、境内で撮影するだけでも十分な広さと建物があり満足ができる。
 一通り撮り終えて帰りの参道は別にあって、そちらの方が紅葉が進んでおり、実に見事。この長い参道の真っ赤な紅葉だけで一体何枚もの写真を撮ったのやら。やはり皆さん同じような思いで、なかなか足が進まない。往きの参道は少し日陰になるのでやや暗め。こちら帰りの参道は直射日光が当たるのでまさに鮮鋭としか言いようがない。こうして久しぶりに光明寺の紅葉を楽しみ、また多くの写真を撮ることができて非常に満足できた。京都市内の嵐山や清水寺など有名どころに行く人が圧倒的に多いが、京都府下にもこのような紅葉の名所は何箇所もある。そういったところにも足を伸ばせばまた違った景色が見えるというものだ。

     

 光明寺は西山浄土宗の総本山であり、鎌倉時代初期に法然の弟子によって創建されたものだ。また法然本人がこの近くで初めてお経の教えを説いた場とも言われている。後年になって法然は追放される時に、自ら御影堂を作ったと言う「張り子の御影堂」が祀られているとのことだ。各伽藍が江戸時代の再建というのは考えてみれば実にもったいないことだ。戦火にしても大火にしても、京都では何度もこういうことが起こっている。しかし巨大なお堂が焼けたとしてもそれをまた再建して建て替えるというのも中々の経済力がいるもので、大概は時の将軍たちが支援をして経済的に賄っているものだと言うことだろう。小さなお寺であれば地域の檀家たちが資材を持ち寄って再建ということもあるだろうが、これだけの大きな寺院になると、やはり時の権力者の力というものがなければどうにもしようがないということになる。
 春や秋のシーズン外の光明寺も緑に包まれた参道が見事で、年中いつ行っても満足感の高い寺だ。そういった意味では是非とも訪れておくべきお寺と言える。普段でもお年寄り夫婦たちがリュックを担いで歩いて光明寺を訪れ、さらに他のお寺へ向かう姿もよく見る。私など楽することばかり考えてるので、どうしても車ということになってしまう。

           
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