未来の少女 キラシャの恋の物語

みなさんはどんな未来を創造しますか?

第13章 試練ときずな ②

2021-06-19 15:52:27 | 未来記

2008-02-29

2.ヒロからのメール

 

宇宙ステーションのゲーム・コーナーのロビーで、休憩していたタケルは、メールを読んでいる途中、キララの魔術のようなもので、金縛り状態になっていた。

 

そんなタケルのMフォンに、ヒロからのメールが届くと、自動的に音声を発し始めた。

 

[タケル! オレが誰だかわかるな。オレは相変わらず仲間と、バカやってるよ。

 

キラシャもいろいろあったけど、バカなのは変わってない。

 

ところで、おまえ何やってるンだ? 

 

先生が言ってたけど、耳が聞こえないってホントか?

 

火星でいい子見つけて、チャラチャラ遊んでるのかと思ってた。

 

運動神経のいいお前のことだから、女の子がホッとかないと思ってたンだけどな…

 

こっちは、テスト前にケンカ騒ぎがあってな。

 

まぁ、オレには退屈しのぎになったケドな。

 

おまえがいたら、もっとおもしろくなってたかも…。

 

何でもいいから、メールくれよ。オレ、ずっと待ってたンだぜ!

 

もし、返事がなかったら、宇宙ステーションの警察に連絡するぞ!]

 

キララは、目をつり上げてタケルをにらみながら言った。

 

「このメールは、誰?」

 

タケルは、身体を硬直させたままでも、声が出せることに気がついて言った。

 

「同じクラスの仲間だった奴さ…」

 

「間の悪いときにメールよこしたね。タケルの心でわかるよ。

 

もし、アンタが返事しなかったら、この子は警察へ連絡するのか?」

 

「ヒロなら、たぶんするよ。あいつは、先生よりカンがいいし、賢いンだ…」

 

「じゃぁ、ゲームして遊ンでるって送りな! 」

 

「してもいいけど…。

 

きっと、メールが届くまでに、短気なアイツは、警察に連絡してるかもしれない」

 

「でも、子供だろ? 警察はイタズラだと思って、相手にしないよ。

 

それより、アンタのパパのいる所へ案内しようか…」

 

タケルは、キララに吸い寄せられるように立ち上がると、周りには普通に歩いているように動いた。しかし、身体はまるでキララにコントロールされているようだ。

 

キララと仲良く歩いているように、タケルは通路を渡って宇宙船の発着場に向かって行った。

コメント
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