未来の少女 キラシャの恋の物語

みなさんはどんな未来を創造しますか?

七夕が終わって

2024-07-10 09:33:18 | 今の心境

今年も 七夕が終わり

 

またこれからも

 

暑い夏を乗り越えなくてはという思いで

 

これまでのことを 振り返ってみました

 

 

この物語をはじめたのは、2004年の12月で

 

私の不注意もあって 途中ブログに入れない状態になり

 

Gooさんのこのサイト内で 何度かお引越しをしながら

 

なんとかお話を続けてまいりました

 

 

このお話は 将来に起きるかもしれない

 

地球全体に関わる流星の衝突という大災害が起きて

 

その後 人類はどんな努力をして

 

未来へと 生活を続けてゆくのだろうという思いで

 

未来の生活を 想像しながら描き始めました

 

 

未来では こういう社会になっているのではと

 

私なりの希望も含めて その生活ぶりを描かせていただいています

 

 

今年も お正月から能登の大地震で

 

大変な思いをして 生活を続けておられる人たちが大勢おられます

 

苦しい毎日を過ごされる中で

 

少しでも 未来を目指せるような気持ちになっていただけるよう

 

何かのヒントになるような 物語にしてゆきたいと願っています

 

 

今後も いつ どこで どういったことでかわかりませんが

 

急に私たちの生活や命まで 脅かされるような災害や戦争が

 

起こってしまう事態も 覚悟のうえで生活を続けなくてはなりません

 

 

それでも 私たちは今も生きて 楽しみや喜びを味わいたいと願っています

 

マンガやアニメで異世界の物語を描く皆様にも 何らかの形で 影響し合えたらうれしいなと

 

ただ それだけで この続きを考えることを楽しみにしています

 

 

ずいぶん長いこと話を進めることができず

 

私自身も困っておりますが

 

今もいろんな楽しいアニメを 毎晩のように 見せていただいて

 

参考になることを 心の中に貯蓄しながら

 

お話の続きを模索しております

 

 

AIの導入で 私の描くような未来は簡単に

 

誰でも模写できてしまうのだろうなとは思いつつ

 

私でしか描けない未来の物語を

 

工夫して描いてみたいという思いだけで

 

今もこのブログを続けさせていただいています

 

 

Gooさんのサイトには 本当に感謝しています

 

 

ただ これまでの物語の中で 突然人間が黒いカラスに変身して

 

敵を一網打尽にしたというくだりは

 

私のその時の思い付きで 挿入してみたもので

 

この部分に関しては 別の動物などに変更して続きを描かせていただきます

 

 

NHKでは 今 八咫烏が人間に変身する世界があり

 

その世界に君臨することを目指す若宮の姿が アニメとして登場しています

 

お話の次の展開が楽しみではありますが

 

私としては このお話に影響されてカラスを選んだものではなく

 

あくまで キラシャの恋の物語に関して

 

一つのアイテムとして 今後も利用させていただく予定にしております

 

 

八咫烏の一族の 未来を描くようなことを意図してはおりませんので

 

誤解のないよう悪しからず ご了承ください

 

 

できることならば この物語が完成した折には アニメの放映へと夢が膨らんでいます

 

オープニングには YOASOBIさんに

 

エンディングには Mrs.GREEN APPLEさんに曲作りをお願いして

 

この作品への自分なりの思いをお伝えして 曲作りに生かしていただければと

 

自分の立場も考えず 図々しくイメージを膨らませ妄想しています

 

 

まだまだ お話が完成してもいないのに 僭越(せんえつ)な話だとは思いますが

 

私たちの現実の未来が この物語より平和であることを願いながら

 

完成をめざして 平和な未来へとつなぐ希望を持ち続けたいと願っています

 

 

この物語に興味をお持ちの方は 今後のストーリーがどうなってゆくのか

 

楽しみにしていただきながら

 

ご協力いただけたらと願っています

 

 

今年の七夕

 

皆様は いかがお過ごしでしたか?

 

私は 366日の歌を口ずさみながら

 

会えない人のことを思い出して

 

暑い夏をどう乗り越えようかと

 

東京都知事選の選挙結果の報道に耳を傾けながら

 

今後の生活や 物語のことを考えておりました

 

 

皆様もこの暑さにめげず

 

涼しい秋に 散歩を楽しむ姿を想像しながら

 

一日を乗り越える気持ちを 持ち続けましょう

 

では お身体にくれぐれも気を付けて See You!

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能登半島の震災から1か月

2024-02-03 21:03:18 | 今の心境

1月1日に 我が家も 夕食を共にする親族を迎えるため

私なりに 一生懸命 ご馳走を作っていたのですが

突然 震災の一報をテレビで見て

何をどうして良いかわからず

 

久しぶりに顔を見せてくれた子たちの顔を見て

安心した気持ちと

被災地の人たちが どんな思いで今を乗り越えようとしているのか

想像するだけで

何をどう食べたのか 味もわからず その日を過ごしていました。

 

今後起きると言われている

南海トラフのような 大地震が起きてしまったらということも

どこかで引きずりながら

これから生きてゆくためには

よほどの覚悟を決めてかからなくてはならないのかもしれない

という思いもしています。

 

震災から一か月経って

地元で何とか頑張って生きようと

家族で一歩一歩努力する覚悟を決めている人たちもいて

私も頑張ってほしいなと願っていますが

 

状況によっては 子供だけが離れて暮らしたり

家族で生活できる場所に移動して

一日も早く新しい生活に向けて

再出発しなくてはならない人たちも

多くおられると思います。

 

どれを選択しても 困難な状況は変わらないと思いますが

選んだことを 前向きに考えて

努力した結果が 満足できるようになることを

心より お祈りしています。

 

このブログに書かせていただいている物語は

未来に起こるかもしれない宇宙からの災害を前提として

その後の世界で生きる子供たちの姿を描かせていただいています。

 

地震などの災害が起きて 一時は住むところも失ってしまう現実と

何とか向き合いながらも

 

また 新しい街を作ってゆくことを思い描きながら

地域で育った子供たちが また戻ってきて

新しい家族を作って 子供が育ってゆくことも

未来につながるのではないでしょうか

 

震災の場にいなかった私が

このようなことを書いても

どうかと思うのですが

地震はどこにでも起きうる災害ですから

この先に私も震災に遭うことがあれば

これまで震災に遭って

努力で困難を乗り越えてこられた方々の姿を手本として

自分の未来を切り開いてゆけたらと

思って生きてゆきます。

 

世界では、戦争がなかなか終わらない国もあって

今後の世界がどう変わってゆくのか

不安しかありませんが

何より 日本が平和を目指す国であり続けることを願って

この物語の続きを描かせていただけたら

ありがたいです。

 

皆様も どうぞ 平和を祈って今の暮らしを続けてくださいね

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キラシャ物語を読んでくださる方へ

2023-12-04 16:25:45 | 未来記

キラシャのお話を始めて もう20年近く経ちましたが

いまだに 一つの物語として終わりを見つけることもできず

先を楽しみにしていただいているかどうかもわからず

ブログを続けさせていただいています。

 

最近投稿もしていないのに

ここへ訪れていただいている方が増えているので

ちょっと 不思議な思いでいるのですが

コメントは 受け付ける設定にしておりますので

どこが 良いのか 悪いのか

批評家になっていただいて

コメントを残していただけると

ありがたいです。

 

地球上に生きる 多くの人達が

ともに支え合って 暮らせる方法を話し合い

これから 80億といわれる人々が

一つの地球の上で

共通のルールを決めて

それを守りながら

その中で自由な生活空間を維持できる

新しい街の建設が始まることを

願いながら このお話を続けさせてください。

 

今起こっていることが 未来を変えてゆきます。

次の一歩をどう踏み出すかで

将来が 左右されます。

 

核兵器よりも

もっと大事な未来社会の生活について

話し合える機会が得られますように!

世界中の人とともに

未来に向かって

より平和に暮らせますように!

 

長いこと 無料でブログをお借りしている

Gooさんには 大変感謝しております。

 

次の投稿も もう少し先になりますが

のんびりと この未来のお話を続けさせてくださいね。

 

作者より

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キラシャ物語について

2023-12-04 16:12:40 | 未来記

この物語は 山口県で行われた未来博で

劇のオリジナル脚本の原案を募集されたことが

きっかけで考え始めたのが始まりです…

 

その時は 採用されなかったので

もし 自分で未来を考えるなら

こういう物語を作ってみたいという

そんな気持ちで 書き始めました…

 

天真爛漫な 未来少女キラシャ

平和なドームの世界で

幼なじみの イケてるタケルと

一緒に恋愛学を学んで

おとなになっても 一緒に暮らしたいと思っていたのに…

 

キラシャは 突然起こる試練を乗り越えながら

どんな風に 一緒に暮らす人を選ぶのでしょうか?

 

この物語は 私の理想とする未来があって

そんな未来でも 今の子供たちと同じような悩みや

苦しみを乗り越えようと

たくましく生きてゆく子供達の姿を描いています。

 

キラシャとケン、タケルが経験する

いろんな出来事を

読んでいただきながら

 

コロナ禍や戦争によって 変わらざるを得ない これからの時代に

この物語が 少しでも皆様の未来に反映されることで

平和な未来の地球へと つながることを願っています。

 

今後も 状況に応じて 内容を変えてゆく予定にしています。

 

まだ 何のご連絡も受けておりませんが

作品として使われる場合は

こちらの許可を確認してくださいね。 

 

  人として なんてひどいことをするんだろう

  なぜ こんなルールで人をしばるんだろうと思うことは

  未来でも あり続けると思います。

  

  今は いろんな悩みをかかえて

  解決できないでいる子供達も

  大人になって 努力を続ければ

  自分達で みんなが守れるような

  ルールを作ってゆくことができるンだ

  

  という前向きな気持ちに なってもらえると

  こちらも 幸せです。

  

  キラシャの 今後の成長とともに

  皆様の明日が より心豊かなものになりますように!

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第1章 未来社会 ①②

2021-08-28 14:59:05 | 未来記

2004-12-26

1.大流星群との戦い

 

これは、私が夢で見た、未来の地球のお話。

 

地球をおおっていた自然の大気が、環境の変化で薄まったためか、未来の地球は人工の特殊なシールドで包まれていた。

 

国の境界線は、やがて消え、横に広がるドーム・エリアが栄えた。

 

地球の温暖化や、さまざまな環境汚染が、時には地球規模の災害へとつながり、民族の紛争やエリア内外の戦争も、絶えずどこかで繰り返された。

 

地球の各エリアの代表が集まる会議に、月や宇宙ステーションや火星などで生活する、新しいエリアが加わった。

 

やがて世界中のエリアを統合する機関は、コズミック・ユニオンと名称が変わり、コズミック防衛軍が結成された。

 

このコズミック防衛軍は、誰でも入れるわけではない。

 

各エリアの警察や軍隊などで活躍している若者の中から、特に優秀な隊員が防衛軍の訓練生として推薦され、

 

訓練生として招集された後、どんな危険な状況でも、冷静に戦える技術を習得したことを認められた者にだけ、正式な防衛軍のバッジとユニフォームが与えられるのだ。

 

コズミック防衛軍の兵士は、常に宇宙の安全を優先する。

 

時には、トラブルに遭って宇宙をさまよう宇宙船を救出し、極悪非道な海賊が狙う宇宙船や宇宙ステーションへの救助活動を行い、激しい戦闘の中でも犯人逮捕を敢行する。

 

地球上でも、エリア内やエリア間で起こった紛争や戦争への介入。

 

その活躍が認められると、名誉の勲章の授与。

 

冒険心が強くて、宇宙での活躍を目指す子供達にとって、コズミック防衛軍は、エリアの警察や軍隊に入れたら、その次に目指したい、あこがれの職業なのだ。

 

 

そんなある日、突然、宇宙空間に大流星群が現れ、地球の方向へと近づき始めた。

 

『信じられない数の流星が、地球に衝突する恐れがある』

 

この情報を入手したコズミック防衛軍は、最新鋭の武器を使ってその進路を変えるよう攻撃を始めたが、飛来してくる流星の数は、軍の想定を超えていた。

 

どんなに撃破し続けたとしても、大きいものから小さいものまで、何千何万という星のかけらが地球へと向かい、その一部が大小の隕石となって、地上へ衝突する可能性がある。

 

未来は、情報の流れるのが早い。

 

宇宙探査船が、大流星群による最初の被害を報告し、まもなく地球の危機が広く伝わった。

 

宇宙を無数に航行する宇宙船から、被害に遭ったという情報が次々に舞い込み、人々をいっそう不安に駆り立て、暴動にも発展した。

 

地球は人工の特殊なシールドで覆われているが、膨大な数の衝突に耐えられるかわからない。

 

最新のドームや、宇宙に配置した最新のステーションが、隕石や暴動で破壊されることを恐れた、先進エリアの指導者や科学者や技術者達。

 

コズミック・ユニオンの中央議会では、どのエリアの代表も、自分のエリアを守るべく、コズミック防衛軍への協力を求め、議員の間で調整がつかず、議会場はパニック状態だ。

 

事態の収拾をつけるため、コズミック・ユニオンの議長ウィル・キリィは、緊急のニュースとして全エリアに向かって伝えた。

 

「流星衝突の恐れがある、宇宙ステーションや宇宙船の艦長は、防衛軍の指示に従い、安全な宇宙空間に早く移動すること。

 

被害が予想される各エリアの首長は、それぞれエリア警察や軍隊の増員を図り、エリアの住民が安全に避難場所へ移動するよう、緊急に救助隊や警備隊を組織し、指示すること。

 

避難場所が確保できないエリアの首長は、それぞれ独自の判断で、安全策を図ること…」

 

各エリアでは、大勢の若者が救助隊員や警備兵として召集され、避難場所への誘導や、暴動への鎮圧、地上への隕石の衝突を防ぐための攻撃に駆り出された。

 

ドームの建設が進まなかったアフカ・エリアでは、グループ同士の縄張り争いから、避難場所が確保できず、救助の人員を増やしても、難民があてもなくさまようばかりだ。

 

暴動の鎮圧に功績のあった、アフカ・エリア出身のエリック・マグナーが、コズミック防衛軍の臨時・最高指揮官に任命された。

 

エリック・マグナーは、各エリアへ暴動鎮圧のため、軍事介入する前に、全エリアの人々に向かって訴えかけた。

 

 

「我々、コズミック防衛軍は、人類のふるさと地球と、宇宙に暮らす人類を救うために、果てしなく飛来する無数の流星と戦っている。

 

しかし、我々がこの戦いに敗れることで、ドーム社会が破壊され、我々の得たすべての財産を失ってしまうだろうという言葉に、多くの人が惑わされている。

 

軍は何の理由もなく、同じ人間を威嚇する道具として、兵士を育てたのではない。

 

あなた方の命を守るため、数多くのエリアが誇る警察官と救助隊員、警備兵とともに、自らを犠牲にして戦って来た。どうか、自分達の力を信じてほしい。

 

これより我が軍は、コズミック防衛軍ルール第10条第1項にもとづき、人類の生存を優先し、正義のために戦うことになる。

 

これ以降エリアを混乱させ、人命を危険にさらし、軍の命令に違反した者に対しては、命の保障はない。

 

どうか、暗い孤独な宇宙の中で、今生きているあなた方と、未来のために戦っている、寡黙な兵士のことを忘れないでほしい」

 

 

そして、流星の爆発に巻き込まれ、命を落とした兵士達の名前と映像が浮かび上がり、愛する人達へのメッセージが、本人の声で流された…。

 

同じ時に、同じ苦しみを感じながら、他の人を助けるために命を落とした兵士達の冥福を、人々は祈った。

 

しかし、大流星群は容赦もなく、宇宙船や宇宙ステーションを襲った。

 

暗黒の宇宙が稲光に包まれる中、防衛軍の宇宙船に追従し、安全な場所を求め、逃げ惑う宇宙ステーション。やがて、地球にも光の大群が押し寄せて来た。

 

遠くで雷と地震と戦争が同時に起こったような、そんな激しい光と雷鳴が延々と続き、ドドドォーンッという、激しい爆音が鳴り響く。

 

 

避難所のせまくて暗い場所に閉じ込められ、息苦しさに耐えかねて、泣き叫ぶ子供達。

 

人気のないドームに入り込み、残された金品を狙って、暗躍する強盗団。ドームに覆われていない場所にも、多くの人々が取り残され、無数の生き物がそのまま置き去りにされていた。

 

シールドを突き抜けた大きい隕石が、海に落ちて津波を引き起こし、島のエリアを襲った。

 

大陸のエリアにも、砕けた隕石の雨が降り、海からの津波が、地上の人々や生き物をさらって行ってしまった。

 

ドーム社会の指導者の言いなりに戦うことは、ドーム社会を助けることになっても、地上に取り残された自然や、自然とともに生きている人々を失うことになる。

 

 

誰かが、その人々を助けなければ…

 

 

エリック・マグナー指揮の下、軍への出動要請のあったエリアには、指令に従順なマシン部隊を中心に配置。

 

一方、軍の有志を募って、ドームの外の救出活動を急いだ。大勢の若者が、進んでドームの外へ飛び出し、被災地へと向かった。

 

彼らの後を追うように、使命感の強い医療技師や、多くの勇気あるボランティアが、支援物資を背にして、保護された区域を離れた。

 

 

 

 長い長い時が過ぎ、ようやく音が鳴りやんだ。

 

 

人々は、長いこと閉じ込められた苦痛に、少し背伸びをした。

 

大流星の衝突によって、少し地球の軌道がずれてしまったようだ。

 

その変化に順応するための対策と、破壊された地域の復興という、新たな苦難に立ち向かうため、人々は立ち上がった。

 

少しホッとしたせいか…各エリアの管理の目が行き届かなかったせいか…この年、子供がたくさん生まれた。

 

そして、キラシャも、この年に生まれた。

 

  

2004-12-30

2.ドームの社会

 

未来の地球のある時期には、理想の生活を目指すユートピア・エリア、自由な生活を目指すフリーダム・エリアという広大な2大エリアがあって、その時代をリードしていた。

 

また、宇宙開発に貪欲なユニバース・エリア、食料の増産や技術開発に意欲的なディヴィロプメント・エリアが、人類の未来と生活を支えているようだ。

 

いろんな民族が所々に共存するアフカ・エリア、多数の民族が入り混じったオリエント・エリア。

 

民族間の階級の厳しいヒンディ・エリア。

 

これら民族の違いが、また新たなエリアを生み出し、エリア内にも外にも、貧富の差はさまざまに広がっていた。

 

特徴を生かした小さなエリアも点在し、周りのエリアと経済や技術を提携し合って、共存共栄を図っている。

 

キラシャの暮らすドームは、北半球の小さなエリアにある。

 

何度も地震や火山の爆発などに見舞われながら、長い年月に位置を移動し、形を変えて、成り立ってきた島のエリアである。

 

地球上の他の場所に比べて、磁力の働きが強いのが特徴で、マグネティックフィールド・エリア、略してMFi(エムフィ)エリアと呼ばれている。

 

MFiエリアは、点々とした島のドームで成り立っているが、ごく微小なマシンを駆使した医療技術の発達で、先進エリアと認められるようになっていた。

 

もうすぐ11歳になるキラシャは、ドームのスクールで、クラスの男の子と仮想空間でのアクション・ゲームや、未来のスポーツを楽しんでいる。

 

クラスの中でもとびきり元気なキラシャは、冒険好きな男の子とドームから外に出たくて、ドームの外出許可資格を取ろうと、午後の厳しい訓練に参加していた。

 

ドーム内の澄んだ空気に慣れてしまった未来人。

 

特殊なマスクをつけないでドームから出てしまうと、呼吸をしても外の空気の成分がうまく身体に取り込めず、倒れてしまう人もいる。

 

調整された空気しか知らない子供達は、訓練しないでドームの外へ出ることを禁止されている。

 

スクールの行事や競技のために、ドームの外に出る生徒もいるが、訓練後の外出許可証が発行されないと参加が認められない。

 

見慣れた植物や動物ばかりのドームに、たいくつしていたキラシャは、まだ自分の目で見たことがない、自然に満ち溢れた広い外の世界に、人並み以上のあこがれを抱いていた。

 

チルドレンズ・ハウスでは、大勢の子供達が、にぎやかな日常生活を繰り広げている。

 

平日はチルドレンズ・ハウスで生活し、土曜・日曜の休日は保護者の所でホームステイする。

 

もっとも、子供の保護者は、血のつながった親ばかりではない。

 

休日に子供を引き取る実の親は年々減り、子供を育てることで、その成長を楽しみにする代理の保護者が多い。

 

キラシャは、自分のおじいさんを知らない友達や年下の子を引き連れて、自分の血のつながったおじいさんの住むオールディ・ハウスへ、休日に遊びに行った。

 

このドームには、子供が学ぶスクールと、寝泊りするチルドレンズ・ハウスと、病気やケガの時にお世話になるホスピタルが併設している。

 

スクールでの学習に役立つ博物館や歴史館、さまざまなアート・ミュージック・ダンス・ミュージカル・ドラマ・カラオケなどを楽しむ大小の施設もある。

 

ゲームの中に入り込んで、新たなストーリを作りながら、謎を解いたり、恋をしたり、仲間を作ったり、敵を倒して得点をゲットしたり、子供達が楽しんで遊べる仮想空間もある。

 

また、未来に進化した、多くのスポーツの練習場や試合会場もある。

 

これらの施設は子供だけでなく、大人も利用できる。仕事を終えた夕方から夜まで、多くの人に趣味を通じた出会いを提供している。

 

今も進化し続けているスマホは、“M(マルチ)フォン”へと進化して、ドームで暮らす人々の生活を支えている。

 

おしゃれや便利さを追求する未来人。

 

Mフォンを持ち歩かず、自分の身体・服・メガネ・アクセサリーに埋め込んで使う人もいる。

 

ただ、スクールの子供達は、「自分の持ち物を、責任を持って管理する」という教育目的で、事情のある場合を除いて、Mフォンを所持するように、ルールで定められている。

 

未来では、人が別の所へ行きたい時には、このMフォンの操作で、瞬間に移動できる。

 

転送装置という、とても便利な道具だ。もちろん、モノの移動もMフォンで操作できる。

 

ところが、ドームにはたくさんの人が通路を移動しているし、転送先が安全な場所とは限らない。

 

Mフォンだけでは、判別できない障害物にぶつかって、人が大ケガをしたり、送ったモノが転送ミスで大破したり、ゼンゼン違う場所へと転送されたりと、被害も多発した。

 

そこで、緊急の場合を除いて、Mフォンだけで転送することは禁止され、ボックスという転送装置と、そのリモコンとしてMフォンを利用した移動が認められた。

 

 

人の転送用として、ドームの各階のフロアに、大人が2、3人入れるくらいのペアのボックスが、点々と置いてある。

 

ボックスの右手が送り側。中に入って、Mフォンで行き先を指定すると、数秒後には希望の地点のボックス左手、受け側のボックスにたどり着く。

 

同じボックスに、同時に転送しようとする人が何人いても、ボス・コンピュータからの指示で、重ならないように待ち時間があり、順序良く転送が行われるのだ。

 

もちろん、転送が苦手な人のために、広場ではエレベーターやエスカレーターもあるが、急いでいる時は、ボックスの方がウンと早い。

 

エレベーターやエスカレーターの数は多くないから、移動するのに苦労する。

 

住宅街は同じような廊下が延々と続いているから、自分がどこにいるのかも、さっぱりわからないことがある。

 

しかし、そんな時だって、Mフォンが目の前に3Dホログラムを映し出し、現在地と行き先への道案内をしてくれるのだ。

 

 

ところが、Mフォンが何でも教えてくれるから、未来の人に悩みはないなんて、思ってはいけない。逆に、このMフォンの存在が悩みだったりすることもある。

 

MFiエリアは他のエリアよりも、管理がウンと厳しくて、大勢の人が秩序正しく暮らすよう求めている。

 

 

もちろん、人だけでなく、モノの転送にも、きちんとルールが定めてある。

 

製造されたモノは、製造場所・責任者・移動経路・所有者などがコード形式で表示され、ボスコンピュータにも、暗号化されたコードが、圧縮して記録される。

 

モノの現在の位置も、MフォンのGPS探索アプリで確認することができる。

 

ドームの住民の各部屋には、モノの転送用のボックスがあり、ネットで購入したモノをボックスに送ってもらえる。

 

食べ物などは、テーブルの上に置いた専用のボックスに、大きなものは物置くらいのボックスに送ってもらう。

 

 

ただ、人のモノを勝手に転送して、自分のモノとして使ったり、他の人に転売して儲けを企んだりする人達がいる。

 

そんな時、被害者は、エリア警察に被害届をMフォンで送信すればよい。

 

警察は、Mフォンの転送記録・製造コード・GPSで、現在の位置を特定して、犯人を追及する。

 

偽造したモノも、Mフォンをかざせば、製造コードを確認でき、ボスコンピュータに記録されたコードと突き合わせ、本物かどうかをチェックすれば、偽物だとバレてしまうのだ。

 

そうはいっても、未来にネット犯罪がなくなることはない。

 

日々、ボスコンピュータのAI機能で監視を行っているが、犯罪の多さと巧妙さに対して、摘発数が追いつかないのが現状だ。

 

スクールで犯罪を行わないよう指導を行ってはいるが、人に隠れて悪さをしたいと思うのが、人間の本性なのかもしれない。

 

このエリアでは、ルール違反に対して厳しい罰則がこと細かく決められ、裁判で罪が確定すると、罰則に応じたマネーの支払いか役務を終えないと、その後の生活は保障されない。

 

ルール違反をすると、ルールのアプリが入ったMフォンから警告を受けることもある。それを無視して違反を続けると、Mフォンが自動的に警察に通報するシステムになっている。

 

 

毎日毎日、人々はMフォンからのモーニングコールで目覚め、仕事のスケジュールを確認する。

 

Mフォンは、手際よく1日の予定を報告してくれるし、都合で予定を変えようとすると、こうした方が良いとアドバイスしてくれる。

 

ところが、そんなに親切に指導されると、かえってうっとうしいと思うのが人間というものだ。

 

あまりうるさいと、Mフォンの音声をバシッと切ってしまうこともある。

 

大事なアドバイスを聞き逃して、後で後悔することも多いが…。

 

 

それから、未来の若者は人間関係に、とても敏感だ。

 

恋愛に関しても、知り合った相手と仲良くなってから、結婚を決心するのも早いが、別れるのも早い。

 

結婚の届けを2人で管理局に出したら、2人っきりの部屋で、落ち着いた生活ができるかというと、どうもそうではないようだ。

 

衛生にうるさいドームでは、部屋にキッチンがない。食事をした後は、クリーニングを行うのがルールだし、それがイヤなら外で食べるしかない。

 

部屋で仕事をする人を除けば、寝る時だけ帰って来ることも多い。

 

部屋のクリーニングも、ロボットかヘルパーに任せるので、お互いに相手のことを気づかう、愛情あるコミュニケーションが取りにくいのかもしれない。

 

仕事で疲れた2人が顔を合わせても、相手のいやなとこばかり目につき、部屋の中ではつまらないことでケンカを繰り返し、結局別れてひとり部屋へ引っ越す人が多い。

 

それがイイことか、ワルイことかは、私にはわからないが、未来の人は合理的だ。

 

結婚した相手とは、会いたい時に会って、食べたい時に一緒に食事をして、デートしたい時に、一緒に過ごせば良いのだ。

 

愛を語りたい時は、ムードあふれるホテルで2人っきりに…。

 

 

ただし、ドームの中のどこにいても、今日の食事の予定は、どこでどんな食事をするか、Mフォンからの質問に答える義務がある。

 

この小さな島のドームでも、何万という人口を抱えている。よけいな人数分の食事の準備をするのも無駄だし、残飯を捨てるのも経費がかかるし、何よりモッタイナイ。

 

サプリやドリンクで済ませるときは食事はキャンセルし、部屋で食べたいときは、レストランから食事を転送してもらえばよい。

 

希望する場所を利用する時は、決められた時間までに予約しておけば問題はない。

 

こういった場合も、Mフォンは欠かせない。

 

 

未来の携帯Mフォン。

 

テレビ電話・ネット・マネー・カード・カメラだけでなく、目の前に3Dホログラムを映し、道先案内、転送ボックスのリモコン、あらゆる機能を持つすぐれものだ。

 

さらには、ルールのアドバイザーであり、仕事や生活のパートナーでもある。

 

ドームの大集団の生活を支える、便利なMフォン。

 

未来のドームに住む人々は、それがなくなったら、何もできないほど、Mフォンに依存していた。

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