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生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

土用波

2011-08-09 | 季節は今

台風9号が沖縄に接近(現在は既に通過)…紀南沿岸に波浪注意報…急遽、大阪の友人達とその波を撮りに行きます。昼から夕方にかけてのスケジュールで、みなべ町千里・目津崎海岸からすさみ町沿岸までを至ってアバウトなタイムスケジュールを描きながらともかく出発します。

先ずは、千里海岸の砂浜に押し寄せる波に見惚れます。ドデカイ扇が一定の間隔で広げるようなさまに感動…干潮から上げ潮に変わる時間帯なので波に勢いがあります。もちろん危ないので小高い岩の上からの眺望です。ここは去り難い… 

“天気晴朗なれど波高し全員奮励努力せよ…”確か日本海海戦の東郷司令官の檄文…奮励どころか目津崎の岩場での荒れた波に些か腰が引けましたが、日頃和歌山の海で鍛えられたことを自負する者にとって率先して先を進みます。この辺で友人の一人が脱落…無理をしない! 

怖いもの知らずと云うか度胸があると云うか、若い女性カメラマンのOさんはパチパチシャッターを切ってます。将来有望! “おーい!次の奴大きいぞ!気ィつけろよ!”こんなやりとりも凄い波音にかき消されます。

で、危ないのでここでカムバック…無理をしない! 

紀州の沿岸は台風発生のたび“土用波”(うねり)の到達です。沖合いでは波は分らないのですが、浅くなった沿岸部では想像も出来ないほどの大波となって打ち寄せます。悪いことに十数回目、十数分に一度特別の大波が来ます。それが悲しい海の事故にも繋がります。

暦の“土用”は“五行説”からきた“雑節”のひとつで、二十四節気で重要な“八節(2至・2分・4立)”の4立、すなわち立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を言います。その初日が“土用の入り”…4立の前日、土用の最終日が“節分”です。
そして、年4回の土用は穀雨、大暑、霜降、大寒の節気にあって、それぞれの季節が最も盛んな頃です。夏の“土用の丑の日のうなぎの蒲焼”は多くの方はご存知ですが、海へ行かれる場合は“土用波”…この時期の大波の危険もお忘れなく!

ど‐よう‐なみ【土用波】 
  夏の土用のころ、わが国の太平洋岸に起こる大波。
  南方にある台風の影響によって、うねりが押し寄せる現象。

季節は“はじめて秋の気 たつがゆへなればなり”の「立秋」…その初候「涼風至」(すずかぜいたる)ですが、“暑さ寒さも彼岸まで”の来月20日(彼岸の入り)までは、残暑を覚悟しなければ…ですね。

        
                 すさみ町見老津 夫婦波

 

        
            南白浜の海岸ではサーファーに釣り人…

 

本日の仕上げは波穏やかな“対の浦”の夕景です。頭の中で描いていたポイントを2箇所取り止め、余裕で夕日に間に合いました。しかし、余計な雲が出て来ます。



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