生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

渚のお友だち [Ⅳ]

2013-04-23 | 季節は今

      
            「シロチドリ」 白千鳥  チドリ目チドリ科

 

片足をあげ片羽をピンと伸ばす…次のアクションへのウオーミングアップ?…

3月から片男波海岸の砂浜で遊んでもらった“シロチドリ”のご紹介…寒かった3月初旬、海岸での長時間は苦行であり、気温が上がった3月下旬~4月になると繁殖期なのかペアとなり、とても用心深くなった…相当離れた人の気配でも走り出し、双方がスピードを競い合うかのように水際を遠くまで走り去るのである。
止まった場所を見届け、適当な距離から腹這いで近づくのだが、砂浜で3~4回それを繰り返せば疲労困憊…人は軍事訓練でも行ってるように見えただろう。 

        

伸ばした羽を横から見ると美しい和風模様だ。
イナバウワーは確か頭を背中まで反らしたっけ…さしずめ半イナバウワー?

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20130305 (前回のシロチドリ)   

“春雨ふりて 百穀を生化すればなり”二十四節気「穀雨」(こくう)の初候「葭始生」(よしはじめてしょうず)葦(あし)は“悪し”に通じると云うので“葭”(よし)と書く…
そして、次の節気はもう「立夏」(5月5日)…夏である。光陰は矢よりも早いぞ! 

        

今日は足から手入れかい… 

片足で立ってナンと云う格好…たいへんなんだァ…

羽の先まで丁寧に手入れ…“大切にしなけりゃね!” 

毎度お馴染みのブルブル…ブル 

“地味な羽色だけど、可愛いでしょ♪” 

ナンか口に入った“ウ~ッぷ!” シロチドリのげっぷ?…笑ったよ 

格好良いけどチョイとブレた… 

あっ もう行くのかい? 

“それじゃ 寒くなるまでサヨウナラ~” 走る、走る!

自然海岸、とりわけ砂浜の減少と人、ペットの侵入でチドリ類は全国的に激減のようだ。この記録もあの時“撮っておいて良かった‭”などと、ならないことを祈る…


渚のお友だち [Ⅲ]

2013-04-22 | 季節は今

      
              「ハマシギ」 浜鷸  チドリ目シギ科

 

前回ハマシギをアップしたのが2月5日、シロチドリは3月5日…それ以後、懲りもせず晴天日には片男波海岸の砂浜をカメラを持って“這い”まわった。
その甲斐あって、この子たちに手の届きそうな位置まで何度か超接近出来た朝もあった。写真は相変わらずだが、距離を縮められた喜びが再度の投稿に…

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20130205 (前回のハマシギ) 

 

波打ち際を散策した後、砂の上で毛(羽)づくろいは怠らない…これが最もポピュラーなパフォーマンスだが、困ったことにそのまま眠って動かなくなる。
次のアクションまで冷え切った砂上で忍耐強く待つこととなる…

 

嘴での羽の手入れを終えたものは、シロチドリ同様“ブルブル”で…仕上げる… 

さっぱりして満足そうな表情になったような、そうでないような…無表情… 

 

うろうろしてるうち、休んでるシロチドリに触れそうになるとトラブル発生だ。怒ったシロチドリの攻撃に驚き跳びあがる瞬間…争いは当事者のみで拡大しない。
他は“吾、関せず”の知らんぷり…どうやらシロチドリの方が気性が荒いようだ。 

        

あくび?…鳴き声も聞こえず大きく嘴を開いた。こんなポーズをはじめて見た。

ハマシギは4月初旬まで海岸で見ることが出来たが、最近は見当たらない…砂浜をよく観察するが、シロチドリも“群れ”ではなく1~2組の夫婦ペアだけとなった。 


2013里山の春

2013-04-16 | 季節は今

      
           「ハルリンドウ」 春竜胆  リンドウ科、2年草

 

少しグリーンがかったスモモの花が満開だ。いよいよ里山にも遅い春が訪れた…昼夜の寒暖差のある山間の春も猛スピードでそのピークへと向かう… 

 

棚田を山越えの朝日が照らす。間もなく田を起こし水を張る…山の田植えはその時の雨次第…すなわち山上の溜池の水量頼みと云う…
急な山腹の農作業はたいへんだろう。この辺りも放置された畑地がたくさんある…それだけに頑張っておられる農家には声援を贈りたい。 

 

        
        「ウマノアシガタ」 馬の脚形  キンポウゲ科、多年草

どこにでもある見慣れた草花だが名前が面白い。葉が“馬の足形”に似てるから…とのことだが全く似てない。“鳥”と“馬”を間違ったらしい…
早春に黄色の花が多いのは、目立つ色で昆虫を呼び寄せるためとも云われる。 


        「タンポポ」 蒲公英  キク科、多年草  別称 鼓草

 

        

ハルリンドウを見るたび、生石山から黒沢山系にかけての山地は如何に多様な植物群の宝庫であるかが分かる…今は殆ど見当たらないがフウラン、セッコクなど多くのところに咲いていたと云う…

季節は進んで「清明」の末候「虹始見」これからは虹が見られる時節となった。
晴れていても太陽と反対方向に雨雲が出る…そんな夏空に近づいてる…

そして、13日(土)早朝、震度4の地震があった。阪神淡路大震災以来の大きな揺れであった。揺れはじめてすぐ“こりゃ大きい!” と直感したが、幸いにも長引くこともなく止まった。その瞬間、携帯のエリアメールが鳴り緊急地震速報が入る。
いい加減なものだ。被害にあった淡路島の方々にはお見舞い申し上げます。

そんな中、玉津島神社の年に一度の最も重要な例祭神事が執り行われた。
従来は神社縁の方々で行われていたのだが、今年からは一般の参拝者も参列出来るようになった。神事には全く無知な私めが厚かましくも参列したのである。
質素な中にも厳かな祭礼は、怠惰な日々を過す者にとってもピッ!と背筋が伸び、体内全ての血液が洗い清められた思いがした。ありがとうございました。

        
           「オカオグルマ」 丘小車  キク科、多年草

このオカオグルマも減少の一方だ。 

        
          「ショウジョウバカマ」 猩々袴  ユリ科、多年草

 

帰り道にナシが見事に咲いていた。


高原は早春

2013-04-11 | 季節は今

      

昨日は生石高原のスミレ…本日はそれ以外の高原の草花のご紹介を…

高原への途中、相当登った山間の大きなヤマザクラ…この前は枝が黒く見えただけだったが満開になっていた。春の進行速度は油断ならない… 

      
          「ショウジョウバカマ」 猩々袴  ユリ科、多年草

そして、ショウジョウバカマも満開だ。この花から高原は弾みをつけて初夏に向かう…今年のササユリ、ヒメユリは?ギボウシたちはどうなンやろか? 

 

        

草原下のヤマザクラは未だまばらだ。標高差が意外とあるンだねェ… 


          「ミヤマカタバミ」 深山片喰  カタバミ科、多年草

相変わらずウグイスが鳴いてる…今日はツツドリも久し振りに聞いた。ホトトギス、カッコウを期待したのだが聞かずじまい…早朝は他所へ廻ったからなァ… 

        
    「イワボタン」(ミヤマネコノメソウ) 岩牡丹  ユキノシタ科、多年草

 


         「ミヤマセントウソウ」 深山仙洞草  セリ科、多年草

ミヤマカタバミが咲き始めると、ミヤマセントウソウ、イワボタンも咲いてる…この3種は薄暗い林の湿地を好む…短い木漏れ日タイムに笑っていた…

        
           「センボンヤリ」 千本槍  キク科、多年草

 

        
          「テンナンショウ」 天南星  サトイモ科、多年草        


すみれ咲く

2013-04-10 | 季節は今

      
            「ヒゴスミレ」 肥後菫  スミレ科、多年草

 

      
            「アカネスミレ」 茜菫  スミレ科、多年草

各所のサクラ爛漫の便りが溢れる間に、高原ではスミレが楚々と咲いていた。
Fさんのお話では3月末頃から咲きはじめたらしい。
で、1週間前と昨日、高原へ見に行ったが“咲いてる咲いてる!” 何度も記すが、同じ時期、同じ場所にあるべきものがある…これほどの安堵感はない… 


        「ニオイタチツボスミレ」 匂立坪菫  スミレ科、多年草

 

        
           「ホコバスミレ」 鉾葉菫  スミレ科、多年草

季節は“万物はっして清浄明潔なれば この芽は何の草としるる”…「清明」となる。
七十二候では、その初候(~9日)は「玄鳥至」(げんちょういたる)…次候(10日~)は「鴻雁北」(こうがんきたす)ツバメが日本へやって来て、カモなどが北国へ帰るとされる時節…が、ツバメは既に飛来し、カモは未だ見ることができる。
片男波海岸でも8日には未だハマシギがシロチドリと浜辺で遊んでいた。 


           「ニョイスミレ」 如意菫  スミレ科、多年草

 


             「フモトスミレ」 麓菫  スミレ科、多年草

高原では足元を余程注意して歩かなければ小さなスミレを踏みつけてしまう…
場所によっては足の踏み場もないほど咲き誇っていた。 


            「シハイスミレ」 紫背菫  スミレ科、多年草  

 


           「タチツボスミレ」 立坪菫  スミレ科、多年草

 

        
     「ナガバノタチツボスミレ」(白花) 長葉立坪菫  スミレ科、多年草