8月中旬から好天が続き“暑さも極まれる”日々でしたが、ここに来てどうにか秋らしくなり、生石高原も初秋の涼風を満喫できます。ヒグラシに代わってツクツクボウシも鳴きはじめ、季節も「立秋」から「処暑」の初候「綿柎開」(わたのはなしべひらく)となります。綿の花は鑑賞用としても好まれ“芙蓉”“木槿”に似た一日花です。
“槿花一朝の夢”の槿花(きんか)は同じ一日花の“アサガオ”ですが、朝開いて夕べに萎む花を、栄華のはかなさに例えた言葉です。晩夏から初秋の花にはそれを漂わせるものが多くあります。
この日、高原の早朝は雲ひとつない晴天です。駐車場からはオリオン座の小三ツ星までくっきりと見え、ボウとしたオリオン座大星雲も確認できます。着いて早々“宇宙戦艦大和”の世界ですが、南東方向からの稲光もストロボのように光ります(^^
太陽が昇って暫らくすると予想だにしなかった濃霧の来襲です。1時間足らずで消え去りましたが、突然真っ白になったかと思うと急に青空に戻ると言った、自然のダイナミズム?体験の山頂となります。霧がなくなると強い太陽光に晒されますが、前回のように蒸し暑くはならず、爽やかな風に救われます。
「オミナエシ」 女郎花 オミナエシ科、多年草。
生石高原は今“オミナエシ”が絶好調です(^^ 霧が晴れたススキ草原のグリーンに映え、360度の山並みとも見事なマッチングです。“カワラナデシコ”がやや終焉に近づく時季、舞台装置が代わるようにピンクからイエローへ移行します。そして咲きはじめた“シラヤマギク”、盛りの“シシウド”、花期を過ぎた“コオニユリ”などなど織り交ぜて高原に“お花畑”の出現です。
http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20070908 (2007年のオミナエシ)
「キンミズヒキ」 金水引 バラ科、多年草。
熨斗袋に付ける水引を金色に見たてた名称です。種子は動物などにくっついて拡散できるよう鉤状の棘を着ける強か者で、高原全山で見ることができます。
「クルマバナ」 車花 シソ科、多年草。
「コガンピ」 小雁皮 ジンチョウゲ科、落葉小低木。 別称 イヌガンピ
草のように小さい“ガンピ”からの名前です。“ガンピ”“ミツマタ”といえば日本が誇る高級和紙の原料で知られます。別称の“イヌガンピ”はその和紙の原料にもならない…の意です。
「ホソバノヤマハハコ」 細葉山母子 キク科、多年草。 県・準絶滅危惧種
背丈は低いのですがススキの根元に群生し、白っぽい葉や茎に加えて丸い純白の花の集まりは一際目を引きます。高原全山に生育する生石のエーデルワイス♪…?
花の中心の黄色は咲き始めで、短期間で黒ずんでしまうので美しいのを探すのも楽しみです。西洋では“真珠の乾花”の名前で、そのものズバリの表現に納得です。
生石高原は世俗を離れ健康的で“癒し”の場として草花や美味しい空気を求め多くの方が訪れますが、日本列島は新型インフルエンザの未知の恐怖に慄いてます。以外にも梅雨の高温多湿の時期も乗り越え急激に感染が広がり、乾燥期の一層の流行が心配されます。
毒性が弱いとはいえ何日か分らないのですが、熱で「フゥ~フゥ~!」を考えただけで“ぞっと”します。予防方法もはっきりせず薬も不足気味とかで、この際は“付け焼刃”でも“体力増強”を図るのが一番…と、今まで以上に高原を歩こうとも考えます。ちなみに駐車場から山頂~硯水湿地~笠石より西側の金屋駐車場付近までで約6000歩です。しかし、プロ野球選手でも感染するといった否定的な思いも…一体どうすりゃエエのヤロか?これと言った決定的な結論はないのですが、どうか皆さまも一通りの予防などを励行され感染なきよう…
― 9月に咲く生石高原の草木 ―
8月下旬~9月初旬
シシウド・オトギリソウ・マツムシソウ・シラヤマギク・ミズトンボ
ススキ・ワレモコウ・ツリガネニンジン・イブキボウフウ・ヒメノダケ
オトコエシ・サワギキョウ・クズ・ナンバンハコベ・サワヒヨドリ
ヒヨドリバナ
中旬~下旬
マタタビ(果実)・アケビ(果実)・ムべ(果実)・ヌバタマ
タムラソウ・キクアザミ・モリアザミ・ヨシノアザミ
アケボノソウ・マルバハギ・シオガマギク・フユイチゴ(花)
アキチョウジ・ツルニンジン・ヒメヒゴタイ
多少の誤差はお許し願います。