蒜山高原 ［Ⅱ］

　　　　　　

前回は雪景色だったが今回はキャベツ畑である。火山の噴火で出来た土地なので土が黒いのだそうだ。そう云えば、水を張った田んぼも黒い独特の雰囲気であった。　　　　　　

　　　　　　　http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20090212　（雪の蒜山） 

広大で緩やかな丘陵地は和歌山には無い。ぽつんと立つ木々も訳ありげで、あれほど嫌いな電柱も絵になるように思える。曇り空だし、山野草を探すことにする。

この地の黒岩という所の樹齢７００年、幹周り１０ｍのサクラの巨木からスタート…あちらこちらに未だ桜が咲いてるのに、そのサクラは既に葉桜になっていた。しかし、そのオーラはパワースポットの感がある。残念だがサクラのまわりで何かの工事中…

　　　　　　　　　「ニリンソウ」　二輪草　　キンポウゲ科、多年草

その周りの草むらには“ニリンソウ”がいっぱい咲いてる…和歌山県では絶滅危惧ⅠB類なのに…タンポポ、ツクシ、オドリコソウ、タチツボスミレ、ニョイスミレなどで足の踏み場もない…ここでは早春から晩春までが凝縮されていた。

蒜山高原は春真っ盛りの感だが、季節は夏となった。二十四節気では「立夏」となり七十二候では「蛙始鳴」（かえるはじめてなく）田舎の田んぼではカエルの大合唱がはじまってる。それにカエルが田に悪い影響を及ぼしたとの話は聞かない。むしろ田の虫を捕食するので人間にとっては益虫だろう。自然界の生物サイクルから見ても無くてはならない存在である。 

　　　　　　　　
　　　　　　　　「ヤマエンゴサク」　山延胡索　　ケマンソウ科、多年草

 

　　　　　　　　「ミヤマカタバミ」　深山片喰　　カタバミ科、多年草

遠く離れた蒜山高原で見慣れた草花を見かけると何故か嬉しくなる。それが儚い春植物（スプリング エフェメラル）となると尚更である。 

　　　　　　　　
　　　　　　「ヨゴレネコノメソウ」　汚れ猫の目草　　ユキノシタ科、多年草

 

　　　　　　　　「ヤマルリソウ」　山瑠璃草　　ムラサキ科、多年草

 

　　　　　　「トウゴクサバノオ」　東国鯖の尾　　キンポウゲ科、多年草

この名前がさっぱり判らなかった。 帰ってからFさんにメール…どうも他府県の山で見たらしい…和歌山では準絶滅危惧種であるが見たことはない。

　　　　　　　　
　　　　　　　　「キクザキイチゲ」　菊咲一華　　キンポウゲ科、多年草

次の日にも見に行ったが数株あったのが無くなっていた。ここにも心無い人が…また、道の駅でも希少種が販売されていた。多分、種子から繁殖させたものと思うのだが、余り良い感じはしなかった。
毎日のようにネットで蒜山の“ダイセンキスミレ”を検索のOが、５月のGWに咲いた記事を見つけた。山野草の宝庫と言われる“象山”へ…そこには湿原もあり有望と思われたが大きな雪の塊が所々に残り、スミレの株はたくさん見掛けるのだが蕾すら出ていない…残念だが、次の機会に綿密な計画のうえ…と云うことでギブアップ！