目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「夜のピクニック」 恩田陸

2006年10月05日 | 読書
現在映画化が公開中の”第2回本屋大賞 受賞作”です。
文庫がでていたので 読んでみました。
あっという間に読めたー!

「夜のピクニック」(恩田陸・新潮文庫)

とある高校の一大イベント”歩行祭”を描く物語。
1年から3年生の全校生徒が 秋口のある週末に
24時間ひたすら歩くという行事。
(休憩と、真夜中に2時間程度の仮眠をとるだけ)

この進学校の修学旅行代わりであるこのイベント、
体力の限界に挑戦というか、若さゆえというか・・・
その時は疲労しか残らないように思えても、
振り返った時、きっと懐かしく素晴らしい思い出だと
心から思えるであろうイベント。

その歩行祭の夜に、甲田貴子はある賭けをしていた。
同じクラスの、異母兄弟である西脇融と話すこと・・・。

高校生の頃、これを読んだとしたら、
もしかしたら面白くないかもしれない。
自分達のことだもん。
イマドキの高校生はこんなんじゃないよーとか思うのかも。
過ぎ去った青春だから、切なくてキラキラしてて
大事に思えるのかも。

出来すぎた話だとは思います。
一度も話したことのない異母兄弟。
でも、誰よりも強く、お互いに意識しあってる。
彼らを取り巻く 素晴らしく人間の出来た友人達。
素晴らしいお膳立て。
アメリカに留学した親友のかけた”おまじない”。

でも、どんな不可能なことも この特別な夜には 
起こってしまうかも、という気持ちにさせられます。

夜って不思議ですよね。
日記や手紙を書くと、やけにシリアスになったり
思いつめたり、クサいことが言えたり。
そして、夜友達と一緒にいる、ということが
ものすごく嬉しかったりする。

みんなで、夜歩く。
ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。


まさにそうです。
高校時代っていい時だったなぁ。
その頃は、毎日、部活や勉強に追われてて、
片思いに悩み(キャーキャー騒ぐことが楽しかったのかも)
こんな毎日は嫌だ!早く大人になりたい!と
思っていたものですが・・・充実してたと思う。

ウチの高校も、ことあるごとに登山があって、
冬には耐寒登山、修学旅行にも登山靴とアイゼン持参でした。
その修学旅行の登山のこと、思い出すなー。
しんどかったな・・・。得たもの?あったっけ?(笑)

甲田貴子ちゃんと西脇融くんは、
一晩で大きく成長します。
人生変わるかもしれない成長です。
変な言い方だけど、今は今しかないんだよね。

これ、映画化したらどんな感じなんだろう・・・
2人の心の中が丁寧に描かれているだけに
演技と映像で表現するのは難しそう。
映画は・・・都合がつけば見てみたいです。
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あ!夜ピク! (こっちゃん)
2006-10-06 00:49:30
原作はやっぱ良いんだね~。

映画はどうも盛り上がってないようですが。( ̄∀ ̄*)
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映画になってたの (hiyoko)
2006-10-06 07:04:25
知りませんでした!

知らなさ過ぎ?



私の学校も、ことあるごとではないけど、時々登山がありました。

立山で登山合宿があったよ。

得たもの・・・なに、というカタチではないけれど、達成感、充実感、かな?
返信する
やっぱりか(悲) (☆kino)
2006-10-06 08:05:30
>こっちゃん

やっぱりあんまり話題になってないのね・・・。

宣伝しまくってる映画しか知られてないからねぇ。

原作は”青春”って感じでよかったですよー。

24時間のことを丁寧に書いてあるもんね。



>hiyokoさん

↑のように、知られていないから hiyokoさんだけじゃないよー。

地味に映画化されてます。

うんうん、達成感と充実感、これはやったものにしかわからないもんね。
返信する
映画気になる・・・ (cherry)
2006-10-06 18:47:34
つい最近読みました。

確かに今、読んだからよかったのかも。



歩くのも走るのも嫌いなへなちょこなわたしですが、

このイベントは参加してみたいなと思いました^^

あ、でもすぐバス行きかもしれません(笑)



映画どうなんでしょうね~。

ポイントがあるので行こうかなと思ってるんですが。
返信する
地元です。(^^ゞ (mさと)
2006-10-09 22:10:31
わたしも中三の夏休み前の成績だったらこの学校に入れたのですが。。(^^ゞ



今年、甥っ子は挑戦しましたが見事落ちました。(^^ゞ



親戚ではひとりだけ、この学校に行って東京大学に進み、今では熊本大学で先生やってます。教授になったかな。(^^ゞ



この夜行軍は地元でもちょっと目立つ行事で。。

映画になったから原作者は水戸出身?!

と思いましたが、違うみたいですね。



いつか観たいな。
返信する
青春ですなー (☆kino)
2006-10-09 22:40:21
>cherryさん

高校生の時に読んだら、けっ!と思っていたかも??

私は意地になって歩くんだろうなぁ(笑)

大変そうだけど、楽しそう。

映画はどうだろう、私も時間があったら観たいけど・・・

たぶん原作には勝てないんじゃないかなぁ・・・と思います。



>さとさん

恩田陸さん、この学校の出身らしいですよ。

へー やっぱりすごい進学校なんだ。

みんなの言うことがいかにも優等生だった!

返信する
原作・・ (のら)
2006-10-13 14:24:32
私もちょっと前に読み終えたところです。

映画になるとどうなるんだろう?と思って

まだ見に行ってないんですけどね~。

主演の二人が、目元がほんとに似てるんで

「おっ!」と予告を見て思ったんですが・・



そうそう、ずいぶん遅くなっちゃって恐縮ですが

お誕生日おめでとうございます~





それと栗きんとんは、こちらだと「西本」と

「川上屋」が有名みたいです。

それまで「栗きんとん」といえば、お正月に

入ってるの・・とばかり思っていたので

カルチャーショックでしたが、お上品な味で

おいしかったです。ただちょっと単価が高いので

あまり買ってないですけどね

自分で作られたなんてすごいですね

栗から虫、私も経験ありますよ~
返信する
あ、失礼~ (のら)
2006-10-13 14:26:27
『お正月に入ってるの』じゃ変ですね。

「おせちにはいってるの」でした。申し訳ありません。
返信する
映画は賛否両論みたい・・・。 (Ageha)
2006-10-13 17:15:45
ただ歩く・・それだけのことなのにっていう

そのイベントを大切に扱うのなら

そんな映像は盛り込まんでええやろというカットが

いくつかありまして

その分ちょっとトーンダウンしてしまいましたが、

原作が面白かったことと、

プレDVDなのにスピンオフという、

「ピクニックの準備」がかなりイケてたので

それで補完しつつ映画を見た自分としては

「高校生になりきって一緒に歩いてた」ので

十分歩行祭を楽しんでました。

現物はその目で確かめてとしか言えないですが

この時この瞬間しか味わえないものが

確かにそこにあるってことで

胸キュンになれる作品です。
返信する
一度しかない (☆kino)
2006-10-14 11:05:02
>のらさん

メッセージありがとうございます!

映画は私もまだ見ていないけど・・・どうだろう。

原作の印象を大事にしておきたい気もします。



栗きんとん、って私もドロっとした(?)あまーいペースト状のもの

だと思っていたのですが、上品で贅沢なお菓子ですよね。

川上屋って聞いたことあります!ホンモノの栗きんとん、食べてみたいなぁ。

自分で作ったといっても、テキトーです(笑)

栗の虫、あそこまでつくものか??と思うくらい!



>Agehaさん

「ピクニックの準備」をご覧になったという記事を拝見して

面白そうだなーと思ったんですよ。

私は高校時代がとても思い出深いので、

こういう話はとっても好きです。

きっと 入り込んで観てしまうんだろうなぁ。

うーん 観るなら「ピクニックの準備」を見てからだなぁ。
返信する

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