「エリザベスタウン」 キャメロン・クロウの世界

オーランドの次回作はキャメロン・クロウのセイシュンものらしい、と
聞いた時から、ずーっと楽しみにしていた映画です！

「ロード・オブ・ザ・リング」直後に、キャメロン・クロウが監督した
ＧＡＰのＣＭ（オーランドとケイト・ベッキンセールが出演）を観た時から
いつか絶対にこの２人の映画が見てみたい！！と切に願っていました。
最初、アシュトン・クッチャーがこの役をやる予定だったけど、
演技が下手だから、とか、どうもキルスティンとしっくり行かない　とかで
降板したというエピソードつき。

クロウ監督作品の、その独特な切なさが私のツボ。大好きなのです。
柔らかい光の中に描かれる　成功を夢見ているけど　うまくいかない人生。
でも、捨てたモンじゃないよ　という　優しさと切なさに満ちた話が好き。
「ザ・エージェント」の台詞”You complete me.”にやられました。
初期の「セイ・エニシング」「シングルス」も良いです。
監督の映画に、音楽担当で参加しているナンシー・ウィルソンは
あの、元ハートで（妹の方）、監督の奥さんです。

一方、オーランド・ブルーム。
コスチュームものの王子様的役柄が続き、確かに　整ったハンサムだけど
”役者として　どうなん？？　なんで普通の映画にでーへんの？！”と
一人ヤキモキしてました。

・・・前置きが長くなりました。
仕事でとてつもない大失敗をやらかした青年・ドリューが、
父急死の知らせを受け、父の故郷の南部の町　エリザベスタウンに向かう。
そこで出会う　親戚の人々や、行きの飛行機で出会ったポジティブ・シンキングな
キャビンアテンダントのクレア（キルスティン・ダンスト）に出会い、
人生を見つめなおす・・・といった内容。

これまた　好き嫌いの分かれそうな映画だな・・・。
音楽や、アメリカの暮らしや風景に詳しい人なら　きっと楽しめるし、
身近な人の死を経験した人は　思いが重なる部分もあって、
入り込んで観られると思います。
（仕事で大失敗して落ち込んでる人には・・・現実はこうはいかないだろうけど
少し　気分が軽くなるかも）

大きな感動どかーん！！涙ぼろぼろ・・・という映画ではないし、
正直、少し長く感じてしまうところはありました。
オーランドの演技が気恥ずかしいところもありました。
キルスティン・ダンストの強引なキャラクターもあまり好きではありません。

でも、ミュージック・ビデオみたいな、映像とマッチした音楽は心に迫ってくるものがあって、
見た後、ほんわりとあったかくなれる映画でした。
アメリカ南部　ドライブの旅、あれはいいよねー！！
ああいうところを旅してみたいです。
ああ、お父さんと一緒に　もっと楽しいもの、きれいなもの、おいしいものを
共有したかったな・・・なんて　私も思いました。
（先日読んだ「東京タワー」とあわせて、なんだか感傷的に。）

キャメロン・クロウ監督自身の　お父さんへの思い、愛する風景、
音楽がいっぱい詰まった映画なんでしょうね。

この映画を観て思ったこと
唐突に出てきた、”うるさい子供を黙らすビデオ”ってナニあれ？？
アメリカじゃ有名なの？？
それから・・・キャビン・アテンダントっていつ仕事してんの？？

余談ですが、脇役の、結婚式間近の新郎（ジェド・リース：写真の人）
ジャック・ブラックに見えました。この人、「ギャラクシー・クエスト」に出てたんだね！