目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「第二音楽室」 佐藤多佳子

2011年01月18日 | 読書
佐藤多佳子さんも初めて読む作家さん。

「第二音楽室」(佐藤多佳子 文藝春秋)

音楽をモチーフにした短編集。
主人公は小学生・中学生・高校生の女の子。

鼓笛隊の落ちこぼれグループを描いた
「第二音楽室」
音楽の授業で男女デュエットをすることになり
相手選びに揺れ動く心・・・
「デュエット」
音楽の先生に選抜され、リコーダーの
カルテットをすることになった
「FOUR」
中学校でいじめにあい、新たなスタートとして
女子高でバンドを組んだ主人公は・・・
「裸樹」

小・中・高校生だった頃の気持ちって
こんなだったっけ?そうだったかもねぇ・・・と
甘酸っぱく、懐かしく思える物語。

音楽がモチーフ、というところが上手いというか、
美しい音楽には心を揺さぶるものがありますよね。
それが、自分ひとりではなく、グループでの
演奏や、合唱、バンドとなると
メンバーとの心のつながりが
奏でる音楽に直結してくるわけで。

私は個人技(?)のエレクトーンしか
経験がないので、この物語の
主人公たちが味わう、人と人との
ハーモニーが最高の瞬間を生み出す、
という幸せな感覚がダイレクトにはわからないのが
ちょっと悔しい。

音楽への思い、友達との関係、淡い恋心、
自己嫌悪やうじうじ悩んでしまう些細なこと。
それらが繊細に、みずみずしく描かれていて、
ああ、あの頃の自分もそんなことを
毎日考えていたよなぁ・・・と思い出しました。

ローティーンの頃にこの本を読みたかったな。

あの頃の自分や、悩める少女たちに、
”いつか、あんなこともあったなぁ
って懐かしく思える日がくるよ”と
言ってあげたい気持ちになりました。
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