目の中のリンゴ

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「あなたになら言える秘密のこと」 静寂の中で

2007年02月15日 | 映画タイトル あ行
なんだかパッとしない邦題ですよね・・・。
イザベル・コイシュ監督とサラ・ポーリーの前作
「死ぬまでにしたい10のこと」(←大好きな映画のひとつ)を
意識したタイトルなんでしょうけど、あんまり好きじゃない。

「あなたになら言える秘密のこと」
(The Secret Life of Words・2005年・スペイン)

タイトルの通り、”秘密”が大事なキーになっているので
それについては触れません。
私も予備知識なしに観たので、こんな映画だとは思いませんでした。

どこか、東欧っぽい国の工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)は
誰とも話さず、ただまじめにひたすら仕事をする。
耳が不自由で、補聴器をつかっているけれど、
必要な時以外はスイッチを切って、静寂の中に1人いる。

ある日上司に真面目すぎる勤務態度を指摘され、
強制的に休暇をとることに。
そして、ふらりと出た旅先で、石油掘削所火災の被害者の
看病をすることに。
ハンナは以前、看護師だったという。
海の上の寂しい掘削所に残された5~6人の男達は
皆、孤独で風変わりではあったが、
ハンナには気の休まる場所だった。

患者は、全身に火傷を負い、一時的に目も見えなくなっている
ジョゼフという男(ティム・ロビンス)。
お喋りで話し上手なジョゼフは、ハンナの心を、
徐々に解きほぐし・・・。


この、海の中にぽつんと立つ掘削所、
火災事故以来、すごく寒々しくて静かなんだけど
何かこう、切ない感じがするというか、
打ち捨てられた寂しさを媒介にして、
そこに残された人の心を少しだけ近づけるというか・・・。

静かで、淡々とした展開ではあるのですが、
私は好きな感じの静けさでした。
心を閉ざしたハンナが、心優しい料理人の
美味しい料理を、むさぼり食べるシーンや
ジョゼフと”秘密”を打ち明けあうシーンは
素晴らしかったと思います。

たぶん、想像しているような内容の映画
(過去の傷を舐め合うように、男女が惹かれて
愛し合う・・ってな甘いラブストーリー)ではないです。
すごく重くて、うまく感想を書けないです。
でも、また、この映画を観ることで、
知らなかった現実を知ることができてよかったと思えます。
「僕の大事なコレクション」に少し似てるかな。

生きていくということは 前に進むこと・・・。
乗り越えていくしかないのですね。

ところで、食べることが好きなジョゼフが
ハンナに好物を訊ねるシーン。
”ハーゲンダッツのジンジャー&ライチは?”って
聞いてたけど、どんな味だろう。
食べてみたい。
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あ~私も! (のら)
2007-02-15 15:29:30
アイスの味がどんなんだろう?って気になりました。
ハーゲンダッツでそういう味があるんだな~って
いうのも知らなかったですし。

この映画はうまいこと感想が書けずに
コンパクトに書いてしまったのですが・・
掘削所の人たちは皆孤独を抱えていて
だからこそ人の気持ちに踏み込み過ぎないように
お互い適度な距離を保ってるのかなって。

料理人の彼がちょっとジョゼフに言い過ぎたところ
ありましたけどもね・・

「打ち捨てられた寂しさを媒介にして、
そこに残された人の心を少しだけ近づけるというか」
深くうなずいてしまいました。
返信する
上手く言えない (☆kino)
2007-02-16 07:42:37
>のらさん
あー やっぱり気になりましたか?(笑)
ハーゲンダッツのアイス、どんな味なんでしょうね。
料理人さんのチーズアイスも食べてみたい。

感想は・・・私もうまく言葉にできませんでした。
でも、映画の中に漂う切ない寂しさみたいなものが
好きです。
返信する
ほんとこの邦題は。。 (Cartouche)
2007-02-17 21:03:26
ほんとほんと。私もこの邦題大きらいです。安っぽい恋愛モノに誤解されてしまいます。
ところでこれはネタバレになるので書けないのですが、立派な反戦映画です。残虐な映像はないのに、イメージの中で拡がってしまったコワサは深く私の中に入り込んでしまいました。
かなり感動。。
返信する
静かだけど (☆kino)
2007-02-19 00:13:00
>Cartoucheさん
静かだけど、圧倒的な力で迫ってくる、告白シーンは
ほんと、映像はなくても雄弁でした。
惜しいのは邦題・・・ほんとにねぇ。
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・・・。 (lokki)
2007-02-22 08:04:28
なんだろ?私もうまく言葉にできませんでした。
それはきっと反戦という背景を十分に分かって
いないのに無責任な言葉は並べられないというか。。
それだけ、ドスンときました。
返信する
平和な世界 (☆kino)
2007-02-23 07:54:58
>lokkiちゃん
つくづく、自分はなんて平和な世界で お気楽に
生きてるんだろう、って思います。
その幸せを大事にしないと。
静かだけど重い重い映画でした。
返信する
重いけど (iruka)
2007-03-04 07:00:49
救いもありましたね。
彼女は強い女性(ひと)ですね。
でも支えは必要。
あのような事は実際にあったのですよね。きっと。
新聞で読んだことが、少しずつ記憶の中よみがえってきます。
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救い (☆kino)
2007-03-06 07:59:06
>irukaさん
暗くて重いだけじゃないところが良いですね。
あのような体験を秘めて生きていくことは
想像できないくらいに辛いことでしょうが
幸せな未来がありますように・・・。
返信する
わたしんも秘密があります (mさと)
2007-03-22 21:00:18
人生のなかで、みなそれぞれ、過ちはあると思います。ただ、それが失敗だったのではなく、今の自分を生むきっかけだったのなら。。

そんな、書き出しで、回顧録を書いてみたくなるのはもう少し、先のことだろうなぁ。。(^^ゞ

過ちでなかった、自分の本当の進むべきだった道も、いつか覗いてみたくなります。
返信する
タイトル。。(T.T) (mさと)
2007-03-22 21:02:12
小さいキーボードで打ってるので。。
「わたしにも。。」に訂正しておいてくださいね。(^^ゞ
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