目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「うそうそ」 畠中恵

2006年06月12日 | 読書
これまた私の大好きな物語「しゃばけ」シリーズの最新刊が出ました。

「うそうそ」 (畠中恵・新潮社)

江戸の廻船・薬種問屋の超病弱お坊ちゃん。
心優しく頭のいいお坊ちゃんの秘密は、人ならぬものたちの姿が
見えること・・・。坊ちゃんを甘やかし、異常なまでに世話を焼く
手代の”兄や”たちも、白沢と犬神という妖(あやかし)。
坊ちゃんが、そんな不思議なものたちの力を借りて、
事件を解決していくシリーズ、第5弾です。

前作「おまけのこ」の紹介は → コチラ

さて、今回のタイトル、”うそうそ”の意味は、
”たずねまわるさま。きょろきょろ。うろうろ”(江戸語辞典)だそうで、
そのタイトルの通り、お坊ちゃんが、生まれて初めての
湯治の旅に出ます!
しかし、その旅も、しょっぱなから佐助、仁吉の姿が見えなくなる
という波乱含み。
おまけに、絶え間ない地震が起こるわ、山中で襲ってくるのは
天狗だわ、謎の女の子は登場するわ・・・

ちょっと風に当たるだけで 熱を出してしまうような坊ちゃんが、
兄やたち抜きに、無事 箱根の湯にたどり着けるのでしょうか・・・。

いつもは短編集なのですが、本作は久しぶりの長編。
おなじみのメンバー、佐助&仁吉コンビ、屏風のぞき、鳴家たちの
活躍は少ないのですが、今回も ほのぼの、そしてちょっと切なく
しんみりと あっという間に読めます。

恐ろしいもののように思われている妖たちや神々よりも、
もっと恐ろしく不可解な人間の心。
誰もが自分可愛さに人のことを顧みなくなってしまう。
そんな世界の中で 自分の存在価値とは?
思い悩む無力な自分。

いつの世も変らないような 心の奥にひそむ
悪意や欲、善意といったものを ほのぼのと、
やさしく描き出すこのシリーズ、大好きです。
「しゃばけ」「ぬしさまへ」は文庫も出ているので
(新潮社文庫) お目に留まったら読んでみてください。

今回は外に飛び出すことで 新たな展開が楽しめて、
はらはらと楽しむことが出来ました。
ガテン系な新キャラや、印籠の”つくも神”のお獅子など、
また登場してくれたら良いのになぁ。
そして、坊ちゃんには、一人前に成長して欲しいような
そのままでいて欲しいような・・・。

カバーイラストの折り返し部分(左端)に 
私のお気に入りの仁吉がいたので、ひろげて撮ってみました。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほのぼのですね! (☆kino)
2006-06-17 14:35:24
>チェブさん

あ、ファンの方いらっしゃいましたか!嬉しい。

子供向けじゃないんだけど、可愛らしいお話で

キャラがすごくいいんですよ~。



>あぷりこっとさん

コメントありがとうございます。

「あかんべぇ」まだ読めていませんが、

今度図書館で借りてみます!
返信する
来ちゃいました。 (あぷりこっと)
2006-06-13 21:38:57
来ちゃいました。

拙ブログにコメント&TBありがとうございました!



「おまけのこ」のコメントで、『あかんべぇ』の事が書かれてありましたが…。

すごくイイですよ!ちょっと厚いんですが、あっという間に読めます。

小さな女の子の視点で描かれるんですが、切なくてホロリとしたり大人の汚さにドキッとしたり。

最後には救いがあるので、ホッとします。

オススメです、でも文庫が出てないんですよね…。
返信する
面白そう。 (チェブ)
2006-06-13 10:41:49
先輩も好きみたいで

「買いに行かなきゃ!」って言ってまいた。

若旦那の のほほ~ん とした顔がいいですね。

仁吉も気になるし、私も読んでみまーす。
返信する

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