ありえない？「シモーヌ」

「シモーヌ」 S1M0NE　
2002年・アンドリュー・ニコル監督　アル・パチーノ主演
ちょっと前の映画ですが、見逃していたのでWOWOWで見ました。

10年間ヒットなしの落ち目の監督（アル・パチーノ）が、
ワガママ女優（ウィノナ・ライダー）や元妻であるプロデューサーを
相手に苦戦していた時、手にした一枚のディスク。
そして数ヶ月後・・・拍手喝采とともに　華々しくスクリーンデビューを
飾った完璧な新人女優"シモーヌ"は・・・フルCGだった！
（１と０の配列でできているSIMONE。名前の由来もナルホド。）

ありえないですよねー、こんなにうまくコトが運ぶなんて。
でも、だまされちゃうんです。謎に包まれた美女シモーヌに
みんな夢中。監督ってば、真相を公表するタイミングを失って、
どんどんドツボにハマっていきます。
雑誌の表紙に登場するわ、生放送でインタビュー受けるわ・・・
あの手この手を尽くして　シモーヌの秘密を守ろうと四苦八苦する
アル・パチーノ。笑える。

まるで　裸の王様みたいに、みんなが”素晴らしい”と言えば、
実態は見えなくても調子を合わせてしまう悲しさ。
シモーヌをいくら破滅させようとしても　祭り上げられた偶像は
創造主の手の届かないところまでいってしまう・・・。

一体どんな形で終焉を迎えるのかと　ドキドキワクワクしてしまいました。
バカバカしいと思いながらも　楽しめた私は、
将来こんなフルCGの俳優が出てきたら、きっと騙されてる一人だろうな。
映画ギョーカイの裏側もちょっと覗けて面白かったです。

監督・脚本のアンドリュー・ニコルは「ガタカ」、
脚本の「トゥルーマンショー」「ターミナル」とも好きです。
ありえないファンタジーで、”キレイにまとまってる”感のある
映画だけど、こういうの、好きです。映像も綺麗です。
シモーヌ役のレイチェル・ロバーツは監督のアンドリュー・ニコルと
結婚したんですねー。なんかびっくり。

あ、そうそう、「奥さまは魔女」のチビッコ・トムこと（？）
ジェイソン・シュワルツマンも、雑誌カメラマン役で出てました。
スクープ記者ともども　いい味だしてたよ（笑）