「ホテル・ルワンダ」 無関心という罪

昨年のアカデミー賞　主演男優賞、助演女優賞、脚本賞にノミネートされ
高い評価を受けていたにもかかわらず、日本公開のめどが立たなかった映画。
公開を求めるネットでの活動が功を奏して　やっと上映という
いきさつアリ。

私も早く観たいと思いつつ、終了間際になってしまい、あわてて行きました。
しかし、大阪では　ミニシアター２館での上映。
梅田では朝の２回だけ。連日盛況の様子です。
さらに今日は映画の日ということもあり、私は１回目の上映に
ちょっと間に合わず、２時間後の次の上映のチケットを買ったところ、
その時点で　定員ギリギリ！あぶなかったー。
立ち見も出る満員御礼状態でした。

1994年、アフリカ、ルワンダでのフツ族とツチ族の紛争が激化。
ついには、ツチ族大虐殺が始まる・・・
そんな中で、1200人以上の命を救った　フツ族のホテル支配人、
ポール・ルセサバギナを描いた、実話に基づく映画。

ご多分に洩れず、私もこの事件のことは知りませんでした。
”政治や歴史や宗教には　疎くて・・・”なんていう
いつもの言い訳も、この映画に関しては　本当に恥ずかしく、
良心の呵責と罪の意識さえ感じてしまう・・・。

この映画を観た誰もが印象に残るであろう、白人記者の台詞。

「世界中の人は、この映像を見ても、”ああ　なんて恐ろしい”
と言うだけで　食事を続けるのさ」　

・・・ほんとにそうかもしれません。

この映画を見ていくらショックを受けても、何をしていいのかわからない。
キレイ事言っても、これは遠い国の出来事で、自分は平和な日々を
過ごしていることを　ありがたいと感じるだけ。

でも、何も知らないより、せめて知ることができてよかったと思う。
実際は何をしていいのかわからない。何ができるのかわからない。
でも、何かできる機会に遭遇した時（それが具体的に何なのか
今の私にはわからない）　行動に移せるかもしれないから。
ホワイト・バンドだってそうでしょう？
直接　何かの役に立つわけでもないけど、その意識を持つこと、
どうしたら世の中を変えていくことができるんだろう？と
考える気持ちを持つことだけでも　すこし前向きになれるのだと・・・
思いたい。
私も、もっと新聞読んで、本も読んで、世の中のことを学ぼう。

ドン・チードルよかったですね！
どんな苦境でも、ピシっとスーツを着て、一流ホテルの名に恥じないよう
仕事をこなすホテル支配人。
その彼が　ネクタイを結べないシーンは　とても印象的でした。

パンフレットで町山さんも書いてたけど、この役、デンゼル・ワシントンが
似合いそうなんですよね。
でも、デンゼルだと、かっこよすぎる。
絶対に彼が皆を助けてくれると確信できてしまう。

そのてん、ドン・チードルは　ぜんぜん強そうじゃないし、ヒーローっぽくない。
でも、勇気と強い意志と愛情、行動力と、頭のよさで巨大な波に
立ち向かっていくのです・・・かっこいい！
「ダイヤモンド・イン・パラダイス」の　どうでもいいような役を
やってた俳優さんとは思えません。

国連軍大佐役のニック・ノルティを観た時、
”あっ、この人、すごい悪人ちゃうかー？”と思ったのですが、
ゴメン！　立派な人でした。

この映画、観ることができてよかったと思います。
もっとたくさんの人が観られればいいのに。
この映画は日本ではあたらないと考えてた　日本の映画関係の人、
映画好きを甘くみるなよ！