目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「森に眠る魚」 角田光代

2011年02月14日 | 読書
子供が起きている間はテレビが観られないので
相変わらず映画はなかなか観られない・・・。

本の感想すら書けてませんが。
「悪の教典」「漂砂のうたう」「龍馬史」「聖夜」
「だれが産むか」「八日目の蝉」等も読みました。

イッキ読みしてしまったのが
「森に眠る魚」(角田光代 双葉社)

同じ街に住み、同じ年頃の小さな子供を持つことから
親しくなった5人の母親たち。
しかし、”お受験”を意識し始めたことから
壊れていく5人の関係、家庭、心・・・。

いわゆる”ママ友”の話。

この人とは似ている気がする。
分かり合える親しい友達になれる気がする。
はじめはそう思っていたはずなのに、
些細なことから気持ちの溝が深まっていく様子が
リアルにいやらしく描かれています。
共感する部分もたくさんあって少し怖いくらい。

大人になると、知り合いや仕事の仲間はできても
新しい友達ってなかなかできないし、
改まって”友達ね”って確認しあうこともない。

でも、子育てという未知の領域に足を踏み入れた時
とても心細く、不安や悩みもたくさんあって、
誰かに相談したい、助けて欲しい、
同じ悩みを分かち合いたい、と思うようになるんだと思う。
だから、”ママ友”が欲しくなる。

”友達”じゃなくて”ママ友”。
子供がいなかったら友達になることなんて
なかったような人でも、同じママなら友達になれる??

でも、それまでの人生や生活環境や考え方や年齢の
違う女性たちが”子供"という共通項だけで
グループ化するのって、無理があるよねぇ??

私の母親の世代には”ママ友”なんて言葉はなくて
友達の親と親しく付き合ってなんかなかった。
参観日に顔をあわせたら世間話するくらいで。
それでも子供は普通に育った。

あの頃と今では何が違うというんだろう。

ママ友付き合い、私だって正直、面倒くさいです。
もともとどっちかというと人見知りだし
おしゃべり好きでもないし、
高齢出産で浮いてるし(笑)
それでも若いママたちとお付き合いするのは、
ひとえに子供のため。
友達ができなかったらかわいそう
仲間はずれになったらどうしよう
・・・あれ?
それって子供のためじゃなくて自分のため?

1人になるのが怖いから?
自分だけ間違った(?何をもって間違ったというのか???)
子育てをしていないか 確認して安心するため?

周りに流されないということが
こんなにも難しいなんて。

伊藤理佐さんが描いていたと思うんだけど
独身の人は既婚者を羨ましいと思い
既婚者は子供のいる人を羨ましいと思い
子供が1人しかいない人は2人いる人を羨ましいと思い
というふうに、いつまでたっても
人をうらやんでばかりなのって、なんだかなぁ・・。

結局、人生にゴールはないんだよね。
でも、暗い森には足を踏み入れてはいけない。
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2 コメント

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ほんとに怖い (カオリ)
2011-02-22 18:11:00
やっかみとか、人を羨む気持ちって、持たないようにしようと思っても、ついつい心の片隅に浮かんできますよね。
ほんとにこの作品は怖かった。自分がここに登場する5人のうちのひとりになってしまう可能性って大ありだなぁと思ったので。

子育て真っ最中だと、さらにリアリティあるんだろうなぁーと、自分が子育て中だったらと想像しただけで泣けてきたワタシは思いました。
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まさに! (kino)
2011-02-23 01:37:45
>カオリさん
まさにこの登場人物たちと同じような子育て時代の私にとっては、
お受験はないけど、怖いくらいにリアルでした。
5人のそれぞれに自分を感じてしまう部分があり
いつかこうなってしまうのでは???と思うくらい。
角田さんすごい!と思った小説でした。怖かった。
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