あ…
今、はがきって63円だったんだ。
普通の封書25g以下は84円だったんだ。
50g以下は94円だったんだ。
値上げの報を読んで、今の値段を知った。
ポストに郵便物を入れないわけじゃないけど、全部、返信用に同封されてきたはがきや封書。
行に斜線を引いて御中に変えればそれでいいやつ。
最後に自分で切手やはがきを買ったのはいったいどのくらい前になるんだろ?
年賀状、というか、年賀はがきだって出してない。
はがきは50円で封書は80円だった気がする。
元々字が下手くそで書くのが苦手だった。
ワープロが出てきた時には真っ先に飛びついた。
電子メールの出現は本当に嬉しかった。ただ、当初は電子メールでやり取りできる相手がほとんどいなかった。
私はボッチな上に筆不精だから早かったけど、いつの間にかそれが主流になっていたんだ。
そりゃ、ま、スピードも手軽さも何もかも、当たり前の成り行きだわな。
北海道から沖縄まで同じ料金ではがきを届けることができるのが誇りなんだとおっしゃった郵政関係の方がおられた。
若い上に酔っていたせいか、ふと浮かんだ情景があった。
何もかも失って飢えて凍えて野垂死の予感の中、あちこちまさぐってかき集めた最後の所持金とちびた鉛筆を確認して郵便局へ向かう。
はがきを1枚買って震えながらたどたどしく書きポストへ入れて、その場で息絶える。
亡骸にはほろほろと雪が積もる。
はがきはブッソウゲ咲くとある家へ配達された。
そこには、謝意と別れの言葉が記されていた。
消印が行方知れずだった家族の消息伝えていたのだった。
なんて物語は、電子メールでは、ありそうもないことだけは事実だ。
ん。
母に年賀状を書いてみようかな。
一度失われたシステムを再構築するのは容易ではない。
もし電子メールが使えない何かがおきたらとおもわぬでもないけど、それもまたそれ。