今日は晴れるのかと思っていたのだけど銀座線の新橋駅から地上に出たらすっかりと雲っていた。
銀座の資生堂ギャラリーへ。





18th shiseido art egg 開催中。
シセイドウアートエッグは、2006年に始まった公募プログラム。
新進アーティストによる「新しい美の発見と創造」を応援する。
18回の今回は、応募総数291の中から、大東忍・すずえり・平田尚也の三名が選ばれた。
4月16日~5月18日はすずえり(鈴木英倫子)展。
「Any girl can be glamorous」。






すずえりは神奈川県生まれ。東京都在住。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。東京藝術大学大学院情報学環・学際情報学府先端表現情報コース在籍。
すずえりは、ピアノや自作の電子回路を連動させた装置を用いたインスタレーションや即興演奏を手がけ、音やそれを媒介する通信技術の表象に物語性を見いだそうしている。という。
今回の展覧会ですずえりが焦点をあてたのは、ヘディ・ラマ―(1914~2000)。
ヘディ・ラマ―は発明家でありハリウッド女優。
Wi-FiやBluetoothやGPSなどの通信技術の礎を開発した女性。
すずえりは、コロナ禍でオンラインを介した即興演奏演奏をすることが何度かあったという。
その活動の中で、すずえりはインターネットというインフラを支える技術の礎を築いた二人の存在を知ったという。
20世紀初頭のアバンギャルド作曲家でありピアニストであったジョージ・アンタイルと、ハリウッド女優のヘディ・ラマ―。
Wi-FiやBluetoothやGPSなどの通信技術は、二人が1941年に特許をとった魚雷制御のための暗号通信システムがベースになっている。
ヘディ・ラマ―は、5歳の頃すでにオルゴールを分解し、また寸分も違わずに組み立てていたという天才少女。
しかもこの美貌。



すずえりは、しかし、彼女の映画を観たり評伝などを読みうちに、多かれ少なかれ女性が直面する「年齢」「容姿」「社会的評価」の問題が見え隠れすることに気が付いたという。
ヘディ・ラマ―はウィーンで生まれたユダヤ人。初めての結婚は武器製造業の富豪。その後その夫とオーストリアから逃げてハリウッドに渡り、英語を覚え、ダイエット(美容整形も?)し、いづれも富豪の6人の男性と結婚離婚を繰り返し3人の子供を産み、20本以上の映画に出演したという。
50を過ぎてから万引きを繰り返すようになり、整形手術を繰り返し、薬物にも蝕まれ、晩年はホテルに引きこもり、85でフロリダで死んだという。
電球はただのインスタレーションではない。

それぞれの電球から物語が流れてくるのだ。



















「Any girl can be glamorous」は、ヘディ・ラマ―の言葉からとっているという。
Any girl can be glamorous. All you have to do is stand still and look stupid.
誰だって魅力的な女の子になれるの。バカなふりして立ってればいいの。
すごいな。
すごい。
・・・
しかし、もしかして、これからは複雑怪奇になっていきそうな気もする。
今後のすずえりに注目。
