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君は知っているか むしまるソングのことを

その昔NHK教育テレビで放送された子供番組、『むしまるQ』で展開された名曲パロディの数々。

チョウの来た道

2016-01-31 15:56:39 | むしまるQ むしむし編

<むしまるQ むしむし編 その13>
チョウの来た道  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/佐橋俊彦  歌/堀江美都子

 チョウの中には、渡り鳥のように何千キロも渡りを行うものがいます。代表的なのは、北米と中南米を行き来するオオカバマダラ、欧州とアフリカの間を旅するヒメアカタテハ、そして日本を含む東アジアを中心に生息するアサギマダラです。日本本土にいるアサギマダラの多くは、秋に南西諸島・台湾に渡りを行うそうです。

 こうした渡りチョウが渡り鳥と異なるのは、同じ一つの個体が南下・北上を繰り返すのではなく、世代をまたがって渡りを行うということです。オオカバマダラの例で言うと、8月頃に北米中部で羽化した個体がカリフォルニアからメキシコにかけての地域に南下し、越冬する。その後、春から夏にかけて世代交代を繰り返しながら北上し北米中部に至る、というサイクルが観察されているそうです。南下する世代は、北上する世代よりも寿命が長いのだそうです。不思議ですね。

 『チョウの来た道』は、世代を越えて繰り広げられるオオカバマダラの渡りをテーマにした曲で、雄大なオーケストレーションのロマンあふれる曲です。このクラシック風の曲は、冨田勲作曲の『ジャングル大帝のテーマ』を下敷きに作られたものでしょう。

 ジャングル大帝の主人公白いライオンのレオは、子供のころ悪い人間につかまって動物園に売られそうになります。ロンドンに向かう船からなんとか脱出したレオは、故郷アフリカに向かって海を泳いで渡るのですが、その時道を教えてくれたのがアフリカへ渡るチョウの群れ(作品ではマダラチョウとなっていますが、ヒメアカタテハということになりますね)。物語序盤の名場面です。

 オオカバマダラの話だけでも感動的なのにジャングル大帝のエピソードも重ねてイメージさせるとは、もうこの歌は涙なしには聴けません。


サナギのきもち

2016-01-30 11:20:15 | むしまるQ むしむし編

<むしまるQ むしむし編 その12>
サナギのきもち  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/小杉保夫  歌/田中真弓  お囃子/SANAGI オールスターズ

 イモムシロックの後日譚です。バンドでならしていたイモムシや毛ムシたちも次々とサナギとなり、丸まって固まってしまいました。サナギの中には何がある?チョウチョが出るのかガになるか、輝く未来か苦難の連続か、サいごにナるまでギもんです。といった内容が、歌われています。成虫になる時にまったく姿かたちを変えてしまう、完全変態の昆虫の生態を歌った歌です。

 メロディは歌謡曲っぽいのですが、リズムにサンバを取り入れたにぎやかなラテンロック。初期のサザンオールスターズですね。デビューシングル『勝手にシンドバッド』や2枚目シングル『気分しだいで責めないで』あたりのイメージです。曲のクレジットでばらしてますもの。「お囃子/SANAGI オールスターズ」って。


ケンカだケンカだ

2016-01-27 20:55:30 | むしまるQ むしむし編

<むしまるQ むしむし編 その11>
ケンカだケンカだ  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/つのごうじ  歌/チャイルド・ビート

 軽快なラップに乗せて歌われる内容は、「緑の毛虫と黄色の毛虫がケンカしてる。原因は、真っ赤な毛虫がどっちのことを好きかということなんだけど、真っ赤な毛虫は両方が好き。ケンカって結局、君も僕も君を好きってことなんだ。」

 最初はラップの曲で元ネタっぽいのはないか、と考えていたのですが、なかなか見つかりません。そのうちハッと気づいたのは、毛虫たちのキャラ設定です。派手な色がトレードマークで、普段はケンカばかりしているが本当は仲が良い奴らって、ミュータント・タートルズ? 

 正確にはティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズという彼らは、リーダーのレオナルドは青い鉢巻、ラファエロは赤い鉢巻、ミケランジェロは橙色の鉢巻、ドナテロは紫の鉢巻をしています。一緒に悪と戦う仲間なのですが、一匹一匹性格がまるで異なり、普段はケンカばかりしています。アメコミ、アニメで世界的に人気を博したミュータント・タートルズは、1990年アメリカで実写映画化され、日本でも1991年に公開されました。この映画『ミュータント・タートルズ』の音楽が M.C.ハマーの主題歌をはじめ、全編ラップミュージックなのです。

 『ケンカだケンカだ』は映画『ミュータント・タートルズ』の世界観を元ネタに、毛虫の仲間にはいろんな色をしたのがいるんだよ、ということを歌ったのではないでしょうか。曲としても、『ミュータント・タートルズ』のサントラに入っているM.C.ハマーの『ジス・イズ・ホワット・ウィ・ドゥ』とかハイ・テック・3の『スピン・ザット・ホイール』などの雰囲気をうまく取り入れているように思います。


VIVA KATATSUMURI~ビバ、カタツムーリ!~

2016-01-24 11:20:14 | むしまるQ むしむし編

<むしまるQ むしむし編 その10>
VIVA KATATSUMURI~ビバ、カタツムーリ!~  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/つのごうじ  歌/北川浩

 「ビバ、カタツムーリ!」という掛け声からはじまる、サンバ風の曲です。なぜサンバかというと、「ないしょだけどボクら 3倍もスピード出るのさ 雨の日は ビバ!サンバイ!」。3倍だからサンバというダジャレですね。スピード3倍ということで、機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルをイメージする人は多いと思います。

 この曲のネタ元はバンザイ(Banzaii)の1976年のヒット曲、『ビバ・アメリカ』ですね。といっても、似ているのは最初に「ビバ・アメーリカ」という掛け声で曲がはじまるところと全編を通じてやたらに掛け声やセリフが多い、というところくらいですけど。バンザイはフランスのスタジオミュージシャンが集まったグループで、当時ディスコ・サウンドが大ブームとなる中、日本で『ビバ・アメリカ』を大ヒットさせました。

 ところで、私はこの歌のビデオクリップは未見なのですが、バンパイヤみたいなのが出ていたとか、むしむしQの最初のころは歌のコーナーはソウルバンパイヤというタイトルでドラキュラがMCをしていたとかいう情報もありました。これは、『ソウル・ドラキュラ』をネタにしている可能性が高いかも。この曲も「ソウル・ドラキュラ ハッハッハッハ」というセリフからはじまるディスコ・サウンドの大ヒット曲で、フランスのスタジオミュージシャン出身のホット・ブラッドというグループが演奏していました。


カラオケ・オケラのカラオケラ

2016-01-23 15:32:41 | むしまるQ むしむし編

<むしまるQ むしむし編 その9>
カラオケ・オケラのカラオケラ  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/つのごうじ  歌/三石琴乃

 ケラ、俗称オケラは土の中で暮らしている、バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・ケラ科に属する昆虫です。コオロギの仲間ですから、翅をすり合わせて鳴くんですね。知らなかった。昔の人も、地中から聞こえるオケラの鳴き声をミミズの鳴き声だと思っていたそうです。どんな鳴き声かというと・・・この歌をじっくり聞いて下さい。途中からジーーーという連続音が聞こえてきます。これがオケラの鳴き声です。クツワムシとどちらが良い声をしていますかね。

 曲調は、盆踊りに合いそうなにぎやかな音頭です。締めのフレーズが「カラオケ・オケラのカラオケラ」。これは、アニメ『オバケのQ太郎』のテーマソング、『オバQ音頭』を元ネタにしていると思います。『オバQ音頭』の締めのフレーズは「オバケラ オバケラ バケラッター バケラッターのクールクル」。オケラは鳴くからカラオケオケラ、と思いついた時に、オバケラオバケラがひらめいたのでしょう。

 ベースが決まればあとはトッピング。間奏に入る「あビバ!」という合いの手はドリフターズの『いい湯だな』、エンディングの「チュチュンがチュン」は『電線音頭』と、60年代~70年代の小ネタを投入しています。 

 蛇足ですが、1番の歌詞で「オケラはショックで土の中 穴掘って貝になって歌ったよ」の「貝になって」という意味がわからなかったのでビデオクリップで確かめてみたら、二枚貝のカラをパタンと閉じてその中で歌っていました。貝のカラの中で歌っているのでカラオケというシャレですね。