goo blog サービス終了のお知らせ 

君は知っているか むしまるソングのことを

その昔NHK教育テレビで放送された子供番組、『むしまるQ』で展開された名曲パロディの数々。

<番外編>メディアの盛衰とスターの悲劇

2016-07-18 09:56:30 | むしまるQゴールド 2002年度

 バグルスのデビュー曲、『ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)』(1979年)は、テレビやVTRといった映像メディアに取り残されていったラジオ・スターの悲しみについて歌った曲です。こうしたメディアの盛衰は、新しい時代の寵児を生み出す反面、どんなスーパー・スターであってもまたたく間に忘却に追いやってしまう残酷な一面も持っています。そのため、これまでにもいろいろな作品がメディアの盛衰による悲喜劇を描いてきました。

 例えば、サイレント映画からトーキーへ移行する映画界を舞台にした映画には、忘れられていくサイレント女優の悲劇を描いた『サンセット大通り』(1950年)や、吹き替え担当の女優をスターに押し上げるまでをコメディタッチで描いたミュージカル『雨に唄えば』(1952年)などがあります。
 ラジオというメディアそのものへのオマージュを歌ったのはクイーンの『レディオ・ガ・ガ (Radio Ga Ga)』(1984年)。 レディー・ガガの名前はここから来ています。

 ところで、『ラジオ・スターの悲劇』のビデオクリップは、MTVが開局して放送された最初のミュージック・ビデオだそうで、その後のミュージック・ビデオ全盛時代のきっかけとなった曲でもあります。斬新なエレクトリック・ポップで、そして歌のテーマがメディアの盛衰とスターの悲劇ですから、新しいメディアの誕生にぴったりですね。


ハムスターのひげき(別名:ハムスターったらハムスター)

2016-07-16 06:58:04 | むしまるQゴールド 2002年度

<むしまるQゴールド 味わいの2002年度 その3>
ハムスターのひげき(別名:ハムスターったらハムスター)  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/堀井勝美  歌/千葉繁&ハムスターズ

 『ハムスターのひげき』は、子供にも大人にも人気のハムスターだけど、実はペット生活はけっこうストレスフルなんだよ、てな歌です。

 元歌はバグルス1979年のヒット曲、『ラジオ・スターの悲劇』(原題『Video Killed the Radio Star』)。1950年代、テレビの時代に取り残されていくラジオの人気者の悲哀を歌っています。というわけで、ビデオクリップ冒頭にはテレビに映ったハムスターが登場します。

 「こきょうは シリアの さばくだって だれかの おじいちゃんから きいた」。

 ペットとして流通しているハムスターはゴールデンハムスター(別名シリアンハムスター)という種類で、実は野生のものはほとんど見つかっていない「幻の動物」だそうです。1930年にシリアで見つかった1匹のメスと12匹の子供の子孫が繁殖し広まったのが、現在世界中で飼育されているハムスターなのだそうです。びっくりですね。

 それにしても、千葉繁さんのハイテンション・ハイスピードの歌というか語りは、さすがです。アドリブも入ってるんでしょうか。


燃えよ!クチバシ~カモノハシへの道~

2016-07-13 06:38:13 | むしまるQゴールド 2002年度

<むしまるQゴールド 味わいの2002年度 その2>
燃えよ!クチバシ~カモノハシへの道~  作詞/亜蘭知子  作曲・編曲/西原俊次  歌/オージー・ケン・ジュエル(馬場健二郎)

 カモノハシは、オーストラリアに住む単孔目の哺乳類の中でも、とりわけ変わった特徴を持つ動物です。

 まず、哺乳類なのにクチバシがある!しかも、このクチバシは獲物の生態電流を感知する機能を持ったすぐれものです。次に、哺乳類なのに卵で生まれる!孵化してからはお乳で育ち、4か月ほどで独立するそうです。そして、オスの後ろ足には毒を持つ蹴爪があり、繁殖期間には毒の量が増えるのだそうです。

 う~ん、何とも変な、ストレンジなヤツです。ということで、元歌はビリー・ジョエルの『ストレンジャー』(1977年)。歌っているのはKenjiro(馬場健二郎)というシンガー・ソングライターの方ですが、オーストラリアとビリー・ジョエルをプラスしてオージー・ケン・ジュエル。

 歌詞は、カモノハシの父親が息子の稽古を見守る設定で書かれています。「息子よ よく聞け 何もおそれるな 流れる水と ひとつになるのだ」「カモノハシの子と 生まれたからには りっぱなクチバシ 使いこなすのだ」。

 何だか武道の師匠と弟子みたい。そして、『燃えよ!クチバシ』ときて、「Don't think, Feel! 感じるのだ」というセリフまである・・・。 ブルース・リー主演の名作カンフー映画、『燃えよドラゴン』(1973年)へのオマージュですね。

 『カモノハシへの道』ということで、映画『少林寺』(1982年)で僧侶たちが武道の稽古をするシーンも入れています。エンディングの、「ハッハッハッ ハッハ」という掛け声のところです。


あうんのドッグ

2016-07-09 07:48:30 | むしまるQゴールド 2002年度

<むしまるQゴールド 味わいの2002年度 その1>
あうんのドッグ  作詞/亜蘭知子  作曲・編曲/西原俊次  歌/岩本恭生

 『味わいの2002年度』です。この年の新曲は3曲だけなのですが、いずれもじっくりと味わい深い作品となっています。最初の曲は『あうんのドッグ』。

 犬たちは言葉はしゃべれないけど、おしっこやお尻のにおい、尻尾のふり方なんかでコミュニケーションできるんだよ、という内容を歌っています。阿吽の呼吸のコミュニケーションで、『あうんのドッグ』。なんか無理やり『ハウンド・ドッグ』(1956年)に持っていきたい気持ちがあふれています。

 エルヴィス・プレスリーとくればこの人、岩本恭生さん。しょっぱなから「ゆえんなつばら あうんのドッグ」と、ものまね名人芸全開です。

 この「ゆえんなつばら」というフレーズは、いわばそら耳界のクラシックみたいなもので、「You ain't nothing but a hound dog」という歌詞が「ゆえんなつばらハウンド・ドッグ」に聞こえると随分昔から言われていたようです。「湯煙夏原(ユエンナツバラ)」のことだというので、「湯煙りの 立つや夏原 狩の犬」といった俳句モドキまで人口に膾炙したとか。