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君は知っているか むしまるソングのことを

その昔NHK教育テレビで放送された子供番組、『むしまるQ』で展開された名曲パロディの数々。

大脱皮のテーマ

2016-08-24 07:02:40 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その7>

大脱皮のテーマ  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/堀井勝美  歌/なるちょ(鳴瀬喜博)、東京珍獣合唱隊(東京ホームコーラス)

 『輝きの2003年度』最後の曲です。ということは、これでおしまい、むしまるソングの大団円です。

 ラストソングに選ばれたのは、『大脱皮のテーマ』。「いま青春の脱皮のとき」を迎える生き物への応援歌です。「けっこう気楽にやってみたら なんとかなるちょ」ということで、なるちょがメイン・ヴォーカルで参加しています!曲の終わりの方のアドリブ風のセリフもけっこうサマになっていますね。

 元ネタは、映画『大脱走』(1963年)のテーマ・ソング、『大脱走マーチ』です。「レッツラゴー!」と大行進しています。でも、後半から曲調がガラリと変わり、口笛を吹きながら足取り軽く歩いて行く感じになります。

 ここからは、ボビー・マクファーリンの『ドントウォーリービーハッピー(Don't worry, be happy)』(1988年)へのオマージュですね。「オーレ! ゆこーぜ Good bye さいなら ドーヨ! アミーゴ Thank you おつかれ」。悩まずに、ハッピーにいこうというメッセージを下敷きに、むしまるソングの関係者と視聴者に別れのあいさつをしています。

 むしまるQのシリーズが放送されたのは、1995年4月から2004年3月までの9年間。いや、本当におつかれさまでした。


<番外編>キンクスが奏でる欧州のジャンプ

2016-08-20 07:18:42 | むしまるQゴールド 2003年度

 ヴァン・ヘイレンの『ジャンプ』は、1984年に発売された6枚目のアルバム『1984』に収録された、彼らの代表曲です。何でもできるシンセサイザーをあえてシンプルに使ったイントロが印象的ですね。

 この曲をベースにキンクスが作ったのが『 Down All the Days (Till 1992) 』(1989年)。シンセサイザーの使い方や曲全体のメロディやリズムの作り方は、元ネタの存在を隠すどころか、はっきりオマージュとして聞いてくれ、という意思を感じます。よく聞くと、イントロは元歌よりファンファーレっぽく高らかに演奏していますね。

 実は、『 Down All the Days (Till 1992) 』は、EU(欧州連合)統合に向けて進んで行くイギリスとヨーロッパへの賛歌として作られた曲なのです。EUは1992年のマーストリヒト条約調印をもって成立するのですが、これに向けての希望を歌い上げています。きっと当時は、イギリス国内にもこうした熱気があふれていたのでしょう。

 『ジャンプ』をベースにしたのは、特別な年1992年を印象付けるため『1984』を持ってきたということでしょう。もともと『1984』とはイギリスの作家ジョージ・オーウェルの有名な小説のタイトルであり、1949年に発表されて以来、未来社会の在り様を語る際には必ず言及されてきたキーワードでしたから。

 キンクスは1964年にデビューしたイギリスのバンドで、ビートルズ、ストーンズ、ザ・フーと並んでUK4大ロック・バンドとも言われた大物バンドです。彼らの3枚目のシングル、『ユー・リアリー・ガット・ミー』(1964年)は、歪んだ音のギター・リフをフィーチャーした、いわゆるロック・サウンドを初めて作り出した曲といわれています。

 1978年にアメリカで『ユー・リアリー・ガット・ミー』をカヴァーしデビューしたのがヴァン・ヘイレン。これがいきなりのスマッシュ・ヒットとなり、またたく間にスターへの道をかけ上ります。また、これがキンクスの再評価にもつながったわけで、キンクス側としても何らかの縁を感じていたかもしれません。『 Down All the Days (Till 1992) 』の元歌にしてもらって、ヴァン・ヘイレンもうれしかったのではないでしょうか。

 それにしても、『 Down All the Days (Till 1992) 』の作者であるキンクスのレイ・デイヴィスは、イギリスのEU離脱についてどう思っているのでしょう。ちょっと気になるところです。


マッコウクジラは潜水キング

2016-08-17 07:14:21 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その6>
マッコウクジラは潜水キング  作詞/亜蘭知子  作曲・編曲/西原俊次  歌/KATSUMI  演奏/江口・ヨンタナ・正祥&はい!万平連欧州旅行です。

 「はい!万平連欧州旅行です。」ですから、イエス、ヴァン・ヘイレン、ヨーロッパ、ジャーニーが元ネタです。

 イントロはヨーロッパの『ファイナル・カウントダウン』(1986年)、歌に入ってジャーニーの『セパレイト・ウェイズ』(1983年)、サビはイエスの『ロンリー・ハート』(1983年)を基にしています。間奏にヴァン・ヘイレンの『ジャンプ』(1984年)を入れ、3,2,1,ゼロと『ファイナル・カウントダウン』のカウントダウンを使っています。

 1番の歌詞では、マッコウクジラが大きな頭に詰まっている脳油を使って潜水したり浮上したりしていることを歌っています。2番の歌詞
「Separate ways 群れは ママと子クジラ Lonely Heart パパはひとり ジャーニー」が元歌を解くカギになっています。

 でも、こういう曲を作る時には、歌詞とメロディーのどちらが先にできるのかな?同時に進まないと難しいような・・・。

 


ドシラの歌

2016-08-13 06:52:39 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その5>
ドシラの歌  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/大森俊之  歌/堀江美都子、オカンズ

 元歌はミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の『ドレミの歌』。

 これまでのむしまるソングは、歌のテーマや歌詞のダジャレなどからネタになる曲をさがしていましたが、この曲の場合は『ドレミの歌』のパロディにするために長い名前の生き物をさがす、という逆転の発想で作られています。きっと、オガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシを歌った『じみへん』を作った時に思いついたのでしょう。

 歌われているのは、ドウガネチビマルトゲムシ、シシガシラキクザルガイ、(さかだちした)ローランドゴリラ、ソメワケササクレヤモリ、ファウストハマキチョッキリゾウムシ、ミツユビハナナガハリモグラ、レッサーパンダとレッサービークトホエールです。

 ラが苦しいのはご愛きょうですが、実は原曲でも「ラはソの次の音(La-a note to follow sew)」と大変苦しいピッチングをしております。

 歌の後半では、有名人の名前が次々と歌われます。「ドリス、ドミンゴ シラクにラシク ソフロニツキ ファンファン、ミンミン」です。

 シルエットを確認すると、女優・歌手のドリス・デイ、三大テノールのプラシド・ドミンゴ、フランス元大統領のジャック・シラク、プロレスラーのバロン・フォン・ラシク、ピアニストのヴラディーミル・ソフロニツキー、俳優の岡田真澄(愛称ファンファン)、サンダーバードに登場するミンミンですね。

 あれ?「レ」がない・・・。レッツ・ゴー3匹を出してくれたら最高だったのに。


キミチーター(ボクらはヒョウ)

2016-08-10 06:51:22 | むしまるQゴールド 2003年度

<むしまるQゴールド 輝きの2003年度 その4>
キミチーター(ボクらはヒョウ)  作詞/里乃塚玲央  作曲・編曲/堀井勝美  歌/川村万梨阿

 ひとりぼっちのチーターとヒョウの兄弟が出会い、仲よく遊んでおりました。でも、チーターは木登りができず木から落ちてしまいました。そのとき、兄さんヒョウが言いました。

 「キミチーター ボクらはヒョウ やっぱりそれぞれ いきてくみちが ちがうのさ」「さあいくんだ てきだとかんじるまえに」。

 なんて切ない歌なんだ。むしまるソングの中でも、うるうる度No.1ではないでしょうか。

 元歌はご存じABBAの『チキチータ』(1979年)。心が傷つき悲しみにくれるチキチータ(スペイン語で少女のこと)をやさしく励ます歌ですが、感傷的なメロディが心に響きます。