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近代短歌データベースを検索するだけのブログ 

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検索ワード「放送」

2022-10-20 01:55:41 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 12件


新しき年のはじめの朝めざめ生きとし生けるこころはげまむNHK放送
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1950, 1954


この夕べ心に迫る放送は小磯首相、山下大将、徳当蘇峰先生
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1945, [1945]
(注)徳当は恐らく徳富の誤り


親子夫婦居所たづねあふ放送をたまたま聞きてわがこころ暗し
窪田空穂 『丘陵地』, 1955, 1957


天皇の兵を観たまふ放送を家居にききてわが生いく
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1939, [1939]


夜毎に徐州戦より聞こえ来る放送のこゑは壕にて言ふか
斎藤茂吉 『寒雲』, 1938, 1940


上海からの空爆実感放送をききながら、心ひたひたと青空に触れる
前田夕暮 『烈風』, 1938, 1943


二階にてきけば野球の放送す老懶の耳飽くや飽くやと
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1948, 1954


宋美齢ほそき声して放送するを閨房のこゑのごとくに讃ふ
斎藤茂吉 『寒雲』, 1937, 1940


勝ちたりといふ放送に興奮し眠られざりし吾にあらずきや
斎藤茂吉 『白き山』, 1947, 1949


宋美齢は彼が夜床を忘れても虚偽放送をなすを忘れず
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1937, [1937]



検索ワード「多摩川」

2022-10-19 10:43:17 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 55件


多摩川の川瀨に育つ鯉うぐひ主人手づから洗ひとはしぬ : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957


多摩川に海よりのぼるうぐひ食ひ春を覺ゆと主人はわらふ : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957


多摩川原早瀬にうつる栂の木の春浅うして人うぐひ釣る : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949


うすがすむの山多摩川の淺瀨に鮎子まだのぼり來ず : 若山牧水 『砂丘』, 1914-1915, 1915


曉に光るいくつの魚と見ゆ多摩川の水まがりて行けば : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934 


多摩川の廣き河原の一つ瀨に人ひとりをり魚とるらしも : 窪田空穂 『鳥聲集』, 1915, 1916


水底の沙金ばかりの魚を得て人さかづきに放つ多摩川 : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934


多摩川の水あたたかき朝東風に若きうぐひす岩づたひすも : 佐佐木信綱 『新月』, 0000, 1912


多摩川の河原の砂に白き羽のこぼれて啼けば千鳥かなしき : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940


多摩川の調布へかよふ松山に百舌は隱れて石の槌打つ : 与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934


多摩川の河原の空に鳴くひばりはるけき聲を立ちてききたり : 太田水穂 『雲鳥』, 1919, 1922


多摩川の御嶽の雪がしら鷺に變るけしきをつくる三月 : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934


多摩川の烏啼、楓橋、寒山寺雛のきさきにまゐらせてまし : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934  


多摩川の船もてしたる普濟寺の古腰掛にあれば鐘鳴る : 与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934


多摩川の御嶽の溪に宿とればはるかならざり甲州の山 : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934  


多摩川にさらす調布さらさらに何ぞさらりと棄てて去りにし : 北原白秋 『夢殿』, 1927-1939, 1939


多摩川の岸の調布いにしへの遊女が家に遊女二三みゆ : 窪田空穂 『鳥聲集』, 1915, 1916


しら梅と奧の武蔵の多摩川を座に置くやよひ朔日の春 : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934


多摩川のひろき河原の石ぬらし、つめたく降るかこの秋の雨。 : 窪田空穂 『空穗歌集』, 0000, 1912


住宅街つきて耕地となり來たり春空ひろく多摩川ひかる : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957


かのをとめ顏の醜し多摩川にわか草つみに行かむとさそふ : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


五月雨が殘せる蔓か多摩川の蔓かかぼそき水沙を行く : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934


多摩川の冬の川原のさざれ石くぐれる水か枕には來る : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917


五月晴の海のやうなる多摩川や酒屋の旗や黍のかぜ : 与謝野晶子 『戀衣』, 0000, 1904


多摩川の渡瀬の砂の水を浅み山葵採るべき春ちかづきぬ : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949


多摩川のながれのかみにそへる路麥藁帽のおもき曇り日 : 若山牧水 『死か藝術か』, 1911-1912, 1912


殿が谷姥が谷みな若葉もて埋れたれども見ゆる多摩川 : 与謝野晶子 『草の夢』, 0000, 1922

多摩川の清く冷くやはらかき水のこころを誰に語らむ : 岡本かの子 『かろきねたみ』, 0000, 1912


降る雪に靑を引くのみ多摩川の杉のこずえも橋立のごと : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934


廣き河原うねりながれて多摩川は上つ瀨ひかり下つ瀨ひかる : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920


前山は黑部のものにあらねども多摩川似たりはらからのごと : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934


多摩川の關戸の秋の水越えてさび乙くなりぬ稻の中道 : 与謝野晶子 『心の遠景』, 0000, 1928


岡の上に登りて見れば多摩川や照れる春日に行き遙かなり : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920


多摩川の大橋のうへに見はるかす夜をほの白き大いなる靄 : 窪田空穂 『木草と共に』, 1961, 1964


多摩川やしろきいさごをゆく水のいろより細し笛の音色は : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940


行くべくばみちのくの山甲斐の山それもしかあれ今日は多摩川 : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917


多摩川の瀨の急なるに印ししぬ船せぬ人も身を省みよ : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934


多摩川を見おろす臺に大人が説く推移つばらに聽きほれしむる : 窪田空穂 『卓上の灯』, 1952, 1955


多摩川の七瀨の水の岩に觸り立つるひびきの聞きのさやけさ : 窪田空穂 『泉のほとり』, 1916-1917, 1918


何處にゆかむ山ことごとし海も憂し多摩川ぞひの冬木の中か : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917


多摩川の紅葉を見つつ行きしかば市の瀨村は散りて久しも : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1905, [1905]


かへるさは時雨となりぬ多摩川の川邊の宿に一夜寢しまに : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


多摩川に砂利あぐる音の風向をひと日きこえて寒あけずいまだ : 北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934


春あさく藍もうすらに多摩川のながれてありぬ憂しやひとりは : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


多摩川のあさきながれに石なげてあそべ
ば濡るるわがたもとかな : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふ人のあれかし : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


多摩川や秋さぶる野のをちかたにいざよふ浪のこころかもあはれ : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940


多摩川の瀨の音きこゆれわが見るはその實黃に照る柚子の繁樹ぞ : 窪田空穂 『泉のほとり』, 1916-1917, 1918


多摩川よ斯く來て砂によこたはるおとろへし身をいまだ知れリや : 若山牧水 『歌集未收録歌』, 1911, [1911]


何よりも白き河原と抱だき合ふ多摩川きよし三月の雪 : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934


月の夜は雲遠じろし野平を多摩川あたり森低み見ゆ : 北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934


多摩川原清き川瀬に採る砂のかがやき白しうち響きつつ : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949


八王子は雨かもふらむ我等來し奥多摩川の今日の秋よろし : 古泉千樫 『書簡にあらはれたる歌』, 1926, [1926]

検索ワード「魔」

2022-10-18 23:26:27 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 50件


彼ののこしし魔笛の第一版その他の楽譜免状など見つ
斎藤茂吉 『遠遊』, 1923, 1947


われならぬおのれをあまた持つことも魔の一人なるここちこそすれ
与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934


騾馬となり美くしき魔に駆られゆくわかき心のいたいたしさよ
北原白秋 『明治40年6月1日「明星」未歳6号』, 1907, [1907]


魔といひ神ともいひて花の如き美容に罪をみとめざる人
前田夕暮 『歌稿 靑あらし』, 1905, [1905]


おそろしき魔遣らふさまに君を云ひさびしき人は笑みてあるかな  
与謝野晶子 『夢之華』, 0000, 1906


消息の墨のしづくの散るものかささやかなれど魔の形して
与謝野晶子 『瑠璃光』, 0000, 1925


青白く霜降る朝に魔の目かとけうときものは何のおち葉ぞ
与謝野晶子 『流星の道』, 0000, 1924


うすぐもる鏡の中の青ざめし若き男をのろふ魔のこゑ
石川啄木 『明星 明治四十一年七月号(申歳第七号)』, 1908, [1908]


魔のささやきそれに似けらし我胸のもだえ心にふるさあるもの
前田夕暮 『はなふぶき』, 1904-1905, [1904-1905]


みいくさの艦の帆づなに錨づなに召せや千すぢの魔もからむ髪
山川登美子 『恋衣』, 0000, 1905  


耶蘇誕生会の宵に こぞり来る魔の声。少くも猫はわが腓吸ふ
釈迢空 『倭をぐな』, 1950, 1955


魔のまへに心くだきしよわき子と友のゆふべをゆびさしますな
与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901


飢ゑていま血なきに筆もちからなし人よ魔と書く文字ををしへね
山川登美子 『恋衣』, 0000, 1905


星の子のあまりによわし袂あげて魔にも鬼にも勝たんと云へな
与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901


魔に落つるこれは人かと神に似し力おほえてわが思ふ時
与謝野晶子 『常夏』, 0000, 1908


かかる世は魔とも生れて来なましをあか弱き子の誰にかよらむ
前田夕暮 『はなふぶき』, 1904-1905, [1904-1905]


百合の花わざと魔の手に折らせおきて拾ひて抱かぬ神のこころか : 与謝野晶子 『みだれ髪』, 0000, 1901

検索ワード「逃げる」

2022-10-18 10:51:51 | 検索するだけの人
検索ワード:  逃げ
ヒットした短歌: 128件


アキリーズ孤独になりて逃げむとす逃げてゆかむと彼おもひきや : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


眼をすゑてひとところのみみつめゐしその間に若さ逃げゆきにけり : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


ヨウクタウン中心にして白き尾を引き艦隊の逃げゐる写真 : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


思ふことみな逃げ行きしそのあとのわがあきらめの味なきこの頃 : 前田夕暮 『陰影』, 1911, 1912


もの借りて未だ返さぬその人の娘に似たり我は逃げにき : 石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]


花の中に抑へられたり鰻の児命懸けにて逃げにしものを : 北原白秋 『雲母集』, 0000, 1915


逃げざまにけけと羽ばたく唐丸のうしろ寒げやその朱の鶏冠 : 北原白秋 『昭和12年2月1日「日本短歌」6巻2号』, 1937, [1937]


逃げて行く家鴨の如く逃げて行く女を友よ思ひきれよかし : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


逃げて行くわれが逃げ行く冬の路物に追はれて小さく走れる : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


笹藪に雀戦ふ日の永さ一羽は逃げて椋のこずゑに : 北原白秋 『大正6年6月1日「文章世界」12巻6号』, 1917, [1917]


脚長蜂わが卓上の白桃に大き穴あけ逃げ去りにけり : 窪田空穂 『木草と共に』, 1960, 1964


東京に逃げて来りしその夜の悲しさ脳を病む少年の : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


道中に遊びゐる子もしづかにて、問へば逃げ散る 木屋瀬の町 : 釈迢空 『短歌拾遺』, 1945, [1945]


事あらば逃げよただにと公に定められたる老びと我か : 窪田空穂 『明闇』, 1941, 1945


水すまし針のごとくも逃げまはるその水面に涙を落す : 北原白秋 『明治45年1月1日「朱欒」2巻1号』, 1912, [1912]


馬追の逃げし小窓によりそひぬ空をながるる初秋の風 : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


沢の道に、ここだ逃げ散る蟹のむれ 踏みつぶしつつ、心むなしもよ : 釈迢空 『海やまのあひだ』, 1924, 1925


山ぎはの夕寒庭にのこりしか逃げたつ鳥のおとの大きさ : 中村憲吉 『軽雷集以後』, 1929, 1934


いつの間にわれ阿片をば服しけん雲騷しく山逃げて行く : 与謝野晶子 『草の夢』, 0000, 1922


病院の羊が庭に逃げ入りてとらはれし日の落葉のみだれ : 与謝野晶子 『流星の道』, 0000, 1924


逃げ去りしいくさの跡に亂れたる弓は弱弓矢は細矢にて : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1900, [1900]


教室の窓より逃げてただ一人かの城跡に寝にゆきしかな : 石川啄木 『曠野 明治四十三年十一月号(第九号)』, 1910, [1910]


道ゆけば若き女のあとおひて心われより逃げゆく日かな : 石川啄木 『東京毎日新聞明治四十三年三月四日』, 1910, [1910]


餌をやれば親鮒は逃げ子鮒どもわが手の下に群りてをる : 若山牧水 『黑松』, 1927, 1938


「覚めしとき夢は逃げたる」その夢を思ひてひとり長き路行く : 前田夕暮 『歌稿』, 1908, [1908]


固腹をづぶりと刺して逃げのびし男捕はれて来るとふ朝や : 斎藤茂吉 『あらたま』, 1913, 1921


金網のひびききらひて鼠らが逃げゆくなどと誰かいひたる : 斎藤茂吉 『曉紅』, 1936, 1940  


夜もすがらわれの体を襲ふ蚤朝くらがりにはやも逃げゆく : 斎藤茂吉 『小園』, 1945, 1949


宮島の島の浦わに伏す鹿を撫でんとすれば起きて逃げけり : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1899, [1904]


われ時に君を殺して国境に逃げなむとしき無事にいかりて : 石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]


寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚逃げてゆく真昼の光 : 北原白秋 『雲母集』, 0000, 1915


空間に魂逃げて去ぬるがにわが児おどろくまはだかなれば : 前田夕暮 『深林』, 1914, 1916


死なんとて蹈切近く來しときに汽車の煙をみて逃げ出しき : 萩原朔太郎 『短歌』, 1910, [1910]


泥鰌つかみ逃げゆく兄に追ひすがり泣聲立ててものいへり妹 : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920


要塞のあやふしと見るや總司令妻子を具して逃げ去りにけり : 窪田空穂 『明闇』, 1942, 1945


街とほく彼のもの音のきこゆるは今追はざれば逃げ行く如し : 中村憲吉 『馬鈴薯の花』, 1913, 1913


蘆山牯嶺の陣も陥ちたり逃げたるは三十二歳の指揮官楊遇春 : 斎藤茂吉 『寒雲』, 1939, 1940


ひらひらと青いなづまの逃げてゆく脚をば見たりそらの片隅 : 太田水穂 『流鶯』, 1944, 1947


みちのくへ逃げてゆくとふ少女子と話なくなり笛きけるかも : 島木赤彦 『切火』, 1913, 1915


日の本のますらたけをのをたけびに仇の砦は逃げて人もなし : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1900, [1900]

ゑひどれのわれに恐れて逃げてゆく雪つみわたす村のむく犬 : 若山牧水 『くろ土』, 1918, 1921


逃げぬをば何か親しく見てゐたり寒けき夜半に出でてをる鼠 : 若山牧水 『くろ土』, 1918, 1921


「海へかもはた山へかもとく逃げよ」そくそくとして不安ぞ来たる : 前田夕暮 『歌稿』, 1908, [1908]


汽車に乗りて逃げなむとする何物かわが神経を刺し乱すなり : 前田夕暮 『歌稿』, 1910, [1910]


白萩のしげみに逃げて苑の鹿やさしきまなざしわれにむかはぬ : 窪田空穂 『初期拾遺』, 1902, [1902]


夜逃げせる百姓のあり穫り收れを雨にもやめず急ぎたりと云ふ : 中村憲吉 『軽雷集以後』, 1930, 1934


をさなごは吾が病み臥せる枕ベの蜜柑を持ちて逃げ行かむとす : 斎藤茂吉 『ともしび』, 1927, 1950


アキリーズただひとつにて逃げゆくが蒼うなばらの中に小さし : 斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1942, [1942]


木ずゑあかるく降る日光をみてあればわが幸ひは逃げ行く如し : 前田夕暮 『歌稿』, 1912, [1912]


赤楝蛇みづをわたれるときのまはものより逃げむさまならなくに : 斎藤茂吉 『石泉』, 1931, 1951


世の中の樂しき時は犬もほえずゐのししも突かずねすみも逃げず : 島木赤彦 『短歌拾遺』, 1924, [1924]


まくら辺に子を坐らせて、/まじまじとその顔を見れば、/逃げてゆきしかな。 : 石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912


そこ通る女子とらへてはだかにせう、といふたれば皆逃げてけるかも : 北原白秋 『雀の卵』, 0000, 1921


ぬるときにいつもおもひし女の眼いつかいづくに逃げさりにけり : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


春がきたそこらあたりのものをみなかかへて走れ山を逃げいだせ : 前田夕暮 『歌稿 天然更新歌稿』, 1923, [1923]


架け滔に日がほのめけば刈り田より吹きて逃げゆく狹霧ぞあかるき : 中村憲吉 『補遺』, 1919-, [1919-]


カナリヤのつがひは逃げしとやの内に鶸のつかひを飼へど子生まず : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1900, [1904]


思ふことみな逃げゆきしそのあとのわがあきらめのさびしきこの頃 : 前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


逃げ行かずや。またしてもかかる疑ひをもて、小さき鳥、かあゆき鳥よ、汝を見まもる : 窪田空穂 『初期拾遺』, 1913, [1913]


大山のかうべを得んといひし九郞鳩、自かかうべ僅にもちて逃げし九郞鳩 : 伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1905, [1905]


きびしい督戦隊に射すくめられ射すくめられて逃げるすべさへ知らぬ : 前田夕暮 『烈風』, 1938, 1943


いさりするあまの妻子はやせにけりあはれうろくづよ逃げずもあらなん : 正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1892, [1892]



検索ワード「タヌキ」

2022-10-18 08:36:18 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 44件
検索ワード:  たぬき 狸

夕日照る谷ふところの桃のはな狸のこもり春闌けむとす : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


山里にひとり堪へたる淋しさを夜の狸の礫うつなり : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1898, [1904]


餅あげて狸を祭る古根紙の幟に春雨ぞふる : 正岡子規 『竹乃里歌』, 1898, [1904]


あはれとも毛竝艶だつ春いよよ狸の番小舎にくぐむか : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


小丹塗にいかしく浮けどおのづから沈むにつくる狸の泥船 : 中村憲吉 『財界諷詠』, 1922-1923, [1922-1923]


底なしの池に生ふるちふ狸藻は夏花咲けど秋見えずけり : 島木赤彦 『馬鈴薯の花以前』, 1904, [1904]


栖ごもるや疑ひやすくうつくしき春昼の狸ただち出て消ゆ : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


春の午女夫狸の面寄せて金網の戸に食めばけうとさ : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


土筆たんぽぽや春はゆたけき物腰の土に坐りて鼓うつか狸 : 北原白秋 『橡』, 1935-1937, 1943


葉の出でず狸の毛ほど赤ばめる木のつづきたる山にこしかな : 与謝野晶子 『心の遠景』, 0000, 1928