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検索ワード「 布団 」

2022-10-25 12:56:11 | 検索するだけの人
検索ワード: 布団 蒲団 ふとん
ヒットした短歌: 105件


命あれば海のなかなる島の家ふとん暖かに寢らくものか
島木赤彦 『切火』, 1914, 1915


をさな児はたたみし布団越えむとすいくたびにてもころがりながら
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1948, 1954


冬の日は短けれども椿の下白き布團のふくらめるかも
島木赤彦 『切火』, 1914, 1915


寂しくて布團ゆ上ゆ仰ぎ見る短日の陽は傾きにけり
島木赤彦 『氷魚』, 1916, 1920


いまだ夏布団の綿は日に干して雲よりも白く光りたりけり
北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934


うす暗き室のかたへにつまれたる蒲団さびしも日曜の朝
前田夕暮 『歌稿』, 1909, [1909]


山のやどの堅き布団に身をすぼめ朝の空を気にしつつ居り
斎藤茂吉 『たかはら』, 1930, 1950


勤めして宿直かなしもおのもおのもこれの布團をかうむりて寢る
古泉千樫 『靑牛集』, 1920, 1933


しづかなる昼の廓の裏の川あかき蒲団のうつりたる川
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910


相つぎて肺やむひとの出でにけりこれの布團をかづき寢しもの
古泉千樫 『靑牛集』, 1920, 1933


東京の十萬の人ひく感冒ぞ蒲團あたたかく肩つつみ寢む
窪田空穂 『冬日ざし』, 1938, 1941


白雲の蒲團の中につつまれてならんで寐たり女體男體
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1889, [1889]


わが寝たる蒲団たちまち石となり無限に広し動くあたはず
石川啄木 『明治四十一年歌稿ノート暇ナ時』, 1908, [1908]


急に涙が流れ落ちたり母上に裾からそっと蒲団をたたかれ
北原白秋 『花樫(雀の卵より)』, 0000, 1928


買ひきたりこよひかく着てぬる布團うりはなつ日はまたいつならむ
若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911


蒲團よりあらはれて見ゆる稻森の浴衣著し肩の寒からずやも
窪田空穂 『靑朽葉』, 1929, 1929


うつし身をいたはり馴れて山寺のかたき蒲團の寂しかりけり
古泉千樫 『靑牛集』, 1926, 1933


稻刈りてあらはになりし土の色蒲團かぶれば思ほゆるかも
島木赤彦 『短歌拾遺』, 1913, [1913]


わが妻がかけし蒲團の裾赤きあたりを輕くふみてみるかな
前田夕暮 『陰影』, 1912, 1912


運命の来て乗れるかと/うたがひぬ――/蒲団の重き夜半の寝覚めに。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912


隆吉の足に蒲団をのせたまふか勿体なしとははそはの母
北原白秋 『大正5年9月1日「文章世界」11巻9号』, 1916, [1916]


二人ぬる狭き蒲団に一人ねて今宵ぞ彼のわれをまつらむ
前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]


子がかけし蒲団のうへにはたはたの一疋青し夜があけてゐる
前田夕暮 『虹』, 1923, 1928


秋はあさい――蒲団から少しはみだしたわが子の、しろじろとした足のうら
前田夕暮 『靑樫は歌ふ』, 1936, 1940


ゴツゴツの蒲団かけて貰ひ、おやすみなさいといはれ、素直にねてしまふ
前田夕暮 『烈風』, 1938, 1943


菊の香のこもりてぬくき冬日向蒲団の綿はゆたにうちつつ
北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934


真夜中にふと目がさめて、/わけもなく泣きたくなりて、/蒲団をかぶれる。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912


蒲団かぶり涙ながるるくらやみに蝶々がいっぴき翅たたきてゐる
北原白秋 『大正5年9月1日「文章世界」11巻9号』, 1916, [1916]


かなしみの来て乘れるかと/うたがひぬ――/蒲団の重き夜半の寝覚めに。
石川啄木 『精神修養 明治四十四年四月号(第二巻第四号)』, 1911, [1911]


くれなゐの蒲團かさねし山駕籠に母と相乘る朝ざくらかな
与謝野晶子 『戀衣』, 0000, 1904


羽蒲団ふくらに髪もうもれゐぬ鵠の巣ともわかうどは見よ
北原白秋 『明治40年11月1日「明星」未歳11号』, 1907, [1907] 


あかりの下で、赤い蒲団に坐つて、近江の人の円い顔をみてゐた
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943


日ぐれ迄はまだわが知れり言ひつけて藥の蒲團を作らしめたる
中村憲吉 『しがらみ』, 1918, 1924


雪の夜に蒲団も無くて我が寝るを荒き板戸ゆ師の見ましけむ
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910


ねんねんよねんねがお守は何処へ行た子供のやうに蒲団をたたかれ
北原白秋 『大正5年5月1日「潮音」2巻5号』, 1916, [1916]


すつぽりと蒲団をかぶり、/足をちぢめ、/舌を出してみぬ、誰にともなしに。
石川啄木 『悲しき玩具』, 1909-1911, 1912


男女のことを題材にしているのは、与謝野鉄幹と正岡子規くらいだろうか。孤独や家族の歌が多い。今年は寒くなりそうで、家人が羽毛布団を買ってくると言っていた。



検索ワード「 義経 」

2022-10-25 07:12:00 | 検索するだけの人
検索ワード: 義経 弁慶 静御前 牛若丸
ヒットした短歌: 24件
 
 義経

義經が生前かぶりし金銀の鍬形の兜うるはしさ見よ
窪田空穂 『去年の雪』, 1966, 1967


義經が陣取りしてふ川中の島しろくと砂に日の射す
窪田空穂 『初期拾遺』, 1910, [1910]


義経の戦法今に伝はれば彼れの命終を吾は悲しむ
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1949, [1949]


義經を逃がせる關所下なるは木曾の冠者の西したる路
与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934


五十年前わが書きにける童話の書『源義經』刊行されむとや
窪田空穂 『去年の雪』, 1966, 1967


太刀跡の岩義經が裂きたるや杜鵑の聲が紋を殘すや
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942


義經は小兵反齒の男にて上目づかひにもの言ひしとぞ
窪田空穂 『木草と共に』, 1961, 1964


うづくまる安宅の關のふな小屋よ勸進帳の義經のごと
与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934
 

 牛若丸

ゆふぐれて犬猫療所の戸口より牛若丸に似し面わいづ
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1912, [1912]


 静御前

扇もて顏隱しつつ靜御前われかいま見る肩落しては
窪田空穂 『卓上の灯』, 1949, 1955


歎き餘り肩もてはげしく息しつつ靜御前のわれをば恨む
窪田空穂 『卓上の灯』, 1949, 1955


靜御前あな淺ましや目を据ゑて跳ねつつ逃ぐる蚤を捕ふる
窪田空穂 『卓上の灯』, 1949, 1955


靜御前身をくねらして羞ぢらひつ我見おこせば迫るものあり
窪田空穂 『卓上の灯』, 1949, 1955


文五郞が手にささへられ靜御前われを見つめて訴へ泣き入る
窪田空穂 『卓上の灯』, 1949, 1955


 弁慶

日の丸の扇ひらりと弁慶の七つ道具をあしらふ欄干
太田水穂 『鷺・鵜』, 1930, 1933


辨慶の赤き小鼻を晩秋の酒場の軒に見るが哀しさ
萩原朔太郎 『短歌』, 1913, [1913]


盛りあがる臺地の若葉濠越しに見やりゆかしみ辨慶橋過ぐ
窪田空穂 『明闇』, 1943, 1945


淫らなるかの辨慶の諧謔も秋の酒場にきけば悲しも
萩原朔太郎 『短歌』, 1913, [1913]


弁慶が持たりしといふ笈を見ぬ煤びしものに顔を寄せつつ
斎藤茂吉 『石泉』, 1931, 1951


醉ひどれのかの辨慶も秋くれば路傍に立ちて物を思へり
萩原朔太郎 『短歌』, 1913, [1913]