FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

白樺湖

2016年07月15日 | Weblog

夏が来れば思い出す~、というと、尾瀬と白くかれんな水芭蕉であるが、私にとっての夏の思い出は、黄色いニッコウキスゲとビーナスラインだ。

緑一色の草原の中に咲くニッコウキスゲは、草原を吹き渡る爽やかな風を感じさせる。そして、ビーナスラインは、霧が峰を貫く山岳ハイウェイであり、バイクライダーにとって聖地と言われている場所の一つだ。

エアコンのブランドとして定着している「霧ヶ峰」は、この爽やかな風をイメージして付けられた名前だと思う。が、たいていの人は「霧ヶ峰?それってどこ?」という反応である。

霧ヶ峰は簡単に言うと、諏訪湖の北にある山並みを指し、その中心となるのは車山である。スキー場としても有名な車山であるが、千葉からは遠いので、なかなか出かけることができない。

昨年のFZX友の会の安曇野ツーリングは、1泊だったのでビーナスラインを心ゆくまで走ることができた。今年もまた行ってみたいなぁ、と思い友の会で呼びかけてみたら、2人が手を挙げてくれた。

現地集合ということで、朝10時に諏訪IC横のセブンに集まることになった。例年ならこの頃には梅雨が明けており、 天気は心配ないのだが、今年は空梅雨の割に曇りの日が多い。ビーナスラインは、霧ヶ峰という名前のとおり、諏訪湖からの水蒸気が山にかかり、年間250日は霧がかかるという霧の名所である。

前日も休みだったので、天気が良ければ久しぶりにキャンプをしたいなぁと思っていた。ところが、台風くずれの雨雲がかかり、最初は降水確率50%ということで、ツーリング実施そのものが無理だなぁと諦めかけていた。

天気予報を見ていると、だんだん良くなり、実施日だけ降水確率が10%に下がった。しかし前後は40%なので、キャンプするとなると雨の中でテントを張るのはおっくうだ。

昨年泊まったゴホーデンに今年も泊まろうかなぁとネットを見ていたら、1泊朝食付き3100円という格安の宿が見つかった。しかも、ビーナスラインのスタート地点である白樺湖畔である。ライダーハウスのように相部屋だが、雨の中テントを張る事に比べれば何のことはない。すぐに予約を入れた。

出発の日は朝から小雨だった。今までツーリングに行く時、出発の時から雨ということはなかった。隣の奥さんと顔を合わせたら、「雨が降っているのに大丈夫なんですか?」と心配してくれた。「すぐ止むと思いますよ」と強がりを言いつつ、カッパを着て走り出した。

ところが、止むどころか都心に近づくに連れて雨脚が強くなってきた。FZX最大の弱点である水によるリークで、アイドリングが不安定になり、信号でスロットルを戻すと止まりそうになった。止まったが最後起動できなくなるかもしれないと思い、2000回転を保った。

さいわい首都高に入るまで止まることはなかったが、入ったら入ったで今度は渋滞に巻き込まれた。車と車の間でエンストしたら、命も危ない。雨で視界の悪い中、必死ですり抜けた。

中央道に入り、なお雨は止みそうもないので、石川PAで雨宿りすることにした。情報板を見ると、最近は雨雲レーダーまで表示されている。

レーダーの画像では、何とか雨雲は抜けたようだ。ライブカメラの映像では、山梨県方面は青空が見えている。

よし、もう少しの辛抱だ、と心を奮い立たせ、走り出した。雨は依然として強く降っていたが、笹子トンネルを抜けるといきなり眩しい日差しが出迎えてくれた。

勝沼の辺りまで来ると、カッパを着ているので猛烈に暑くなってきた。境川PAに立ち寄り濡れた物を乾かす。しかし、パンツまでぐっしょりと濡れている。着替えるのも面倒なので、雨具だけ外して出発だ。

諏訪IC前のセブンに到着。明日の集合時刻にここに来るはずだった友人は、腰痛のため今回はリタイヤ。他の1名とは車山肩にある「コロボックル」というカフェで落ち合うことになっている。独り寂しくビーナスラインを走る。

やっと晴れ間が見えたと思ったのも束の間、山に向かうとまた曇ってきた。夕食は宿ではとれないので、茅野市内で食べようかと思ったが、まだ夕食には早い時間。宿にチェックインしてから戻ってこようかとも思ったが、結構距離がありそう。

茅野市から白樺湖に向かうビーナスラインは、一箇所だけ難解な箇所がある。標識を見て走るのだが、ビーナスラインという案内通り走ると、R152号(メルヘン街道)ではなく県192号を走ることになり、蓼科湖に続いていて、すずらん峠を経て白樺湖に行く。いわゆる第1ステージだ。

確かにビーナスライン全線走破にはこれで良いのだが、白樺湖のそばの大門峠を経て第2ステージから走り始めようとすると、R152号との交差点からショートカットすることになる。この交差点が曲者で、立体交差なのだ。その交差点には信号もなく、ちょっとした脇道にそれるような感じなので、何度も迷った経験がある。

この交差点を過ぎてからは、ぐんぐん高度を稼ぎ、カーブもヘヤピン気味となる。嫌なことにまた雨が強くなってきた。視界が悪い上に、スリップが怖くてスピードが出せない。後続車が来るとウィンカーを出して先に行ってもらう。午後5時30分に白樺湖に着いた。

雨は少し小降りになってきた。今日の宿泊先であるホステル・ジルは白樺湖の入口にありすぐわかった。若い宿の主は親切で愛想の良い人だ。

フロントで料金を前払いし、施設の案内を受ける。相部屋のドミトリーは1階にあり、個室となる一般の宿泊室は2階にある。

部屋の中には2段ベッドが2つあるだけ。今日は、私一人だけとのこと。ラッキー!

キッチン

リビング

カウンター

お風呂のことを聞かれ、入るなら今からお湯を溜めますが、近くの温泉に行くなら割引券を販売します、とのこと。まず夕食が先だと思い、近くの店を聞くと、隣の食堂は6時で終わり、下ったところにある店は8時まで営業しているとのこと。

散歩がてら出かけることにした。白樺湖周辺にはたくさんのホテルがあり、コンビニも1軒ローソンがあった。レストランも数軒あったが、昼間だけなのか営業しているところはほとんどなかった。

教えられた茅野方面に下った店は、「いじわるばあさん」という名前の店で、メニューには普通のカツ丼や生姜焼きや唐揚げといった定食が書かれていた。「お勧めはありますか?」と聞いたところ「豚角煮定食は他ではありませんよ」という答えが返ってきた。

おお、そう来たか、と思った。豚角煮定食は1250円でこの店では一番高価なメニューである。他の定食が900~1000円なのに高い。お勧めは?と聞いて、客に人気があるメニューを教えてくれるか、店主として客に食べさせたいメニューを答えるかの違いである。

それを注文してみると、とても時間がかかったが出されたものは、想像を超えていた。雨が降っていたのでカメラを持っていかなかったのは残念だが、豚角煮は他の店の2倍のボリュームはあり、3日煮込んだと言う通り口の中でとろける旨さだった。

宿に戻り、「すずらんの湯」の券を買おうと思ったら、「雨のようだから、うちでお風呂に入ったらどうですか?」と言われた。カッパを着て出かけるのもおっくうになり、入れさせてもらうことにした。2~4人ぐらい一度に入れる風呂で、十分だった。

翌朝、食堂に行くと、味噌汁とご飯が用意されており、卵焼きと生卵、納豆が置かれていた。お茶漬け用にお漬物や鮭フレークもあった。「海苔があれば、吉野家の納豆定食だなぁ」と思いながら頂いた。食器を自分で洗うシステムだが、3100円でこの朝食なら文句は言えない。

聞けば、昨年の8月に開業したとかで、ライダーはあまり利用していないという。これからも利用しますよ、と言って宿を後にした。

本日の走行距離 260km。 平均燃費 19.6km/L。



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2 コメント

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Unknown (たかぴい)
2016-07-20 13:40:09
こんにちは
やっと車から出るのが楽になりました。

いじわるばあさん 気になったので
ググッてみました。隠れた名店?みたい
ですね。

やっぱり角煮定食が気になったので、こち
らのブログ
http://ameblo.jp/tosheytana/entry-11342799105.html

同じだったでしょうか?

池の平ファミリーランドの関東一長い
ゴーカート(しかも400円)も気になり
ます。

今週はバイク乗れるかな。
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Re:Unknown (キム@FZX)
2016-07-20 14:19:29
たかぴいさん、一日も早い回復をお祈りしています。
そうです、そうです!まさしくこのボリュームでした。やはりあの店のお勧め料理なんですね。たかぴいさんもぜひ一度お試しください。
ホステル・ジルもいいですよ。
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