FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

番外編 ~バイエルン2日目

2018年02月10日 | Weblog

ミュンヘンのホテルは中央駅北側のアンバというホテルだった。駅南側は治安が悪く、夜遅くまで騒ぐ声がうるさいという口コミが多いそうだ。その点、北側は静かということで選んだが、どの口コミでもアンバホテルは狭いというのが指摘されている。

しかし、実際に泊まってみると、部屋の広さは日本のビジネスホテルよりは広いが、ベッドが狭いというのが実情だ。寝返りで落ちるのではないかと心配になるほどだが、ドイツでは標準に近いらしい。それより問題なのは、「エレベーターあり」となっているが、建物の構造が複雑で、私たちの部屋は3階の219号室だったが(ドイツでは1階はGround階といい、2階が表示では1階)、中2階のようになっており、エレベーターを降りてからも階段があり大きなスーツケースは大変だった。



今回の旅でミュンヘンを選んだのは、ミュンヘンがバイエルン州の首都であり、ロマンチック街道が通っているからだ。娘はドイツ北部に住んでいるのだが、南ドイツを旅してみたいと一緒に来てくれた。「で、何が見たいの?どこに行きたいの?」と聞かれたが、ドイツで思い浮かべるのは、U-ボート、強制収容所、リリーマルレーン、と戦争映画で得た情報しかない。

食べ物ではソーセージ、ザワークラウト、ビールくらい。そしてバイエルンといえば、BMW。ドイツを旅行する人は何を目的に行くのだろう?と少々疑問がわいてきた。新聞の旅行の広告を見ると、ヨーロッパではスイス、イタリアが人気が高く、次いでフランス、スペインといったところで、ドイツという選択はほぼ見当たらない。

娘によると、ドイツといえば古城で、とくに有名なのは「ノイシュヴァンシュタイン城」というディズニーのシンデレラ城のモデルになったといわれる城である。でもそのノイシュヴァンシュタイン城はミュンヘンよりさらに南のオーストリアとの国境に近い方にある。



4月から10月はヨーロッパバスという観光を目的とした長距離バスが運行しており便利なのだが、冬の間は列車だけとなり、乗り換えや駅から現地まで行くのも大変そうなので、今回はあきらめた。

ドイツは日本より北にあるので、平均気温も千葉より低く、青森や北海道に匹敵する。日本でも冬に北海道を旅行するというのは、札幌雪祭りならともかく、あまり一般的ではない。

そこで、私も今回の旅行の目的は、ドイツならではの食と文化に触れることを第一とした。

ミュンヘンは、フランクフルト、ベルリン、に次ぐドイツ第3の都市で、ベルリンが政治、フランクフルトが経済の中心に対し、文化の中心であり、言ってみれば京都のような街らしい。

まずミュンヘンでも午前中しか食べられないという「白ソーセージ」に挑戦した。なぜ午前中かというと、まだ冷蔵庫もない昔、このソーセージは傷みやすいので午前中しか店で出すことを禁じられたという伝統が今でも守られているのである。

Uバーンのクラシックな車両

ミュンヘン中央駅からU(ウー)バーンという地下鉄に乗り、ガイドブックの情報をもとにGrossmarkthalieという店に行った。ウェイトレスはバイエルンの民族衣装を着て、店内の雰囲気も抜群である。



白ソーセージ(バイスブルスト)は、長さは10cmくらいで太さは直径3cmくらい。ナイフとフォークで皮をむいて食べなくてはならない。そして、このソーセージに必ず添えられるのが、プレーツェルという塩をまぶしたパンである。かなりの量の塩がついているので、塩は落として食べるらしい。しかも、たくさん盛り付けられているので、食べたいだけ食べる。そして、食べた分だけ請求される。



この茹でたてのソーセージと固い塩パンに合うのが冷たいビールであることはいうまでもない。しかも、ミュンヘンには醸造所が多いので、地ビールというわけである。この店のビールはPaulanerという銘柄だった。

朝食をすませると、またUバーンに乗り、旧市街の中心部であるマリエンプラッツに向かった。ドイツの鉄道は旅行者にやさしく、グループ・チケットというのがあり、5人までなら1日券を買うと地下鉄や近郊列車、トラム、バスなどどんな乗り物に乗っても乗り放題だった。

おしゃれなUバーンの駅構内

グループチケット

マリエンプラッツには旧市庁舎や聖母教会、聖ピーター教会など有名な観光名所が徒歩圏内にある。車の往来は規制されているようで、運送業者の大型バンが走っているだけだった。

マリエンプラッツの中心にある、旧市庁舎。この建物は、仕掛け時計でも有名で、日に3回ほど動くのだが、午前11時に行ってみると、この時計を見るために大勢の観光客が待ち構えていた。

仕掛け時計

近くにはミュンヘンの象徴と言われるフラウエン(聖母)教会や聖ピーター教会など多くの教会が立ち並び、正時に打ち鳴らされる各教会の鐘で広場はいやがおうにも荘厳な雰囲気に包まれた。

フラウエン教会

聖ピーター教会、この塔の中には階段があり、1人3ユーロの入場料を支払うと上まで登ることができる。人一人がやっと通れる狭い階段だがその塔の上からの展望は素晴らしい。

第2次世界大戦でドイツ国内も戦場となり、連合国軍によって空爆が行われた。市街地の大半は廃墟と化したそうだが、私も映画の中で戦車が砲撃で建物を崩す場面を多く目にした。当時の写真を見ると、壁だけが残って、屋根や床は崩れ去っている。ドイツ人は空爆の前に貴重な調度品類は疎開させていたそうで、戦後復興では残された建物の復元という手法で街並みを建設したそうだ。

復元前の写真

同じように空爆によって壊滅した東京は、建物が木造だったためすべてが灰燼に帰し、戦後の復興も0からに等しかった。東京駅や丸ビルなど戦前の建物がないわけではないが、戦前の東京をありのまま復元しようという発想はなかったはずだ。

午後はニンヘンブルク城を見学に行った。ここは皇帝の夏宮殿で、広大な敷地に贅をつくした建物が建っている。神聖ローマ帝国の皇帝がどれほどの権力を持っていたかは想像に余りある。すべて国民の税金だと思うと、フランス革命のように国民が怒るのも無理はない。ドイツ国民も怒ったのだろうか。



ニンヘンベルク城はミュンヘン郊外にあり、近くには1972年のミュンヘンオリンピックを記念するオリンピックセンターがある。

オリンピックセンター

BMW本社(4本のシリンダー)、博物館(お椀型の建物)、BMW Welt(ショールーム、手前の屋根)

アウトバーンは片側4車線。一度は自分で運転して走ってみたい

そのオリンピックセンターの隣には、バイエルンの星BMWの本社ビルがあり、博物館も併設されていて、BMW WELT(worldの意)というショールームもある。博物館はじっくり時間をかけてと思っていたら、「私は入場料を払ってまで見る気はないから、お父さん一人で行って来たら?」と節約家の娘に冷たく突き放された。女房に聞くと「私は行ってもいいわよ」と味方してくれたが、無料のWelt(ショールーム)だけ3人で見に行くことで折り合いがついた。


BMWヴェルトの中は、1階が4輪車、2階が2輪車と分かれており、1階はさらにBMWの最新車のコーナーとミニのコーナーに分かれていた。展示されている車は、シートに座れる車とドアロックされているものがあり、座っていいものも最近の車はパワーシートなのでシートを調節することができず、私には運転席に座るのもやっとで間隔が狭くて苦労した。

 

娘や女房は、展示してあったメッサーシュミットに興味を示したが、それは展示してあるだけではなく順番に助手席に乗せてショールームを一周してくれるのだ。娘はさっそく乗せてもらい大興奮だった。

私は将来的にも全くBMWの4輪を所有することはなさそうなので、さっさと2階の2輪車を見に行った。台数は限られていたが、こちらは自由にまたがることができたので、ライディングポジションなどを確かめながら最新式の装備に目を見張った。FZXと比べると30年以上の設計差があるわけで、記号を見ても何のスイッチなのかわからないスイッチがたくさんあった。

SOSって何のスイッチ?ハザードのこと?



一番驚いたのは、キー穴がなくなっていたことだ。4輪車も最近のものはキーレスだが、2輪車にも採用されているとは想像だにしなかった。

特にデザイン的に気に入ったのはR1200RTで、女房も後席の座り心地が気に入ったようなので、「次はこれにしようかなぁ」というと、「いいわねぇ」と同意してくれた。

実は60歳で退職した時、自分へのご褒美にバイクを買おうと思ったのだが、団地の雨ざらしの駐車場には置くにしのばず、購入を断念したのだ。でもこのままでいくと歳を取るばかりで乗れなくなる恐れがあるので、そろそろ買い時かなと思っている。

BMWのショールームで「カタログをもらえますか?」と聞いてみると、「ここにはカタログは置いてありません」という答えが返ってきた。これは意外だった。ということは、このショールームは新車発表会などの場所を提供するだけで、販売にはタッチしていないのか?隣に本社があるので、そちらに行けということかもしれない。

楽しい時間を過ごし、また市内に戻って夕食はバイエルン料理の店でいただいた。バイエルン料理というと、やはりソーセージだが豚肉の料理も種類が多い。ジャガイモとザワークラウトも必ず添えられている。

心もお腹も満たされてホテルに戻った頃には、夜もかなり更けていた。



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