FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

東欧を訪ねて ~ドイツへ

2023年09月22日 | Weblog

成田空港第1ターミナルに着きアシアナ航空のカウンターへ行く。5年ぶりの成田空港はなんかとても懐かしかった。コロナで賑わいが戻ったというが、かつての活気ある成田空港を知っている私には、閑散として見えた。チェックインで荷物を預け、出国手続きを済ませた。

私のパスポートは、発行からちょうど10年たったので、更新したばかりだったが、パスポートばかりでなくシステムも全く変わっており、以前は押された出入国スタンプが押されなくなった。

以前のもの(上)は各ページには数字だけが描かれていたが、新しいパスポート(下)は浮世絵風のデザインがあしらわれている。だが、新しいパスポートの記念すべき初めての出国が何の記録も残らないのではつまらない。

そんな人のために、わざわざスタンプを押す窓口が作られていた。ミーハーな私は当然列に並んで、出国スタンプを押してもらった。事務簡略化あるいは人手不足解消のため廃止したものをまた望むというのは、我ながらちょっと恥ずかしかった。でも、この意味を知らない人も多いらしく、一人が並ぶと何となく並ぶ人もいる。

時間があったので、ビジネスクラスから利用できるラウンジをのぞいてみることにした。成田空港にはスターアライアンス系のラウンジはANAラウンジとユナイテッド航空のラウンジがあった。ユナイテッドの方がアシアナの搭乗口には近かったが、ANAを見ておこうと思い行ってみた。

T1のANAラウンジの入口はエスカレーターの上階にあって、入りにくくなっていた。入口で搭乗券を見せる。中は広々としており、飲食コーナーと飲酒コーナー、シャワー室と休憩室があった。

ネットの情報では、このラウンジは搭乗券だけではなくクレジットカードのゴールド会員でも入れるようで、youtuberで海外旅行の達人はたいていゴールド会員になっており、食事やシャワーをここで済ますらしい。年会費1万円くらいで入会できるゴールド会員は、頻繁に空港を利用する人には便利なのだろう。

ファーストクラスのラウンジと違い、ビジネスクラスの方は食事はあまり大したことはなかった。軽食といった感じで、スイーツ類は少なかった。ただ、酒類はビールやワイン、ウィスキーが飲み放題だった。

1時間くらいラウンジで過ごし、搭乗時刻になったので、ゲートに向かった。エコノミーと違い並ぶこともなく機内に案内された。席に着くと、おしぼりとウェルカムドリンクのジュースか水が持って来られた。そして、担当のCAが決まっているらしく、日本語で自己紹介された。

席について驚いたのが、シートベルトだ。なんと、3点式シートベルトなのだ。車では当たり前だが、飛行機でも3点式シートベルトなんだ、と普段エコノミーにしか乗ったことのない私は、命に差をつけられたような気がした。

その次はメニューを持って来られ、昼食は洋食か韓食かと尋ねられた。洋食なら牛ヒレ肉のステーキ、韓食ならビビンバだという。私は洋食、女房は韓食を選んだ。そのほかにも飲み物とかいろいろ聞かれた。

機材はA330だったので、ビジネスといえどシートはまっ平にはならなかったが、シートアレンジのボタンはきめ細かかった。席も6列で窓側の2席だった。

シートアレンジのボタンはリモコンのボタンより多かった。リクライニングやシートの前後だけではなくランバーサポートとかオットマンの機能があり、Mというボタンはマッサージャーになるのか?押してみると何となく震えているような気がした。

ほぼ定刻に離陸し、さっそく昼食が運ばれてきた。まず食前酒。その後でメインディッシュ。器がプラスチックではなく陶器だったり、ナイフやフォークもきちんとしたものだった。

搭乗時間が2時間30分なので、あっという間に仁川国際空港に着いた。乗継ぎなので、荷物はフランクフルト空港まで送られるということで、入国手続きだけ行った。韓国も簡略化され、スタンプではなく入国シールが貼られただけだった。

機内持ち込み荷物だけ持ってホテルへ向かった。ホテルからは送迎バスが空港まで来ているというので、そのバス停を探し、やってきたバスに乗車した。チェックインして一休みしてから、夕食を食べに街に出た。見渡す限りハングルで「ああ、韓国に来たんだなぁ」と実感した。

夕食は娘が探しておいてくれた、ホテル近くのビルの2階にある参鶏湯専門店「長安参鶏湯」で食べた。その店は参鶏湯しかメニューはなかったので、注文も簡単で一人1600₩(約1750円)だった。今回は一晩だけだし、ホテルに行くだけなので両替はせず、支払いはカードで済ませた。

韓国料理ではかならずキムチの他にいくつかの小皿がついてくる。今回は砂肝焼きのようなものがついていたがこれがおいしかった。また、ニンニクや青唐辛子はとうてい一人で食べられる量ではないと思うのだが、他の席を見るとみんな平気で食べていた。グラスに酒のようなものが注がれていたが、聞いてみると焼酎だった。

辛いものが苦手な女房は、韓国で食べられるものは参鶏湯だけだ。しかし、何回食べても本場の参鶏湯はコラーゲンたっぷりでおいしかった。帰り道、コンビニで飲み物やお菓子を買ったがこれもカードで支払いを済ませた。

翌朝はあいにくひどい雨降りだったが、7時にホテルから送迎バスに乗り仁川国際空港に向かった。9時40分発の便だったので、アシアナラウンジに行って朝食を食べることにした。アシアナラウンジは、いくつかあったが搭乗ゲートにいちばん近いセントラルというところに行った。

ここも軽食中心だったが、サンドイッチやキンパがおいしかった。また、カップ麺が普通に積まれているのも韓国らしいと思った。1時間ほど休憩してゲート24に向かった。

仁川国際空港は成田とは比べ物にならない広さで、各ゲートに行くのが本当に遠い。通路の中央には動く歩道が設置されているのだが、その上に立ち止まっているのは我々くらいで皆早足に歩いている。

ゲートに着くとすぐ搭乗が始まり、席に着くとまた担当のCAが挨拶に来た。今度は英語だった。機材はA350-900で横4列のシート並びで私たちは3Eと3Fだった。

搭乗が終わりドアも閉じられたが、しばらくたっても動く気配がない。雨が激しく降っていたのでそのせいかと思ったが、1時間ほどして機長のアナウンスが入った。それによると、雨のせいではなく「ミリタリー・ストップにより待機している」そうだ。

後で知ったことだが、この日北朝鮮がミサイルを打ち上げたとかで緊張していたらしい。仁川と言えば韓国最北部にあり、目と鼻の先は北朝鮮だ。ウクライナだけではなく韓国も臨戦態勢にあるのだなぁと改めて思った。

9時40分の離陸予定が10時35分になってようやく離陸した。1時間ほどすると昼食サービスが始まった。私はまた洋食を選んだ。

たった28席のビジネスシートだが、満席ではなく半分ぐらい埋まっていた。その14、5人の客のためにCAが4~5人で接客している。前菜から始まりデザートまで約1時間かかった。

カナッペ
トマトゼリーとバジルクリームを添えたサブレ
前菜
サワークリームソースを添えたスモークサーモンのタルタル
スープ
アスパラガスのポテトクリームスープ
メインディッシュ
ブラックトリュフ牛肉ロースステーキ
チーズ
ブリー、エメンタール、ゴルゴンゾーラ・ビカンテ
デザート
バスクチーズケーキまたはフルーツ
コーヒー、お茶

満腹になったので、横になろうかと思い、シートを平らにしてみた。前の席との間は1mほどあり、手を伸ばしてもモニターに届かないほどだったが、前席とはシート配置がずれており、シートを倒していくと前の席の物置台の下に足が入るような形になる。長さは2mと十分だったが幅は56㎝と寝袋で寝るくらいの幅だった。

のどが乾いたら、CA呼び出しボタンを押すと、担当のCAがやってくるのでコーヒーやらコーラやらを注文できる。もちろんお酒でもいいのだが。私の隣の人はしょっちゅうこのボタンを押しており、ラーメンやらサンドイッチやら果物やらをもらっていた。

ビジネスクラスに慣れている人なのか、食事は決まった時間にしかサービスされないが、間食というのがメニューにあり、それはいつでも何度でも注文できるのだった。フランクフルトに行く時はそのことに気付かなかったので、果物やラーメンをもらったが、帰りの便では味をしめて、サンドイッチやらキンパやら果物を女房と何度も注文した。

機内にWiFiの表示があったので、スマホを取り出して確かめたら有料のWiFiで、つなぎ放題で3000円くらいだった。その場でクレジットで支払えるらしい。空でも仕事をする人がいるのだろう。ネットにつなげば、メールチェックができるだろう。

映画は、あまり面白いものはなかったが、ハリウッド最新作というのをいくつか観た。残念ながら日本語吹き替えや日本語字幕付きのものは少なかったが、邦画が何本か入っていた。これは、当然のことながら韓国語字幕付きだった。

心配したトイレは、すぐ近くにあることと、14、5人に2つあるので、混みあうことはなくいつでも使えた。しょっちゅうCAが掃除をしているらしく、エコノミーの時はトイレの汚さに閉口したが、ビジネスはいつ使ってもきれいだった。

航路は中国からシルクロードのようなルートで中東を通り、カスピ海からウクライナ上空を横切っていた。

仁川国際空港を離陸して8時間くらいたつと夕食がふるまわれた。今度は韓国食を注文した。プルコギとのことだったが、いろんな種類の野菜が添えられそれに肉を巻いて食べるよう書かれてあった。

仁川国際空港を出てちょうど13時間でフランクフルト国際空港に着いた。日本時間では24時だが、現地時刻は17時だった。入国審査を受け、今度はスタンプを押してもらってドイツに入国した。空港の表示を見るとあまり英語はなく、ドイツ語ばかりだった。

荷物を受け取りに行くと、またまたビジネスクラスの特権を実感した。スーツケースにプライオリティタグというのが貼られており、ビジネスクラスの客の荷物から最初に出てくるのだ。30分かからず出口で待っていた娘のパートナーと再会できた。

彼は100㎏近い荷物を軽々と車に運んでくれた。車はマツダのCX-30だったが、トランクが小さかったので後席を片側倒して3人で乗ることになるので、娘は来ていなかった。娘たちの住むデュッセルドルフまで高速道路を3時間走り、20時過ぎに無事娘たちの新居に着いた。ドイツでは21時ころ日が沈むそうで、まだ明るい。ああ、ここは日本ではないんだなと実感した。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっぱり違いますね。 (たかぴい)
2023-09-28 14:46:17
キムさん こんにちは

憧れのビジネスクラス(ファーストクラスは眼中にない)ですが
やっぱり違いますね。機内食もエコノミーだと2つに折って片づ
けるものです。いつでも食べられるなんてすごい。とは言っても
運賃と比べたら食費なんて大したことないでしょうけど。

昔インドネシアに行った際にはCAに頼めば頼むだけビールが出て
きたので3,4本飲んだ記憶がありますが、今はワゴンサービス
がある時だけですね。それでも2本は頑張れば飲めそうですけど。

シートがフラットになるのはいいですね。ヨーロッパくらい遠い
とやはり座席に座っているのは苦しいですね。車だったら九州く
らいまで行ける時間です。フェリーだったら歩き回ったりゴロゴ
ロできるのですけど飛行機だと大変。

宝くじでも当たったらビジネスクラスを経験したいと思いました。

1枚目の写真は、九十九里浜ですね。
Unknown (キム@FZX)
2023-09-28 20:26:45
たかぴいさん、コメントありがとうございました。私にとっても人生初のビジネスクラスでした。

感想はこんなに違うんだ、とそのエコノミークラスとの待遇の差の大きさです。

先日のニュースで高岡市の市長達が、6倍の運賃を払ってビジネスクラスに乗ったということが報じられ、市民の顰蹙を買ったそうです。市長の立場に立つと遊びで行く訳ではないという言い訳ももっともだと思いますが、乗りたければ自費で差額を払うという選択肢はなかったのかと思います。

裕福な財政の中ではなく、危機的な緊縮財政をしているのでは自覚が足りないと言われても仕方がありません。

それくらいビジネスクラスは魅力的だと思います。安い航空会社を探すのも楽しいものですので、たかぴいさんも経験されることをお勧めします。

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