さいはてツーリング ～帰郷

八戸には早朝５時に入港した。曇り空であったが、八戸道に入るとまもなく降り始めた。しょうがねぇなぁと、諦めの気持ちで雨具をつけ、走り出すと前を例のハーレーの人が走っているのに気付いた。彼も東北道を南下することはわかっているので一緒に走ることにした。

 といっても、ＦＺＸの悲しさ、１時間ごとに給油しなければならないのでＳＡに立ち寄る。彼も急ぐ気は無いらしく、給油を終えてしばらく走ると追いついた。

 秋田道方面は雨量が多いと警告板に出ている。岩手はどうなんだろう、と心配したが、盛岡を過ぎると雨は上がった。女房の実家に寄るため水沢ＩＣで下りようと思ってウィンカーを点けたら、前を走るハーレーの人も気付いたのか、手を振って挨拶してくれた。

水沢からは、種山ヶ原を通るＲ３９２号～Ｒ１０７号ルートで大船渡へ。この地方は、○沢一郎さんの選挙区なので、行く度に道路がきれいになっている（笑）。種山高原も昔は、細い急な道をトコトコと登り切った峠に牧場が広がり、のどかな景色だったが、今はバイパス化し、道の駅ができていた。女房の好きな漬け物を土産に買い、峠道を下る。

女房の実家には午後１時頃着いた。積んできたキャンプ道具を拡げて乾かす。それを段ボール箱に詰め、自宅に送るのだ。明日は、女房とタンデムで途中まで行くことになっている。夜になると、義妹夫婦がやってきておいしい魚を食べながら杯を交わした。

八戸から大船渡までの走行距離、３２０ｋｍ。

 翌朝、荷物を義妹の車で発送し、いよいよ２人で千葉に向けて出発した。ふだん４輪で帰省しているので、２輪の後席から見る故郷の景色は随分違って見えたようだ。私も女房を近場で乗せたことはあるが、本格的なタンデムツーリングは初めてだ。座布団も後席に付けたので、少しは尻も楽だろう。

大船渡から一関ＩＣまでは、猊鼻渓（げいびけい）という景勝地を通る山間ルートで、下道でもありのんびりと涼しい風を受けながら走った。猊鼻渓で昼食代わりに鮎の塩焼きを食べた。走行中は、会話がままならないのは残念だ。タンデムに会話用のツーリングコムは必須だと分かった。

一関ＩＣから東北道に乗り、仙台を目ざす。女房は「仙台まで送ってくれたら、新幹線で帰るわ」と言っていたが、２時間ほどで仙台宮城ＩＣに差し掛かると、「もう少し先まで大丈夫そう」ということになり、次に東北新幹線の駅に近いのは郡山なので、郡山ＩＣまで乗ることになった。

 １００ｋｍで走っている時は余裕だが、１２０ｋｍを超えると風圧で首が痛いという。女房の被っているヘルメットは、スクリーンが密着していないので、風に対する抵抗が低いようだ。

いつものように、走行中カメラを取り出すと、「ちょっと！何してんの？」と驚いた様子だったが、「せっかくだから記念撮影！」というとあきれていた。というわけで、タンデム走行中にツーショットで１枚（笑）。

郡山が近くなると、雲行きが怪しくなってきた。雨に降られると悲惨なので、安達太良ＳＡで磐越道の天候を調べてもらうと、雨は降っていないということがわかった。

 「じゃあ、ここまで来たら家まで乗ってくわ」と、女房。初タンデムということで無理な運転は避けたことが好印象につながったのか？（笑）。「それにしても、このバイク、頻繁に給油するわね」とＳＡの度に給油するというＦＺＸの弱点もお見通しのようだ。

 ＳＡでは、他にもタンデムの夫婦ライダーにたくさん出会ったが、どの女性もライダースーツをビシッと決め、ブーツを履いた姿にライバル心を燃やしたのか、普段着の女房は「今度乗る時は、着るものも考えよう」と言い出した。

う～ん、今まではツーリングに誘っても「後席は眠れないからイヤ！」と絶対来なかったのだが、次からは来るかもしれない。 食事に立ち寄った東北道のＳＡでは、レストランに「２０食限定、○○御膳」とかいうスペシャルメニューがあったのも、女房の好感度をアップしたようだ。



郡山ＪＣＴから磐越道を通り、いわきＪＣＴから常磐道に入った。気温は高いが曇っているので、直射がないだけ助かった。これで晴天だったら、熱中症で倒れていたかもしれない。何回か眠くなりブラックブラックを噛み噛み運転した。

４輪の時は女房と交代で運転するので、半分は寝ていられるのだが、２輪は交代できないのでつらい。やはりタンデムは１日３００ｋｍぐらいが限界かもしれない。

帰りも圏央道牛久阿見ＩＣで下り、一関ＩＣからの料金は１０００円だった。夜の８時に無事、５４０ｋｍのタンデムツーを終え、自宅に到着した。

本日の走行距離　５４２ｋｍ（Ｔｏｔａｌ　３３５５ｋｍ）