そして冬眠の季節

車検が終わってから、何度か近くをツーリングしたが、あっという間に冬が来てしまった。ＦＺＸにとっては２度目の岩手の冬である。昨年の冬は野ざらしにしておいたので、バッテリーを駄目にしてしまった。

初雪

バッテリーは外して保管すればよいだけの話なのだが、2016年に買ったものだったので、３年使ったからもういいか、と投げやりな気持ちでそのままにしておいたら、当然のことながら春になっていざ発進という時に使い物にならなかった。

バッテリーは完全放電させたらもうアウト、と聞いていたが、ネットで充電器を探したらsuaokiという中国製の充電器が安かったので購入して使ってみた。

まったくセルが回らなかったのに、初回は１３Ｖに復帰し、セルも回すことができた。気をよくして1か月ほど放置しておいたら、また電圧が下がったので再充電したら「充電完了」と表示されるのだが、セルを回す力はなかった。

最初に充電した時、放置せず継続して乗り回せば、復活したのかもしれないが、昨年は４月になっても雪が降っていたので、その機会を失ったのが敗因だ。

たまたま近くのホームセンターに同じ「駆」（かける）というバイク用MFバッテリーを売っていたので、購入してツーリングに出かけた。

この充電器には、接続コードが付いているので、普段は重いバッテリーを外さなくても、積んだままで充電ができるのも優れている。

不精をして、冬の間も積んだままでときどき補充電しようかとも思ったが、一手間を惜しんだがために、バッテリーをだめにしたら、元も子もないので、素直に外して暖かい室内で保管することにした。

今年は、バイク車庫も完成し、野ざらしではなくなったので、ネットで他の人がどのように冬を過ごしているのかリサーチしたところ、次のような手順を踏んでバイクを冬眠させていることが分かった。

１．まず洗車
２．次にオイル交換
３．バッテリーを外す
４．毛布等をかけホコリ対策をする
５．春になったらまたオイル交換をする

さすがに、大切なバイクは念入りに扱われているようだ。

私のＦＺＸもこの手順に従って冬眠させようと思った。洗車については、バッチリ。オイル交換は９月の車検の際にやったばかりなのでパス。バッテリーを外し、毛布はなかったので、タオルケットで代用。

バイク車庫の気温を調べたら、外気温がー５℃程度の時、０℃だった。多少は断熱材の効果が認められるが、やはり何の暖房器具もないので、０℃になるのは当然のようだ。車庫に置いたケルヒャーの高圧洗浄機は、中の水分が凍っているのか、電気を入れても動かなかった。

昔、北海道で暮らしていたころ、車を持っている人はボンネットの中に白熱電球を入れて凍結を防いでいた。それに倣って、車庫の中に暖房器具の代わりに白熱灯を夜だけでも点けておけば、少しは役に立つかもしれない。

私の車庫の照明はＬＥＤなので暖房効果はなく、かと言ってわざわざ高い電気代を払って白熱灯を点けることもないという気がする。しかし、６０Ｗの電球一つなら電気代も大したことはないのかもしれない。

我が家は、９８歳の高齢者がいるので、床暖房を使っており、暖房器具もエアコンだけで、お湯もガスではなく深夜電力を使って沸かしている。冬季間の電気代は、毎月４万円越えである。女房は電気代の請求書を見るたびにピリピリしている。そんな時、バイクだけのために、車庫を暖めてくれとはとても言えたものではない。

まあ、多少の手抜きはあるが、冬眠の態勢は整った。半年間無事に走ってくれたＦＺＸにはゆっくり休んでもらおう。4月になって道路が凍らなくなったら、また楽しいツーリングに出かけよう。それにしても千葉なら1年中走れるのに、半年しか走れないというのは寂しい限りである。