まだ島の形がなかった太古の昔、弥久美神(やぐみのかみ)が天帝から授かった
天岩戸の柱の端を大海原に投げ入れてできたのが宮古島だった。
天帝は次に赤土を下ろし、古意角神(こいつののかみ)に
「下界に降りて人の世を創り、守護神となれ。」と命じて、
玉のように輝く女神の姑依玉と共に行くことを認めた。
古意角・姑依玉の両神は、多くの神々を連れて地上に降り
張水御嶽の東側にあった張水天久崎(はりみずあめくざき)という岬に居を構え
様々なものを生み出し、神の心を映し出した楽しい人の世を創った。
その頃、島は赤土ばかりだったため、天帝は次に黒土を下ろし、
作物が実るようになった。そして二人の間に男の子と女の子が生まれ、
二人が大きくなった頃、天帝は紅葉を身にまとった木装神(きそうのかみ)
という男神、青草を身にまとった草装神(ふさそうのかみ)という女神をおろした。
そしてそれぞれが夫婦となり宮古島民の祖となったと伝えられている。
これが古くから伝わる「宮古島創世神話」
張水御嶽には宮古島を創った神様が祀られている。
