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 ストウ刑事(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)が麻薬のおとり捜査で大詰めを迎えているシーンから始まる。新米のドジな刑事が見張りに立ち、見ているこっちもハラハラドキドキ。
 逮捕しようとしているのは、かつての麻薬捜査官時代の同僚で今は麻薬取引を牛耳っているキャラハン。逮捕寸前でなぜかおとり捜査がばれてしまい、ストウはキャラハンを取り逃がしたばかりか、同僚二人を亡くしてしまう。
 このストウ、とんでもない悪徳刑事で、仲間の警官を密告するわ、薬中だわ、職権乱用するわどうしようもない。そんな夫に愛想を尽かし、愛人の子を身ごもった妻ヴァレリーはストウに離婚を切り出そうとする。
 そんな矢先、ストウは罠に嵌められ10人近いキャラハンの部下と銃撃戦を演じるが、頭を撃たれる重症を負ってしまう・・・

 ここからがこの映画の真のオープニングといっていい。

 奇跡的に命をとりとめ、回復したストウがキャラハンを追い詰める・・・そう単純に事は運ばない。歯がゆいくらいの回復の遅さ。しかし、これがヒーロー・アクションではないことの証だ。
 そんな中、ヴァレリーにすっかり愛想をつかされていたストウだが、徐々に妻の信頼と愛情を取り戻していく姿に感動がある。

 半年前、別れ話を切り出す場所に思い出のカラオケ・バーを選んだヴァレリー。初めて歌った歌を尋ねられたストウだが、曲名をすっかり忘れていた。が、それから半年後、昏睡状態から醒めた彼はうわ言のように「アース」「エンジェル」という二つの単語を口にする。それこそが初めての曲名だったのだ。

 他の男の子を身ごもり、離婚しようとしている妻。しかし、刑事という忙しさから離れた彼は、取り戻すことができないと知りながら、妻を愛しむようになる。まわりの人間に対しても同様。そう、彼は半年の昏睡を経て自分を取り戻したのだ。

 ラスト、避けられないキャラハンとの戦いが待っている。ガンアクションはさほど派手ではないが、よい緊張が走る。そして、ようやく明らかになる真実(スタッフロールも見てください。重要な映像が挿入されています。)。

 結局、彼は妻のもとに戻り、共に暮らすことはできなかった。しかし、幸せな死に方だったと思う。それは自分の大切なものが何であるが気づき、それを守るために命を燃やせたのだから。

 アクションを期待した人にはイマイチかもしれないが、取り戻したいものが胸にくすぶっている人には響く佳作だと思う。



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