この本の私の評価は4.0。Amazonでは4.5の高評価です。
なかなかいい本だと思いますよ。カラー刷りで柔らかい紙面作りが奏効し、圧迫感がなく手に取った時に「これなら分かる!」と感じさせてくれます。
前半では基本設定、マークアップの仕方などが解説され、一覧表に整理されている部分もありリファレンスとしても使えます。
また、後半にチュートリアルがついており、実際にCSSを利用してページを完成します。
このチュートリアル、なかなかよくできており、tagでレイアウトしたことならあるが、CSSではどうするの? といったユーザには分かりやすい。
では減点要因は何か?
ひとことで言えば、かゆいところに手が届いていない、ということでしょうか。
例えば、p114の「新規CSSルール」ダイアログボックスでセレクタータイプを選択する画面が出てきます。そこには、
・クラス(HTMLエレメントに適用)
・ID(ひとつのHTMLエレメントのみに適用)
・タグ(HTMLエレメントを再定義)
・複合(選択に基づく)
と項目が箇条書きされています。実は、これDreamweaverの選択項目の表示そのまんま(爆)。解説になっていません。
「選択に基づくってどういうこと?」とそこが知りたいっ!
これと関連してチュートリアルの「CSSレイアウト」も納得感を持って作業を進められません。「~だから、ここではーを選択する」という解説が欲しいですね。
さらにP259。上部に『[CSSスタイル]パネルで「#header ul#menu li」を選択し、([新規作成CSSルール]ボタン)をクリックします。』
という説明がありますが、「#header ul#menu li」を選択する理由が分からない(今、作成したいのは「div#mainArea」の新規CSSルールで、このコンテンツ領域はすでにデザインビューで選択済み)。
図版の横に線を引き、『すでに作成しているCSSルールを選択してから、新規CSSルールを作成すると、その選択しているルールの下に作成される』と書いてあるのですが、何のこと?
結局、言いたかったのは「新規CSSルールを挿入する位置を選べますよ」ということなんですね。
このように、ユーザのなぜ? に対する目配りがやや足りないので1.5ポイント引きました。
が、Dreamweaverの使い方のみならず、マークアップの仕方、HTMLの基礎にまで触れているのは評価できると思います。また、私が一番評価したいのは、最初にサイト制作にあたってすべきこと(制作の直前、モデルページ制作と検証、納品前の最終チェック、納品、ほか)を列挙している点。
Web制作の道に進もうとしている人にとって、ワークフローの目安となります。もちろん、より詳しい本も出てますがそれは必要に応じて、もう少し後で購入してもよいでしょう。
これで0.5ポイントプラスして★★★★☆という評価です。
なお、この著者によるDreamweaver 5.5の対応版も出ていて、こちらはまだノーチェック。
内容や記述がアップデートされ、完成度が上がっているかもしれませんね。
【関連エントリ】
・『独習PHP 第2版』山田 祥寛
・『よくわかるPHPの教科書』たにぐち まこと
・『プロになるためのWeb技術入門』小森 裕介
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