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鬱の力 (幻冬舎新書 い 5-1)
五木 寛之,香山 リカ
幻冬舎

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 最近気にかかっていた疑問がいくつかあり、そのうちの2つに答えに至るヒントをくれた。
 ひとつは首を傾げたくなるような病状(主に精神疾患)に診断名がつき、正々堂々病気を楯に何らかの保障が与えられること。精神科には会社に提出するために「鬱病の診断書を書いてください!」という患者が引きも切らないのだとか。自分で「鬱」って言ってる時点で「鬱病」ではないと思うのだが(^^;
 『心の傷は言ったもん勝ち』(中島聡)にもヒントがあるかと思うが、あきれるのを通り越して脱力感に襲われること甚だしい。日本の未来が本気で心配になってくる。

 もうひとつは社会全体が厚みを失っているというか、異なる価値観を認めず、「妙な明るさ」に支配されていることかな。
 「明るさ」「楽しさ」至上主義というか、このあたりに、刹那的なさまざまなものがくっついて、「誰でもよかった殺人」の地下水脈になってる気がする。人生、山あり谷ありだから、「常に山頂にいたい」と思っても、谷底の辛さに直面しなければいけない時期はあるし、そこをくぐらなければ本当の山頂は味わえない。
 「暗さ」「鬱々たる気分」を抱え続けていくことも、人生に深みを与え、喜びをもたらしてくれると思うのだが。

 冒頭にも書いた、
「欝は力。無気力な人は鬱にならない。」
という五木寛之の言葉は、くぐり抜けた谷の深さに裏打ちされているのだと思う。山頂しか知らない人間に吐ける言葉ではない。

 時々思い出して、噛みしめたい。




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