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 「ダダ漏れ」というのはUstreamといったサービスを利用して、ノートパソコンやiPhoneから生中継を行うこと。「個人がTV局を手に入れた!」とTwitterなどで大いに盛り上がっているのはご存知の通り。
 この本は「ダダ漏れ」を軸にした、著者の守備範囲の広さを見せつける小論集。細切れの話題の寄せ集めだから読みやすい。
 おっと、ダダ漏れのノウハウ本ではないのでご注意を(^^;

 日垣隆が「ダダ漏れ」に期待しているのは、大きなメディアの作為を排除し決定過程をガラス張りにすること。特に政治家や官僚の意思決定過程の可視化を行うことで「ダダ漏れ民主主義」革命が起こり、そうなると「密室政治」や「公務員の守秘義務」が無くなるという。これは歓迎すべき方向ではないか?
 例えば昨年、国内に大きな議論を巻き起こした「尖閣諸島ビデオ流出事件」に関しては、なぜあのビデオの公開を禁じたのか、国に対する不信が募るとともにその意思決定過程をぜひ公開してほしいと考えている人も多いだろう。その理由として漏れてきた「中国に配慮した」という仙石氏の言い分はとても受け入れられない。配慮が必要なのは日本国民の国民感情だろう。

 話変わって、読んでて苦笑したのはITジャーナリストの佐々木俊尚さんを攻撃する下り。私は佐々木氏の愛読者でもある(^^;「即打法」と小見出しが付けられている部分を一部引用してみよう。

 「例えばITジャーナリストの佐々木俊尚氏という、IT事情を知るには便利な書き手なのに、一冊一冊の賞味期限が半年程度と短く、オリジナリティのなさが特長である人の講演を聞いていると(喋りが即打法級)、最前線のことはなんでも知っているかに見えるけれど何を言いたいのかさっぱりわからない、あるいは、なんだ彼はただのオタクか、と真実が見えてしまうほどチンプンカンプンなのである。」

 私は毎日佐々木氏のTwitterから流れてくる情報をチェックしている。自分で集めると相当な労力がかかる情報をフィルタリングし(最近氏が語る概念で言うと「キュレーション」、近々著作も出る)提供してもらい、重宝している。
 思うに佐々木氏は料理の素材を提供し、調理の仕方は情報の受け手に任せている。日垣氏は調理してから出せ!と言っているように見える。彼自身が腕のよいコックだけに仕方がないのか。

 今回の収穫は「質問力」の重要性を再確認したこと。
 著者も勧めている『質問力』(齋藤孝)は以前読んだ。が、「自分は読書家である、と思っている人はバカにして読まないタイプの本かもしれない」と初級編に挙げている『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方66のルール』(野口敏)はまさに著者が言う理由で読んでいなかった(^^; ズバリ、盲点。これはアマゾンですぐにポチろう。

 骨太な内容を毒舌あり、オヤジギャグあり、茶化しありのなんでもありで読ませる。
 「何か」を探している自覚のある人にはオススメの一冊。


ダダ漏れ民主主義 メディア強者になる!
日垣 隆
講談社


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