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貧困大国ニッポン 2割の日本人が年収200万円以下 [宝島社新書] (宝島社新書 273)
門倉貴史 ニッポン貧困クライシス取材班
宝島社

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 で、そういった自己責任論もある一方でこの『貧困大国』などのレポートを読むと別の原因も見えてくる。それは「ゆとりの無さ」とでもいえばいいだろうか。
 もちろん本書で紹介されているワーキングプアと今回の事件で投資した人の問題は別次元ではあるが、社会の閉塞状況が危険な投資かどうか判断する余裕すら失わせているような気がしてならない。

 さて、本書である。最近、この手の本を続けて読み漁っているがよくまとまっている一冊。一通りの知見を得たい方にお勧めしたい。
 章立ては以下の通り。
 ・誰も語れなかったワーキングプア
 ・「貧困家庭」崖っぷちのサバイバル
 ・結婚できない”名ばかり”正社員たち
 ・犯罪から抜けられない闇職系若者
 ・貧乏老人がたどる悲惨な末路
 ・貧困は本当に自己責任なのか

 生活に余裕がない人が、人間らしさまで失くしていく様が赤裸々につづられている。ちょっと怖い。この怖さは、当たり前と思っている今の生活が、ひとたび崩れるといかに脆いかという点とも繋がっていて、人事ではないということに由来しているように思う。
 家には寝に帰るような長時間労働を強いられ、それで年収200万円を割ってしまう。将来は夢どころか不安でいっぱい。こんな状態に置かれている人が、何かの弾みで一線を越えてしまうことはありうる話だ。

 能天気に過疎化が進行する地域に道路を作り続けたり、「ゲーム脳」のような分かりやすい(実は的外れな)原因たたきをしている間に、病理の根はますます深く張られてしまう怖さを今感じている。


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