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 舞台俳優のトビーは、公演のためブライトンの町へやってくる。そんな彼を待ち受けていたのは離婚調停中の妻、ジェニーの「会いたい」という伝言だった。実はまだ彼はジェニーに未練があり、どうにかやり直せないものかと思案している。
 面会した時、そのことを切り出せないものかと考えているトビーに、彼女は今自分が幸せであることを告げ、その幸せを守るために助けて欲しいと頼むのだった。
 なんという身勝手な女!(^^;)でも彼女自身ですら気づかない気持ちが、心の底に眠っているんだが・・・。このことに端を発した事件にトビーは巻き込まれ、あろうことか、ただでさえ継続が危ぶまれている芝居をすっぽかしてしまう。
 あれこれ起こるとっぴょうしもない出来事に翻弄されるトビーに、最初感じた反発はなりを潜め、感情移入している自分に気づく。そして・・・
 物語は救いのない結末を迎え、エピローグに救われる、といったところか。
 プロットはおもしろい。物語は星4つ(5点満点中)のでき。にもかかわらず、自分が推薦図書に貼り付けているAmazonのアフィリエイトが今回ないのは、訳が点数を減じているため。
 「最期の喝采」という邦題は(ネタバレになるので)解説しないが「Play to the End」という原題がもたらす余韻には遥かに及ばない。また、二人称の多くを「あなた」、間投詞を「おお」「えー」と学生がよくやるように訳しているのも違和感を覚えた。
 それから、これは訳のせいだけではないかもしれないが、トビーが前半と後半で人格(言葉遣い)が違っているように感じたのは気のせいだろうか?
 評価がちょっと辛いかもしれないが、アクシデンタルなエピソードが好きなミステリファンにはオススメできると思う。

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