本人は今やめる事については苦渋の決断だったようだ。だが、その英断を評したい。
日本球界の荒波や古い体質にさらされ、「メジャーで通用するわけがない」から始まり、失敗しようものなら「それ見たことか!」と罵声を浴びせられる覚悟でドジャース入団。結果「ノモマニア」を生む大活躍。「サンシーン」が英語になった瞬間でもある。
メジャーでの活躍がうれしいと同時に、野茂をけなそうと虎視眈々だった当事の球界ご意見番にも「ざまあ!」と胸のすく思いだったあの頃。
「私にはドジャー・ブルーの血が流れている」と語ったラソーダ監督。盟友で頼もしかったピアッツア捕手。そして「トルネード」の野茂。みんなかっこよかった。NHK衛星放送の独占中継を苦々しく思いながらも、野茂の活躍に拍手を送り、どれほど勇気をもらったかは筆舌につくしがたい。
「パイオニア」
野茂を評するときに語られる言葉。確かに、誰かが歩いた道を「俺ならもっと早く走れる」と追随することは、歩けることすら分からない道を行った者に比べると軽く見られるのはしょうがない。野茂を見てきた自分にとってはそんな気分もある。そう、確かに野茂は「英雄」だった。
人間の暮らしが豊かになり、どんどん「辺境」が冒険されつくされていく中で、確かに「メジャーリーグ」というのは、日本人にとっての辺境だった。星飛雄馬の「大リーグボール」を例に引くまでもなく。
ありがとう、そしておつかれさまと今は言いたい。
次の野茂のアクションを楽しみにしている。
サッカーの中田とは別の意味で。
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